店舗運営のAtoZ全31回

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Lesson3 店舗売上向上編

12顧客単価を上げる手法と注意点未学習

ここで学ぶ概要

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新規顧客からじっくりと手間をかけて育て、「リピーター」をしっかりと確保できれば、顧客単価アップによる、さらなる店舗売上向上を目指すことができます。

そこで、「店舗売上向上編」第5回目となる今回は、顧客単価を上げていくための手法や、実行するときに注意していただきたいことについて、以下の項目に沿って解説いたします。

  • 顧客単価を上げる手法は2つ
  1. アップセルによる顧客単価の引き上げ
    1. アップセルとは?
    2. アップセル成功のコツ
    3. アップセルにおける注意点
  2. クロスセルによる顧客単価アップ
    1. クロスセルとは?
    2. クロスセル成功のコツ
    3. クロスセルにおける注意点
  • アップセル・クロスセルのきっかけ作り
  • まとめ

顧客単価を上げる手法は2つ

顧客単価を上げる手法には、「アップセル」と「クロスセル」の2つがあり、それぞれを効果的に組み合わせることにより、店舗の売上は上向いていきます。

1、アップセルによる顧客単価の引き上げ

店舗の売上を効果的に、かつスピーディーにアップできるため、多くの店舗で実施されているのが、「アップセル」という販売手法です。
しかし、やり方を間違えてしまうと、顧客に抵抗感や圧迫感を与えてしまいかねませんので、この項ではアップセルとはそもそもどういった手法なのかや、アップセル成功へのコツ、さらに注意点などについてお話します。

1-1 アップセルとは

アップセルとは、店舗の商品やサービスを購入しようとしている顧客にアプローチし、より高価な上位商品の販売を目指す、セールス行動のことです。

具体例として、新車販売をするカーディーラーにおける、アップセルの進め方を上げてみましょう。

例えば、ある新型モデルについて、車体価格「200万円」のグレードを購入しようとしている顧客がいたとします。

この時、上位グレードに追加される安全装備や、選べるカラーバリエーションの豊富さなどをアピールし、「220万円」のグレードを販売するのが、このアップセルとなります。

アップセルの良いところは、既に購入意欲を持ちテンションが上がっている顧客へのアクションとなるため、成功する率が非常に高いことと、あらゆるビジネスにおいて活用することができることです。

しかも、アップセルによって一度良いものを購入した顧客は、その品質より低い商品やサービスに物足りなさを感じ、上位商品を購入し続ける傾向にあるため、長いスパンでの顧客単価アップにも繋がってきます。

1-2 アップセル成功のコツ

アップセルは、比較的高額な商品・サービスを提供している店舗のにおいて、成功する確率とその売り上げアップ効果が高くなります。

なぜなら、前項で例に挙げた自動車や、

  • 高級ブランド品・時計・ジュエリー
  • エステサロン
  • 家電・家具

などの場合、購入に際して大きな出費が伴うことを、顧客側がある程度覚悟しているため、お財布のひもが若干緩くなっているからです。

そして、顧客の立場になって、上位商品を購入することによって得られる

  • 優越感
  • プレミア感

を刺激すれば、思ったよりも簡単に上位商品を販売し、顧客単価を引き上げることが可能です。

また、購入に際してクレジットやローンを利用することも多いことから、素早く1回の支払額の差を提示して、

「○○円毎月足すだけで、高品質・高性能な商品が買える!」

などといったセールストークによって、「お得感」も同時にアピールするとよいでしょう。
一方、上記のような高級・高額商品でなくてもアップセルは可能であり、例えばいつも購入しているお米やお酒でも、より高品質でおいしいことを試食・試飲などでアピールすることで、上位商品の購入を促すこともできます。

1-3 アップセルにおける注意点

顧客が購入しようとする商品より、高い値段の商品をおすすめするアップセルは、しつこくなりすぎると顧客に「押し売り」だと思われてしまう可能性があるので、引き際には十分注意しましょう。
店舗側が抱く、売上アップへの意欲を感じさせないように、あくまで顧客の求める商品・サービスに合った、自然な流れでのセールストークを心がけましょう。

【ここがポイント!】 ~アップセルからクロスセルへの移行~
アップセルを狙ったセールスの最中に、顧客の様子をうかがいながら「アップセルは難しそうだ」と感じた場合は、クロスセルへ切り替えることも考えましょう。
また、日用品などといった必需品におけるアップセルは、趣向品やぜいたく品、食品などに比べてずっと難しくなりますので、以下で解説するクロスセルを活用したほうがいいでしょう。

