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リユースと買取の今。テクノロジーと異業種協業でさらに業績拡大傾向

リサイクルやリユース品の需要が増え、業界の拡大傾向が続いています。 CtoCフリマアプリの利用が消費者の間で一般化したことで、リユース品への抵抗を感じる人も少なくなってきました。

また経済状況の悪化やSDGsへの意識の高まりによって、節約の意識や無駄をなくす購買行動を多くの人が意識していることも関係しています。

こうした世相を反映して、異業種が協働でリユースを進める動きも出てきています。

本記事では、リサイクル業界の現在と、買取を改革するテクノロジーについて解説し、業界と循環型社会のあり方についてまとめています。

拡大傾向にあるリサイクル業界の動き

経済状況の悪化やSDGsの高まりといった複合的な理由によって、リサイクル業界の規模は拡大しつつあります。

2019〜2020年の動向を発表した業界レポートによると、成長率は+9.7%(0.6兆円UP)、主要対象企業22社の売上高合計は6,065億円となりました。

リサイクル業界の業界規模は2009年〜2019年の11年間でゆるやかに上昇し続けており、2022年には3兆円、2025年には3.5兆円規模に達するとの見方も出ています。リユース品や中古品を購入することへの抵抗感が薄れ、エシカル消費などの意識が高まったことでリサイクル品の購入が「賢い選択」の1つとして考えられていることが影響しているといえます。

参考:業界動向・リサイクル業界

https://gyokai-search.com/3-recycle.html

業界規模の拡大理由は3つ、CtoC取引の増加、リサイクルECサイトの普及、業界における異業種提携の増加が挙げられます。

個人間取引増加がもたらした影響

フリマアプリの利用は、若年層だけでなく幅広い世代に広がっています。スマホから簡単に売買できること、さまざまなアイテムが出品されていることから市場規模は拡大し続け、縮小の気配はまだありません。

それに伴い、ネットオークションも多くの消費者にとって身近な存在になっています。

フリマアプリやネットオークションの利用拡大に伴って、一度人の手に渡った後の「中古品」を購入する抵抗感は薄れてきました。

フリマアプリやネットオークションでは、プレミアのついたコレクターズアイテムなどと、消費者Aにとっては不用品だが消費者Bにとってはニーズがある(サイズアウトして出品された子ども服、不要になった参考書など)アイテムが混在しています。

さまざまなアイテムが出品されることで多様なニーズを持つ消費者がアプリやオークションサイトを閲覧するようになり、リサイクル業界全体を活気づけています。

リサイクルECの普及

リサイクル品の主な販売チャネルは、店舗販売、ネット販売、古物商同士の売買が行われる古物市場、卸販売、海外輸出の5つですが、このうちネット販売が普及したこともリサイクル業界の業績が上がっている理由のひとつです。

EC利用は、2020年の緊急事態宣言以降、それまで普及していなかった中高年以上の世代にも急速に普及しました。これに伴い、ヤフーや楽天のような大手モールサイトだけでなく、自社ECで買取と販売を行う企業も増加しています。

全世界的なステイホームにより、中古買取・販売店を世界に出店した企業も、店舗は苦境ながらネット販売は好調というデータが出ています。

中古品は、アパレル、ジュエリー、書籍などすべてのコンディションがそれぞれ異なるため、原則として1点ものとなります。そのため、自社ECでリサイクル品を販売するためには商品撮影や採寸、商品説明といった「ささげ」をどの程度効率化できるかが重要です。

とはいえ、店舗と違ってECは顧客を全国規模に求められるというメリットがあり、買取と販売をどのようにシステム化するかを検討していく価値があるでしょう。

業務提携や協業で異業種へ進出

リサイクル業界の売上高が好調な理由、その3つめは異業種との提携や協業にあります。

例えば、他社製品を含むアパレルアイテムの買取を、通販事業者と買取事業者が提携して行うことで、両者のノウハウとネットワークを最大限活かすことができます。通販事業者には、買取によって新たな顧客接点が生み出されます。

不用品のリサイクル、リユースの協業には、引越し事業と買取事業の提携といった例もあります。消費者は引越しと買取を一括で申し込むことが可能で、企業にとっては引越しという大きなイベントをきっかけにすることで、効率よく出張買取を行えるというメリットがあります。

従来では結びつかなかった業種同士が提携して「買取」に新たな価値を見出すことで消費者のニーズを発掘し、事業につなげる動きは、今後も増えていくと想定されます。

SDGsとリユース

世界を挙げて取り組むべきSDGsは、リユース、リサイクル業界にとって追い風になっています。無駄をなくし、環境に配慮した選択をしようというムーブメントは、中古品購入や潜在資産の換金、不用品を手放すなどの合理的行動につながり、これまでリユース品や買取に興味をもっていなかった消費者層からも関心が寄せられています。

