• このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリーイノベーションとは?成功事例と企業のSNS活用術について

「自社のブランディング戦略がうまくいかない」「競合と顧客の奪い合いをするのに疲れてしまった」と悩んでいる担当者の方へ。

企業の成長戦略に欠かせないブランディングは企業の本質に迫るものであり、どの企業も苦戦しています。しかし、既存のカテゴリー内で勝負すると必ず勝ち負けが生まれ、“カニバリ”ことカニバリゼーションが起こりかねません。

そこで注目されているのが、新しいブランドカテゴリーを創出する「カテゴリーイノベーション」です。カテゴリーイノベーションで新しい価値を生み出せれば、賢く勝つことができます。

目次:

競争しない戦略「カテゴリーイノベーション」でスマートに勝ち抜く

カテゴリーイノベーションとは

今の時代、どんな業種にも競合が存在します。顧客に自社商品やサービスを選んでもらうには競合との違いをアピールし、顧客に認めてもらわなければいけません。

他社との違いを作り熾烈な競争を避けるためにも、企業は「ブランディング」に力を入れています。成長戦略に欠かせないブランディングの考え方として注目されているのが、「カテゴリーイノベーション」という概念なのです。

「技術革新」という意味をもつイノベーション。カテゴリーイノベーションとは、市場でのブランディングカテゴリーを新たに確立することで、スマートな事業の成長を目指します。

カテゴリーイノベーションという言葉は、ブランディングに関わる担当者ならすでに知っているかもしれません。2011年に「カテゴリー・イノベーション」という書籍が出版されており、国内でも多くのビジネスマンに愛読されています。

書籍では既存カテゴリーを見直し新しいカテゴリーを創出することで、ライバルの出る幕を排除する方法が書かれています。

「カテゴリー・イノベーション」筆者デービッド・A・アーカー氏はブランド・アイデンティティ概念の提唱者として知られています。国内でも数々のマーケティング著書を出版しており、株式会社電通の顧問も務めています。

参照リンク:日本経済新聞出版社「カテゴリー・イノベーション ブランド・レレバンスで戦わずして勝つ」
https://www.nikkeibook.com/item-detail/31750

電通も取り入れるブランディング戦略

「カテゴリー・イノベーション」の著書を顧問に持つ電通は、当然自社のブランディング戦略でもこの概念を活用しています。

今まで好調だった製品やサービスも、競合が乱立している市場では、コモディティ化によって突然憂き目を見ることもあります。そこで電通グループではこのカテゴリーイノベーションの考えをベースとして、電通独自のコンサルティングサービスを提供しているのです。

参照:戦わずに勝つ「カテゴリー・イノベーション」とは何か?
https://diamond.jp/articles/-/18110

コモディティ化とはマルクス経済学の用語であり、顧客に「どのメーカーも大差ない」と評価されてしまうことをいいます。ブランド戦略がうまく機能せず、顧客に積極的に選ばれない状態となってしまうのです。

電通が提唱している戦略は、「ソーシャルメディアを活用して新カテゴリーを創出する」という方法。

企業ではなく顧客を主体として考え、顧客とともにブランドカテゴリーを作り上げることが時代に沿った方法としています。

そこで活用すべき情報がSNSによる顧客の「生の声」であり、生の声がからニーズの芽に気づき育てていくことで、カテゴリーイノベーションを起こしていくのです。

カテゴリーイノベーションに成功すれば、消費者から「他に変えられない」という評価を得ます。他社を下げたりむやみにプロモーションを行ったりする必要がなく、「戦わずに勝つ」というスマートな戦略が確立できるのです。

そもそもブランディングとは何か

企業の成長戦略で多用される「ブランディング」ですが、印象的なロゴやイメージキャンペーンなど、ハイファッションを連想させる「ブランド」とは異なります。

自社ブランドで失ってはいけない核の部分と変革していくべき部分を切り分け、生き残っていくための方法論の確立をブランディングというため、企業にとっては「自分探し」のような壮大なテーマでもあるのです。

「ブランディング」は以下のように、5つのステップを踏んで確立します。

  1. 顧客の期待に応える価値を決める「ブランド提供価値規定」
  2. ブランドの提供価値を社内外問わず発信する「ブランド・コミュニケーション」
  3. マーケティング活動の指針を決める「ブランド・マーケティング」
  4. ブランドの認知度を上げる「ブランド・アクティベーション」
  5. ブランドのマネジメントを行う「ブランド・マネジメント」

