店舗運営のAtoZ全31回

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Lesson6 業務改善編

27ペーパーレスによる業務改善未学習

ここで学ぶ概要

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数ある業務改善策の中で最も浸透し、その効果直接的に実感できるのが、ペーパーレスによる業務改善ではないでしょうか。

「業務改善編」第2回目となる今回は、このペーパーレスの種類と具体的な効果について、以下の項目に沿って詳しく解説をしてまいります。

  • ペーパーレスの種類と効果
  1. データベース化によるペーパーレスの効果
  2. デジタルサイネージを活用したペーパーレスの効果
  3. 決済手段の多様化によるペーパーレスの効果
  • まとめ

ペーパーレスの種類と効果

ペーパーレスとは読んで字のごとく、これまで使用してきた紙を減らして店舗業務を改善することです。

ペーパーレスの種類は大きく3つあり、それぞれ望める効果も変化してきます。

1、データベース化によるペーパーレスの効果

まず、簡単かつ大きな業務改善を望めるものとして真っ先に挙げられるのが、店舗運営にかかわる、

  • 売上実績表
  • 見積書や契約書
  • 在庫管理表
  • シフト表
  • 決算書などの財務管理表

などといった、あらゆる書類をパソコンでデータベース化し、管理することによるペーパーレスです。

このデータベース化によるペーパーレスでは、

  • CD・USBでの保管が可能・・・保管場所の確保や、紙としての劣化の心配をする必要がなくなる上、持ち運びやデータの移行も数段楽になる。
  • コストの削減・・・紙代はもちろんのこと、印刷にかかるトナー代や電気代なども削減可能。
  • 情報検索がスムーズ・・・必要とする情報をいつでも簡単に探せ、それを適時取り出せる。
  • 可視化や共有が容易・・・既にデータベース化していることにより、各スタッフとの共有が簡単になる。

などといった、多くの業務改善効果が見込めます。

データベース化は、以前は手入力しか方法がなかったため、非常に手間と時間がかかり、効果はわかっていても手を出せないケースもありました。

しかし、今ではプリンターの機能がアップし、紙面をスキャンすることで簡単にデータベース化できるようになりました。

【ここがポイント!】
~セキュリティへの配慮も必要~
資料のデータベース化は、誰しも簡単に閲覧やアウトプットができる大きなメリットがあります。

しかしその反面、データが持ち出され外部に漏洩しやすくなるという、セキュリティ上のデメリットが発生する可能性もあります。

個人情報や新しいビジネスのアイデア、秘伝の料理レシピなどといった大切なデータは、その閲覧を制限するパスワード設定をしておくとよいでしょう。

また、容易に持ち出せるのがメリットであるCDやUSBについても、カギのかかる金庫で保管するなど、セキュリティ対策もペーパーレス化とともに行うようにしましょう。

2、デジタルサイネージを活用したペーパーレスの効果

続いては、デジタルサイネージの活用による、販促ツールのペーパーレス化です。
これは先程のデータベース化より「紙」としての削減量は大幅に少なくなりますが、鮮明な静止画や動画による商品アピール力のアップという、店舗の売上向上につながる大きな効果を望むことができます。

また、店内外に所せましと張られたポスターは、時に店の美観や商品の視認性を損なうことがあります。

その点、表示内容の切り替え機能を持つデジタルサイネージであれば、1つ設置するだけで複数の商品やサービスの販売促進ができるうえ、客の足を止めるための「インパクト」という点では、ポスターをたくさん張るより断然強くなります。

【ここがポイント!】
~オリジナリティーを打ち出すのにも役立つ~
何も専門的なツールを導入しなくても、商品の概要説明動画を自前で作成したり、料理の調理過程を撮影するなどして、店内に設置したごく普通のTVで放映するというのも、立派なデジタルサイネージの活用です。
オリジナルで作成した手作りPOPやポスターも、それなりのプロモーション効果を望めますが、やはり動画として放映したほうがお客様からの反応は得やすくなります。

効果音なども工夫した「オリジナルプロモーション動画」の作成に、チャレンジしてみるのもいいでしょう。

3、決済手段の多角化によるペーパーレスの効果

単なるネット上での暗号に過ぎない「仮想通貨」に注目が集まるなど、「紙幣」に対する考え方も時代とともに変わってきました。

そして、仮想通貨ほどではないにしろ、紙幣を使わないクレジットカード決済や

  • 楽天Edy(ラクテンエディ)
  • Suica(スイカ)
  • PASMO(パスモ)

などに代表される、電子マネーで決済をするお客様も増え、それに対応する決済システムを用意することも、「紙幣」という紙のペーパーレス化と言えます。

この、「紙幣を減らす」というペーパーレスでは、まずお客様に決済方法を多く提供するという、お客様目線に立った業務改善をすることができます。

また、分割購入できたりポイントが溜まったりするメリットが発生することから、購入へのハードルが大きく下がるという効果が生まれる可能性があります。

POSシステムを導入している店舗の場合、そのほとんどがクレジット・電子マネー双方の決済に対応していますが、従来型のレジスタでは電子マネーには対応していないこともあります。

今後、電子マネーはお財布ケータイの普及に合わせて、どんどん進んでいくことが予想されます。長期的な目で店舗の業務改善を図るのであれば、タイミングを見て決済方法の多角化によるペーパーレスも検討していきましょう。

【ここがポイント!】
~POSシステムの有能性と利用価値~
この項でお伝えした決済方法の多角化によるペーパーレスは、徐々に進めていくことも可能ですが、POSシステムを導入すれば、一気に対応ができるようになるうえ、ソフトウェアのアップデートにより、決済可能な電子マネーを増やしていくこともできます。
また、最初に解説をしたデータベース化も、いちいち手入力やスキャニングすることなく、レジでのバーコード読み込みと決済をしただけで、どんどんデータベース化されるため、至って簡単に手間なく、ペーパーレスに移行していくことができます。

小規模な小売店や、個人経営のサービス提供店舗の場合は、導入コストと相談する必要もありますが、多店舗展開を視野に入れる場合では、様々な面でペーパーレスに取り組めるPOSシステムの利用価値はぐんと上がります。

まとめ

ペーパーレスを進めていくことにより、コスト削減から作業効率の向上、情報の共有化・見える化、、さらにはプロモーション効果のアップやお客様の購買意欲促進など、実に様々な面で、店舗の業務改善につながっていきます。

またペーパーレスは、前回お伝えした業務改善法の1つである「減らす」のところでお話しした、「電子会議」の開催にも活用できます。

次回は、このペーパーレスを応用することで開催が可能となる電子会議について、詳しく解説をしてまいります。

ここがまとめポイント!

  • 膨大な資料をデータベース化しペーパーレスをすれば、コスト削減とともに限られた店舗スペースの有効利用など、様々な効果が得ることができる。
  • デジタルサイネージを活用したペーパーレスにより、従来の紙ポスターよりも効果的なプロモーションができるうえ、店舗の美観も維持することができる。
  • 決済方法の多角化によるペーパーレスを進めることで、お客様の購買意欲をアップさせる効果が生まれる可能性がある。
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【正解】3:決済方法を多くすることで、紙幣の登場機会を減らすことにより、お客様の選択素を増やしたり、その購買意欲を高めたりする効果が出てくる可能性がある。

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