例えば、これまでリユースや買取に抵抗感をもっていた消費者が、SDGsの理念や目標にふれることでリユース、リサイクルにポジティブな感情を抱く、利用してみたいけれどきっかけがなかった潜在的顧客がSDGsの取り組みのひとつとしてリサイクルやリユースを利用するといったケースが想定されます。

ITで変わる中古品買取

消費者意識の変化だけでなく、IT技術による変化もリサイクル、リユースの業界を大きくしている理由のひとつです。

コロナ禍にあっても安心して買取や相談ができる非接触のサービスや、AIによる真贋判定、小売業のようなネットと実店舗の連携が進んでいます。

非接触非対面買取相談

消費者が持ち物を買い取ってほしい時、必須となるのが本人確認です。

買取の際の本人確認は古物営業法によって定められた義務であり、窃盗などを抑止・防止するために本人確認記録を一定期間保管することが求められています。宅配買取サービスも、本人確認書類のコピーを同梱するなどの施策が取られています。

こうした事情から、オンライン完結の買取は実現が難しいとされてきました。

ですが、

  • 免許証などの本人確認書類の表と裏、さらに厚みを撮影する
  • 顔写真を正面と傾けた顔など複数回撮影する

などの技術によって高精度の本人確認が可能になり、オンラインで完結する買取ができるようになりつつあります。免許証や顔をさまざまな角度で撮影し、その写真を高度なセキュリティ技術で分析することにより、偽造を見抜けるようになっています。

こうしたテクノロジーは、本人確認のプロセスを大幅に効率化、省人化できるため、中長期的に見るとコスト削減にもつながります。また、昨今の感染症予防の観点からも有効な施策といえます。

LINEを使って気軽に鑑定

LINEのチャット機能を使った買取、鑑定も多くの買取店で導入されています。

買取を希望する製品の写真をチャットで送信し、見積もりを送るというやり取りにより、スマホから簡単に買取を依頼できるようになっています。

事業者は、鑑定のためにLINEの友だち追加をしてもらうことで顧客の囲い込み、リピート利用の促進が期待できます。

AIで真贋判定

さまざまな業界に可能性をもたらすAIは、買取業界でも活用されています。

特に活用されているのが真贋の見極め、鑑定の分野です。現在は、世界的ブランドのバッグやスニーカーなど一部のアイテムに限定されていますが、10秒で正確率最大99%という精度で真贋判定が可能です。世界的に有名なブランドの製品は海賊版のクオリティも年々上がっており、経験の浅い鑑定士にとって偽物の見極めに時間を要するものも増えています。

AIが短時間で精度の高い真贋判定できるアイテムの種類が拡大すれば、それは買取業にとって大きな変化となるでしょう。

見積もりから買取までをアプリで完結

CtoCのフリマアプリは、消費者にとってすっかり身近な存在になりましたが、買取事業者もスマホで見積もりから買取までを一括で行える自社アプリをリリースしています。

自宅に置いたまま使っていない「潜在資産」を一括で査定し、査定価格に納得すれば買取依頼までアプリですべて行えるというシステムは、在宅時間の増えた昨今特にニーズが高まっています。

「自宅の不用品をまとめて売却したい」という消費者の希望と、「査定や買取にかかるコストを削減したい」という企業側の意向をうまくマッチングさせることで、双方が利用しやすいアプリやWebサービスを構築することができます。

ネットと実店舗を連携、どこでも買取可能

デジタルと実店舗を自在に行き来するOMO的思考は、リサイクル業界、買取事業でも重要なものとなっています。

現在、購買体験にはさまざまなデジタル技術が用いられています。

ネットでリサーチして見つけた商品を実店舗で購入する、実店舗でもらったクーポンのクーポンコードを入力して、通販注文の割引をしてもらう、などオンとオフが分断されることなくつながっています。

この状態に慣れた消費者と顧客接点を持ち続けるためには、リサイクル業においても同様の購買体験を目指していくべきです。

3Rで循環型社会へ

循環型社会は、Reduce(リデュース:廃棄物の発生抑制)、Reuse(リユース:再使用)、Recycle(リサイクル:再生利用)という3Rによって達成されます。

環境省は3Rを推進しており、使えるものを繰り返し使えるようにする買取やリサイクルの業界ニーズは今後ますます高まっていくことが予想されます。

しかし、アフターコロナで社会のあり方や人々の購買方法は大きく変化しました。ゆえに、従来のまま企業成長を続けるのは限界があるといっても良いでしょう。リサイクルのサステナブルな側面と強調した企業展開や、AI、アプリといった新しいIT技術を活用した手法にシフトしていくべきです。

拡大傾向が続くと予想されるリサイクル業界に見合った成長戦略を描くためには、新たなビジネスのあり方を計画していく必要があるでしょう。

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