クロスセルによる顧客単価アップ

顧客単価のアップにおいて、効果的かつ即効性もあるアップセルですが、豊かな商品知識や巧妙なトーク術、さらに顧客観察力も必要なので、少々高レベルなスタッフ教育と育成が必要になります。
一方、ここで解説していくクロスセルは、商品配置の工夫や販売手法のマニュアル化によって、比較的実行しやすい特徴を持っています。

2-1 クロスセルとは

クロスセルとは、顧客が購入しようとしている商品やサービスと、関連性の深い商品を追加して販売することにより、顧客単価を上げる手法です。
例えば、飲食店やファーストフード店などにおいて、ドリンクメニューやセットメニューの購入を顧客におすすめするのが、一番わかりやすいクロスセルです。

クロスセルの良いところは、例えば「ひき肉と餃子の皮」のように、抱き合わせ陳列をすることで、スタッフや従業員が介さないところでも勝手に発生することです。
また、ファーストフード店でよく見られる光景ですが、

「バーガーにドリンクとポテトをセットすれば、○○円お得ですよ!」

などといった具合に、メイン商品販売時の「決まり文句」としてマニュアル化することにより、経験や知識の少ないスタッフでも実行できることが、大きなメリットとなります。

2-2 クロスセル成功のコツ

クロスセルを成功させるには、勧められた追加商品を購入することによって、

  • 何がお得になるのか・・・割引率や分量アップなどといった「付加価値」
  • 買い物の効率がどう良くなるのか・・・必要なものが揃う「便利感」

などといった、顧客にとっての「利益」が増すことを、しっかりアピールすることが大切です。

例えば、服飾店であれば顧客が購入しようとしている、ワンピースに合うコーディネートを提案しながら、おすすめの小物をクロスセルするのもいいですし、飲食店であれば、注文されたお酒にピッタリのおつまみを、店員の方からおすすめするのも手です。

さらに、カー用品店などではオイル交換のタイミングで、オイルエレメント交換やエンジンフラッシングを、車の専門家という立場から適切にアドバイスするのも、クロスセルに繋がる有効な方法となります。

2-3 クロスセルにおける注意点

クロスセルは、顧客にとって前項で述べたような利益を感じ取れない場合、アップセル同様、「押し売り」と判断されてしまう可能性があります。
クロスセルは、単に顧客単価を上げるための手法ではなく、商品やサービスについて詳しい店舗側が、その有効な購入法・活用術に気付いていない顧客に対して、「親切にアドバイスをすること」だと考えておきましょう。

【ここがポイント!】 ~クロスセル成功には商品ラインナップの見直しも必要~

クロスセルは、顧客に「得をした、効率が良かった」と思わせるだけの商品・サービスがない事には、いくら実行したくてもできません。
また、レイアウトや商品配置を工夫して、スタッフがすぐにクロスセルに取り掛かれる、店舗自体の環境作りをすることも大切です。
例えるなら、コンビニなどで見られる安価で購入しやすい商品の「レジ横配置」は、クロスセルを引き出す、最も簡単で有効な方法です。

店長や運営者はクロスセルに向いている商品・サービスを準備と、効果的な商品配置をするのと同時に、販売マニュアルの作成とスタッフ教育も進めていきましょう。

まとめ

ここまで解説してきた、アップセルとクロスセルは顧客単価を上げるために有効ですが、うまくいけば顧客満足度も向上し、店舗の評判が良くなっていく非常に優れた販売手法です。

お客様が、どういった価値を商品に求めているのかや、何が利益となるのかなどを意識しながら、アップセル・クロスセルをそれぞれ、もしくは複合させながら行い店舗の売上向上を進めていきましょう。

ここがまとめポイント!

  • 顧客単価をアップさせる手法には、アップセルとクロスセルがある。
  • アップセルでは、上がっている顧客の購買意欲を利用し、より販売価格の高い商品の販売を目指す。
  • アップセルの深追いは、押し売りイメージが付く可能性があるので、引き際をしっかりと見極める。
  • クロスセルでは、追加商品の購入による顧客の利益向上をアピールする。
  • クロスセルに適した商品ラインナップと、効率的な商品配置を心がける。
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【正解】1:クロスセルは、商品配置の工夫やスタッフへのマニュアル教育だけで、効果を発揮することもある。
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