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マーケティングの役割も担う進化系店舗の動向

店舗以外での販売経路が増えて運営方法に悩む企業担当者の方が多くなってきています。

今や店舗イコール購入の場とは限らず、様々なマーケティングに活用されるようになってきた小売店舗。消費者のニーズや消費行動、そして商習慣は大きく変わっており、小売店は店舗運営の見直しが必要な段階にきています。

この記事では店舗マーケティングに悩む方に向けて、新しい店舗の動向やマーケティングを支える技術・サービスをご紹介します。

店舗をマーケティングに活用するには

店舗マーケティングとは売り上げを最大化させるための流れすべてを指しており、広い定義を持つ言葉です。ここでは店舗をマーケティングの場として捉え、OMOでより高い効果を狙う施策として解説していきます。

昨今における店舗はモノを売るだけではなく、「体験」に特化してサービスを提供し、最終的な購入はECへ案内するという新しい流れが注目されています。

店舗の捉え方を進化させた要因として考えられるものは、消費者のニーズや時代の変化、そしてテクノロジーです。

スマホやPC、インターネットといったテクノロジーの進化によって、店舗の在り方が問われています。コロナで生活様式が変化したことで、より一層店舗の捉え方を変える必要が出てきたのです。

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店舗運営で定番となりつつあるMEO

Map Engine Optimization(マップエンジン最適化)の略である「MEO」は、店舗集客においてもはや定番といえるマーケティング手法でしょう。「ローカルSEO」とも呼ばれるMEOは、特に店舗ビジネスや地域ビジネスにおいて欠かせない手段です。

SEOと違いMEOは文字通りMap、つまりGoogle MAPの施策に特化している点が大きな特徴です。Googleビジネスプロフィール(元Googleマイビジネス)で上位表示させることで、Google MAPユーザーに自店舗を見つけてもらう狙いがあります。

MEOでは店舗写真や口コミ、公式Webサイトリンクや営業時間など来店促進に必要な情報を網羅でき、SEOより競合が少なく、成果が出やすい点が魅力です。ネガティブな口コミも掲示されるといったデメリットもありますが、実店舗を構える企業にとってMEOは欠かせません。

実店舗を構える企業は、上記MEOのように「来店を促す」「最終的に実店舗で購入してもらう」というマーケティングが一般的です。しかし、今では店舗が担う役割に変化が起こっています。

OMOにより店舗は「マーケティングの場」へと進化

オンラインとオフラインの融合を目指すOMO(Online Merges with Offline)の登場により、自店舗の在り方が「マーケティングの場」へと進化しています。

ECやSNSといったオンラインチャネルが増え、消費者は実店舗以外で商材を購入できるようになりました。つまり「店舗=販売」ではなく、オンラインチャネルでの購入を見据えた販売戦略を立てられるのです。

今では実店舗を持たない企業が、自社のオンラインサービスをPRするためにポップアップストアを開設するという事例まであります。

韓国では、レジャープラットフォーム企業であるyanolja(ヤノルジャ)が、百貨店でポップアップストアを披露しました。Yanoljaは韓国語で「休暇」という意味で、ストア内は旅行関連のコンテンツで溢れています。

テーブルとサンベッドなど海岸を連想させる休憩スペースやビーチサンダル、パラソルといった旅行を彷彿とさせるストアの雰囲気が印象的で、消費者を「今すぐ旅行に行かなければならない」という気持ちにさせるのです。

実際に訪れた消費者は、「ポップアップストアで旅行気分になった」「宿泊予約では、yanoljaアプリを一度は使いたい」と話しています。

店舗の需要は「販売」ではなく「体験」へ変化している

昨今のEC市場の発達により、店舗の需要は販売よりも体験重視の傾向が強くなっています。モノを売らない体験型店舗では、かつて実店舗でメインとされた「販売」自体を行いません。

「店舗をマーケティングや体験の場として、購入自体はECへ案内する」という新しい流れで、顧客はより満足度が高く、かつシームレスな購入体験が可能です。

上記のように店舗の在り方が変わった理由として、以下の2つが挙げられます。

  • ECの方が実店舗より品揃えが豊富である
  • 若手世代の消費動機の変化

抱えられる在庫に限りがある店舗では、人気のサイズや商材で品切れする場合が少なくありません。一方で多くの在庫を保有できるECは品揃えも豊富で、「購入は店舗よりECの方がいい」と考える消費者が増えています。

また2000年以降に成人を迎えた「ミレニアル世代」やさらに若い「Z世代」はデジタルネイティブな消費者であり、モノよりも体験を重視する傾向があります。さらにコストパフォーマンスも重視するので、より価格を比較しやすいECに大きな利便性を感じているのです。

店舗の捉え方が変化した理由の1つには、テクノロジーの進化も挙げられます。次で新しい技術やサービスご紹介するので、小売店はぜひ店舗マーケティングの参考にしてください。

「店舗」の捉え方を進化させるテクノロジー4選

店舗を販売ではなく体験やマーケティングの場と進化させるためには、テクノロジーが欠かせません。ここでは、すでに市場で生まれているテクノロジーを4つご紹介します。

1.行く店から来る店へ進化した「店舗呼び寄せ」アプリ

アメリカのロボマート(Robomart)では、アプリのボタン1つで店舗を呼び寄せられます。CEOは「小売業者は自社店舗の延長と捉え、新しい小売チャネルにしてほしい」と狙いを明かしており、新しい販売スポットとしての活用が可能です。

