店舗運営のAtoZ全31回

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Lesson3 店舗売上向上編

11リピーターを増やす秘訣未学習

ここで学ぶ概要

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新規顧客をつかみ、それを既存顧客として確保するための流出防止策を練ったあとは、さらなる売上の向上と安定化に繋がっていく、「リピーター」を獲得・増加していくことも大切になります。

「店舗売上向上編」第4回目となる今回は、店舗としてどういった取り組みをすればリピーターを増やすことに繋がるのかについて、以下の項目に沿って解説をしてまいります。

  • リピーターを増やす方法
  • 顧客分類ごとの販売アプローチと接客対応術?
  1. 新規顧客の場合
  2. 再来店顧客の場合
  3. 流行顧客の場合
  4. 優良顧客「リピーター」の場合
  • まとめ

リピーターを増やす方法~セグメンテーションによる「区別」

新規であろうが常連であろうが、店舗にやってきてくれたお客様に対して、誠意と感謝をもって、接客・対応するべきであることは言うまでもありませんです。

ただし、店舗売り上げを大きくアップさせる、「リピーター」を生み出していくには顧客を、

  1. 新規顧客
  2. 再来店してくれた顧客
  3. 流行顧客
  4. 優良顧客(リピーター)

「4つ」にセグメンテーションし、それぞれへの接客・売り込み方法を、意識的に「区別」することも大切になります。
そして、顧客を来店頻度や購入金額に合わせて分類せず、すべての顧客に全く同じアプローチをしていると、うまくリピーターが増えていかない可能性があります。

1、新規顧客の場合

文字通り、初めて店舗に来店・商品購入をしてくれた顧客のことであり、この新規顧客が2回目の来店・購入をしてくれない事には、リピーターを増やすことができません。
新規顧客の創生を狙った、広告やイベントが成功したにもかかわらず、2回目の購入にうまくつながらない時は、もしかしたら新規顧客が「2回目の購入をしてくれない理由」を、意識していない可能性があります。

新規顧客が2回目の来店・購入をしてくれないのは、

バイヤーズリモース・・・商品やサービスを購入した後に発生する、顧客が抱きやすい後悔感情のこと。

の発生が、もっとも大きな理由と言われています。

このバイヤーズリモースは、新規顧客が商品やサービスを、吟味していくうちに徐々に気持ちが高ぶり、購入した瞬間に最も満足感を得ることが多いため、発生をしてしまう顧客心理です。
発生を防ぐためには、商品やサービスの品質向上はもちろんのこと、顧客に「買ってよかった」という感情を、長く持ってもらうことが大切になります。

具体的には、食料品店・日用品店などといった小売店の場合、

  • 料理レシピの提案
  • 長持ちする保存・保管方法の説明

などといった「購入後の有効活用のコツ」を、商品の販売と共に提供するといいでしょう。

また、エステサロンや美容店などといったサービス提供をする店舗では、

  • 日常的な肌ケア・ヘヤヘアケアへのアドバイス
  • 関連する試供品のプレゼント
  • アスタイルのアレンジ方法の提案

などをサービス提供後に行うことも、バイヤーズリモース防止に繋がる、有効な取り組みになってきます。

【ここがポイント!】 ~新規顧客への「コンタクト頻度」について~

初めて訪れた店舗において、店員が頻繁にコンタクトを取ってくることに対して、抵抗を覚えたことがある、という方も少なくないはずです。
ただ、本文中で解説をした取り組みを実行するには、顧客とのコンタクト頻度を増やす必要があります。

そして、新規顧客の商品購入に対する、満足度をアップさせるために増やすべきなのは、販売を促進するための「購入前コンタクト」ではなく、「購入後コンタクト」の頻度です。

新規顧客に対しては、おのずと気分が高揚してくる商品選びの時は、あまり頻繁な接触をせず気軽に買い物などを楽しんでいただき、購入後のアフターケアは念入りに行うことを、接客のセオリーにしておくとよいでしょう。

2、再来店顧客の場合

うまくバイヤーズリモースを抑えられ、再来店・再購入をしてもらえたのならば、商品やサービスに対して、新規顧客が「一定の満足感を得た」ということになります。
このカテゴリーに入った顧客に対しては、今まで通りの商品・サービス提供に加えて、

「店舗への愛着」

を高めていくことが、リピーターを増やすうえで大切です。
店舗に愛着を持ってもらうため、スタッフの笑顔や声のトーン、さらに内装の美しさや居心地の良い雰囲気作りに、気を配るようにしましょう。