参照:博報堂コンサルティング「<第1回> ブランディングとは何をすることなのか~4つのブランディング領域と企業事例~」
https://www.hakuhodo-consulting.co.jp/blog/branding/branding_20190820/

カテゴリーイノベーションとブランドポジショニングの違い

企業のブランディングではブランドポジショニングという言葉もあります。自社のブランドカテゴリを位置付けて、消費者に他社との違いをしっかり認識してもらう方法であり、こちらも重要です。

しかし、カテゴリーイノベーションとブランドポジショニングは若干ニュアンスが異なります。

前述の通りカテゴリーイノベーションはブランドポジショニングと違い、「カテゴリーの革新」という意味を持ちます。

そのため、カテゴリーイノベーションで新カテゴリーを確立した後、ブランドポジショニングで消費者に違いをアピールするという流れが正しいブランディング戦略となるのです。

カテゴリーイノベーションでも使えるSNS

今や企業ブランディングでもソーシャルメディアを活用する時代

LINEやTwitter、FacebookといったSNSは若年層のコミュニケーションツールにとどまらず、今や大手企業も“企業アカウント”を取得して、続々と公式カウントの運用を開始しています。

総務省の調べによると一番利用されているソーシャルメディアサービス/アプリはLINEで、82.3%となっています。続いてTwitterが37.3%、Instagramが35.5%、Facebookが32.8%というのが2019年最新のSNS利用率です。

参照:総務省情報通信政策研究所「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」

出典:https://www.soumu.go.jp/main_content/000644166.pdf

自社製品やサービスの評価や「こんな商品が欲しい」という願望・現状の不満など顧客の「ニーズの芽」を集めるほかに、企業アカウントで顧客とコミュニケーションを取る・情報を発信するなど、自社ブランディングを浸透させるためにはSNSを活用しない手はありません。

今までのブランディング戦略との違い

ソーシャルメディアを利用しない従来のブランディングでは、顧客のニーズを知るためにアンケートを取るなど費用がかかるものでした。

その点ソーシャルメディアでは企業アカウントを無料で取得できるため、初期費用がかなり抑えられます。この点は従来のブランディング戦略と大きく異なる点です。
(もちろんSNS内で広告を出したりプロモーション動画を作成したり、毎日の投稿を外注するといった場合は費用が発生します。)

昔と違い今は欲しい情報を検索できる時代であり、顧客は能動的に動けます。そしてSNSでは他のユーザーが顧客としての感想も発信しているため、誇張しすぎた企業の表現は「嘘」と捉えられ、マイナスな結果につながりかねません。

SNSでは顧客とより密接にコミュニケーションを取れるため、この点は大きなメリットです。しかし対応方法を間違えるとマイナスイメージを与えかねないため、運用方法について慎重に検討すべきでしょう。

ソーシャルメディアでカテゴリーイノベーションを行う方法

SNSを始めるためには企業名でアカウントを取得すればよいのですが、その運用方法についてはあらかじめ方針を決めておかなくてはいけません。

ブランドイメージの普及や顧客とのコミュニケーション、商材の紹介やアピールなどどういう目的で情報を発信するか決めておかなければ、顧客にはなかなか響かないでしょう。また、購入を露骨に促すメッセージやアピールは顧客の反応が悪く、最近は好まれない傾向にあります。

カテゴリーイノベーションのためにSNSを始めるなら、顧客とのコミュニケーションを重視した運用で本音の情報を集めるなど、まずは社内で目的を明確にしておきましょう。

SNSごとの特徴を知って効果的に使い分ける

国内で人気のSNSは複数あるため、企業アカウントを解説する際にはユーザー層の違いや情報発信の特徴を把握する必要があります。

LINE

国内でもっとも高い利用率を誇るLINEは、2019年時点でアクティブユーザーが8200万人を突破。40代の男女が最も利用しており、続いて30代、50代が利用している。企業アカウントのホーム画面に投稿すれば、企業アカウントと友達になっているユーザー全員が情報を閲覧できる。LINE友達限定クーポンを配信する企業も多数。