アプリユーザーは2~5ドル(約228円~570円程度)、の料金だけで、店舗を呼び出すことができます。車両が到着しても窓は着色されているため、ドライバーと会話する必要はありません。

つまり、数百円程度の手数料のみで自分の必要な商品をその場で購入できるのです。

ロボマートが提供するものは、車両とサービス用のスタッフ、そして自社アプリとチェックアウト技術のみです。商材はブランドや小売業者が1つ以上の移動式店舗を借りることで、商品や価格帯の仕入れを決めます。

ロボマートのレンタル期間は最短1年で、食料品や、スナック、医薬品、カフェ、アイスクリーム、ファーストフードの6種類から選択します。

このテクノロジーが日本にも参入すれば、店舗で実施したマーケティングを参考に、商品や価格帯の仕入れを決定できるでしょう。

2.「対話型リアルコマース」で店舗がライブコマースの発信基地になる

ライブ配信で紹介を紹介する「ライブコマース」では、店舗で発信できるサービスが登場しています。

次世代通信技術を用いたライブコマースプラットフォーム「PinPon」とファッションビル商業施設を展開するマルイが協業し、ライブコマースとリアル店舗の良さを生かした店舗「PinPon Studio」を新宿マルイ本館3階にオープンしました。

PinPonは、オンライン・オフラインそれぞれの強みを最大限生かしている点が魅力です。PinPonで紹介した商品を協業している新宿マルイで手に取ることができ、「PinPonで紹介された商品が欲しい」というニーズに対応できます。

ライブコマースでは生産者と消費者がリアルタイムの会話・チャットで交流もできます。次世代のオンライン手法であるライブコマースとリアル店舗の良さを生かした「PinPon Studio」は、まさにOMOの魅力を活かした販売手法です。

「実店舗特化型アプリ」という類を見ないもので、店舗マーケティングの新しいあり方を提案するサービスの1つです。出店ブランドの実例として、室町時代から作る刀鍛冶「浅野鍛冶屋」や、腸活と温活を掛け合わせた「腸温活」を推奨する「アルポカ」などがあります。

3.「店舗のデジタル化」によりハイブリッドな購買が主流に

顧客に「この商品の在庫はありますか?」と聞かれ「在庫切れです。」と答えた経験がある店舗は、「店舗のデジタル化」という技術が必要です。

限られた在庫しか抱えていない店舗では、人気の商材で「在庫がない」というケースは少なくありません。しかし、「在庫切れです」や「取り寄せなら可能です」という対応だけでは不十分です。

例えば取り寄せ可能商品なら、「他店の在庫を直接ご自宅へ配送する」という対応ができると、より顧客の満足度を高める購買体験につながるのではないでしょうか。

上記を実現するためには、他店舗の在庫を自店舗から確認できるシステムが必要です。また店頭接客した顧客の情報がECのアカウント情報に紐づけできれば、店舗でもECでも同様の購買体験ができます。

昨今では店舗とECを状況に合わせて使い分け、いくつものチャネルを行き来する消費行動が珍しくありません。OMOにより各チャネルを補完できれば、ハイブリッドな購買体験が可能になるのです。

この“補完しあう”という特徴は、OMOが小売市場に与える大きな効果の1つといえます。

4.DBの統合で顧客情報もシェアリング

2022年6月、三井不動産とグループ会社「ShareTomorrow」が協業し、シェアリング型移動商業基盤「MIKKE!」を本格始動しました。商業施設でもECでもない“第三の購買の場”として新しい買い物体験を創出する目的を持っています。

MIKKE!では「場所・車両・顧客情報」の3つをシェアリングできる点が大きな特徴です。売り上げ実績と連携して蓄積した顧客データを共有でき、オンラインとオフライン両方を通じた顧客とのコミュニケーションを構築できます。

三井不動産の多様な不動産開発・運営で通じた知見や顧客情報を共有することで、より的確なマーケティングが実現します。場所や曜日・時間帯といった情報を元に、より高い販売効果が期待できます。

2021年9月からサービスを開始したMIKKE!のコンセプトは、「“新しい発見のある第3の買い物体験”が、あなたの街へやってくる」です。湾岸地区のマンションや商業施設、オフィスビル、公園、駐車場を含む16物件で営業しており、その店舗は多種多様です。食物販・物販・サービス・PR目的などが主で、移動販売車両を使い巡回営業しています。

MIKKE!を活用すれば、以下のような店舗マーケティングが期待できます。

  • 自店舗の商圏拡大
  • キャンペーンや新商品、イベントのPR
  • テストマーケティング

自店舗ではターゲットエリアがある程度決まっていますが、MIKKE!のような移動型商業基盤があれば商圏拡大が期待できます。「このエリアでどれくらい反響があるか確認したい」と考える企業には、うってつけともいえるサービスです。また「新製品や企画段階の商材を消費者に試してもらう」という使い方でも活用できるでしょう。投資負担が大きくなりがちな「車両」もシェアリングできるため、少ない費用でマーケティングが可能です。

身近な場所に、次々と“新しいお店”がやってくる新しい体験 「MIKKE!」-シェアリング商業プラットフォーム- 本格始動

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000179.000051782.html

店舗のデジタル化でマーケティング施策をスムーズに

店舗の捉え方や活用方法について、昨今の傾向や新しいテクノロジーをご紹介しました。かつて消費者の“ショッピング”といえば、何店舗もショップを巡り、購入を決める前に多数の実物を手に取るケースが一般的でした。

しかし生活様式の変化やITの発達、そしてDXの推進により店舗の在り方も大きく変化しています。ぜひ新しい技術を活用し、自社のマーケティングにお役立てください。

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