また、会員証の発行などといった「顧客囲い込み」のための活動は、新規顧客の場合面倒と感じたり、個人情報提供に抵抗を持ったりする方もいます。
ですので、この再来店・再購入の段階に入ってから、順次行っていった方がいいでしょう。

【ここがポイント!】~ライバル店への顧客流出防止対策にもなる~

商品やサービスへの満足度アップだけでは、同レベルの商品を提供するライバル店が、自分の店舗よりリーズナブルな価格設定をした場合、そちらへ顧客が流れて行ってしまう可能性があります。
しかし、店舗へ愛着心を強く持ってもらえた場合、少々の価格差があっても顧客が流出しないか、流出までの時間を稼ぐことが可能です。

つまり、再来店してくれた顧客をリピーターに変えていく取り組みは、顧客流出という店舗の売上ダウンの原因を防ぐためにも、有効な取り組みになるという訳です。

3、流行顧客の場合

割引セールや、キャンペーンの開催を聞きつけて来店してくれる顧客は、短い期間で多くの商品を購入してくれることも多いため、店舗にとって「利益になる顧客」と勘違いしてしまうことがあります。

しかし、流行顧客は安売りされている商品や、値下げキャンペーン中のサービスだけを目当てにしているため、中身を見ると客単位の利益率が低いこともあります。

確かに、新規顧客創生のきっかけ作りや、販売実績向上のためのカンフル剤として、セールやイベント、キャンペーンの開催は有効になってきます。

しかしあまりに回数が多く、流行顧客が大量に押し寄せてしまうと、店舗の利益アップに繋がらないだけではなく、愛着を抱き始めた「リピーター候補」の顧客への気配りが、少なからずおろそかになってしまうこともあるので、十分に注意しましょう。

【ここがポイント!】 ~日頃からの観察が大切です~

流行顧客を見極めるには、日頃から顧客がどんな購入傾向を持っているのかを、詳しく観察しておくことも大切です。

たくさんいる顧客の購入傾向を、すべて丸暗記するのは大変ですから、POSシステムや会員情報管理システムを有効活用し、流行顧客とそうではない顧客を分け、それぞれに合った接客をしていくようにしましょう。

4、優良顧客「リピーター」の場合

3回、4回と来店してくれて、購入点数も増えてきた顧客は、優良顧客として店舗の運営を強く支えてくれる、大切な「リピーター」となります。

この段階になってくると、スタッフとのコミュニケーションも確立し、個人情報も入手出来ているはずですから、

  • 「○○さん」といった個人名による接客
  • 優良顧客だけが購入できる商品・サービスの用意
  • 優良顧客限定のイベント・セールの開催
  • 手書きによるお礼状・挨拶状・年賀状などの送付

などといった、より「特別感」を与えるための取り組みをしましょう。

【ここがポイント!】 ~多店舗展開への準備~

優良顧客、つまりリピーターの数が増えてくれば、店舗経営が格段に安定してくるため、さらなる飛躍を目指した「多店舗展開」を、店長や運営者の中には検討する方も増えてくるでしょう。

通常、新しい店舗をオープンした場合、新規顧客から優良顧客へ育てる取り組みを、1からスタートしていかなくてはいけません。

しかし、リピーターは店舗への愛着心から、SNSなどによって店の評判を拡散してくれる、「優秀な宣伝媒体」になってくれることもあります。

多店舗展開に先駆けて、リピーターが持つの強い愛着や信頼感を「店舗から運営会社」へ、アップグレードしておくといいでしょう。
併せて、新規オープンの情報などを事前にアナウンスしておくと、新店舗での新規顧客創生やリピーター育成が、かなりスムーズになってきます。

まとめ

リピーターを育て増やしていくことは、店舗にとってその経営安定をさせる、重要なカギを握っています。
ですが、それに合わせて顧客単価を引き上げていかない事には、大きな売り上げアップに繋がっていきません。
次回は、顧客単価をアップさせる秘訣について解説していきますので、ぜひ引き続きチェックをしてください。

ここがまとめポイント!

  • 顧客を分類し、それぞれの段階に合った接客や、販売方法をチョイスする。
  • 新規顧客の再来店を促すには、商品・サービスに対する、「満足感の持続」が大切。
  • 再来店顧客をさらに育て、リピーター候補にするには、店舗への愛着を持ってもらうことが大事。
  • 優良顧客・リピーターに対しては、「特別感」を演出する取り組みを行うことを検討する。
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【正解】3:リピーターには、限定イベントなどの開催といった、「特別感」を持ってもらえる取り組みをするとよい。

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