Facebook

SNSの先駆者ともいえるFacebookは、40代や50代、さらには60代の利用者が多くユーザー層としては比較的高い年齢層が特徴。投稿した情報に友達が「いいね」をすれば、その友達にまで情報が届く。

Instagram

写真がメインであるInstagramは、20代~40代が中心のSNS。特性上見栄えのいい写真でアピールする企業が多く、「#」から始まるハッシュタグをつける文化がある。拡散力は高くないので、フォローしている顧客に響く情報を見極める必要がある。

Twitter

時系列に情報が投稿されるTwitterは、リツイートされることで全くつながりがないユーザーにも情報を拡散できる。SNSの中でも情報がオープンである点も特徴的。傾向としてはビジネスライクよりもフレンドリーなほうが好まれ、顧客とコミュニケーションを取りやすいツールである。

SNSを使ったカテゴリーイノベーションの成功事例

デル法人向けテクニカルサポートアカウント(Twitter)

Twitterで企業アカウントを運用しているデルは、顧客との関係づくりにSNSを活用しています。製品に関するつぶやきを見つけたらすぐに返信を送り、ユーザーに存在をアピールして認知度を高めることに成功しました。

企業アカウントでは自社製品に関するお役立ち情報を配信しており、2020年1月時点で1万5千人を超えるフォロワーを抱えています。

デル法人向けテクニカルサポート公式アカウント
https://twitter.com/DellCaresPRO_JP

NIKE(Instagram)

デジタルマーケティングに力を入れているスポーツメーカーNIKEは、Instagramで成功しています。2020年1月時点でフォロワーが9500万人を超えており、非常に拡散力の高いアカウントになっています。Instagramという特性上投稿内容は写真がメインで、スポーツの啓蒙目的の画像を投稿しています。

企業がSNSを利用する際注意すべきポイント

企業アカウントを解説するなら、投稿内容だけではなく運用ルールについても話し合わなくてはいけません。

具体的に言うと、発信する情報の内容や文章の固さや絵文字を使うか、返信をくれたユーザー全員に反応するか、配信頻度や担当者などが挙げられます。過去には大手企業もSNSで炎上してしまったケースがあるため、オープンに情報が拡散されるSNSでは配信する情報について細心の注意が必要です。

また、SNSは数分、数秒ごとに新しい情報が投稿されます。ほかの情報に埋もれてしまわないように、継続的に配信する必要があります。

カテゴリーイノベーションの成功事例

最後に、カテゴリーイノベーションで成功した2つの事例についてご紹介します。

SONYウォークマン

戦後の日本に大きなイノベーションを与えた製品といえば、ウォークマンが挙げられます。1979年に登場したウォークマンは、iPodが登場するまで最も革新的な製品でした。

「音楽を外で聴く」という習慣がなかった時代に、持ち運べる再生専用機としてウォークマンを作り出したのです。「録音機能が付いていなければ売れない」と社内の反発もあったようですが、結果として「外で音楽が聴ける」という新しい価値を創造し、カテゴリーイノベーションを起こしました。

スターバックスコーヒー

国内でも人気のコーヒーショップであるスターバックスコーヒーは、単に「外でコーヒーを飲むお店」ではなく、「誰もが自分の居場所と感じられるような文化をつくる」というポリシーを持ちカテゴリーイノベーションに成功しています。

どの店舗でも落ち着いた雰囲気があり、「コーヒー1杯でゆっくりくつろげる」という新しい価値の提供を行った結果、値下げやCMといったプロモーションを行わずにファンを創出しているのです。

参照:スターバックス公式サイト

出典:https://www.starbucks.co.jp/company/mission.html

まとめ

ブランド市場で新たなカテゴリーを創り出すカテゴリーイノベーションは、「顧客の要望」からスタートすることが成功の秘訣です。企業が創り出した価値を顧客に受け入れてもらう時代は終わり、今は「顧客が欲しいものを作る」ことこそが企業のミッションとなりました。

インターネットが発達した現在では、情報の量だけではなく質も大きく影響します。顧客の生の声が集まるSNSをうまく活用すれば、競合と戦わずに勝てる賢い成長戦略が見えてくるかもしれません。

PR:アフターデジタル時代を生き抜くためのDXコンサルティング

S-cubism ニュースレター登録

アーカイブ

EC・小売業界のニュースやトレンド、最新情報などをお届けする無料メルマガにご登録ください。
ページ上部へ戻る