店舗運営のAtoZ全31回

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Lesson2 実店舗編

5店舗における在庫管理の方法とコツ未学習

ここで学ぶ概要

この講座は約7分で読めます


すべての小売店舗では、商品が売れれば適時補充をし、より売り上げを伸ばすことを目指しますが、そのためには適切な在庫管理を行う必要があります。
そして、店長や運営者ともなれば1時間・1日単位ではなく、月間・年間という長期を見据えての在庫管理もしていかなければなりません。

「実店舗編」第3回目となる今回は、飲食店・食料品店・その他の小売店の3パターンに大きく分けて、店舗における在庫管理の方法と、効率的に行うためのコツについて、以下の項目に沿って解説してまいります

  • 在庫管理の重要性
    1. 飲食店における在庫管理方法とコツ
    2. 食料品店における在庫管理方法とコツ
    3. その他小売店における在庫管理方法とコツ
    • まとめ

在庫管理の重要性~軽く考えると命取り~

在庫管理とは、店内に陳列している商品・料理の具材などが不足した時、適時補充ができるよう保管商品を仕入れ注文したり、品質管理をしたりすることを指します。
また、傷んだ食材や、販売に不向きとなった古い在庫商品を適時廃棄することも、在庫管理に含まれてきます。
仮に在庫が無くなり、商品や料理を来店客に提供できないと、当然売上はそこでストップします。

一方、過剰在庫は限られた店舗スペースと共に予算をも圧迫し、その経営を傾かせてしまう可能性もあるため、在庫は常に「適量」を保つことを意識しましょう。
今回は、その方法とコツが異なるため3つに分けて解説をしていきますが、いずれの場合でもうまく在庫管理ができていない店舗は、なかなか経営が安定しないこともあります。

1、飲食店における在庫管理方法とコツ

在庫管理が最も大変なのは、時間や日時などによって客足が大きく変わり、提供する料理に使う具材の量も、併せて目まぐるしく変化する飲食店です。

提供する料理によって変化しますが、一般的には食材ごとに違う日持ちに合わせて、傷みやすいものは仕入れ量を抑えたり、管理する棚などを分けて古いものから順に使用していくことなどが、飲食店における在庫管理の方法となります。
また、食材によって管理に適した温度帯が変わってくるため、

  • 冷蔵
  • 冷凍
  • 常温

などといった、複数の保存手段を用意しておくことが重要です。

さらに飲食店では、時間の経過による防ぎようのない食材廃棄に合わせて、
食品ロス率・・・食べ残しや仕込み過ぎ、スタッフのミスオーダーなど、人的要因による食材の廃棄率。
を低くし無駄な経費を抑えることも、在庫管理の1つとして考えなければなりません。

ですので飲食店の在庫管理では、食材の仕入れ量調整や品質管理を行うだけではなく、

  • 料理の量が多すぎないか
  • オーダーミスをしないための教育がされているか
  • レシピ通りの調理がなされているか

などにも店長や運営者は気を配り、食品ロスを減らすため随時改善をしていく必要があります。

ちなみに、弁当屋さんやパン屋さん、ファーストフード店など、必ずしも店舗内で料理として提供するわけではないお店も、ほぼ飲食店と同様の在庫管理が必要です。

【ここがポイント!】 ~メニュー構成に無駄はないか見直してみる~

絶対にそうだとは言えないところですが、ラーメン店やうどん店のようにメニューが限られている飲食店の方が、多種多様なメニュー構成をしている飲食店より、比較的店舗として息が長い傾向にあります。

これは、専門性の高い飲食店の方が、具材の種類も少なく比較的在庫管理が容易なため、無駄なコストを抑えることができるからです。
とはいっても、メニューが単純すぎたりいつまでも同じだと、来店客に飽きられてしまうこともあります。

メニューを増加・変更するときは、具材に互換性を持たせたり冷凍保存できたりする具材を用いるなど、廃棄を極力少なくするための工夫も大切になってきます。

2、食料品店における在庫管理方法とコツ

次に、在庫管理が大変なのが食料品を扱う小売店で、魚や肉野菜などといった生鮮食料品ともなれば、時間単位で品質管理をしなければなりません。

基本的には、飲食店における在庫管理方法と同じですが、旬や市場の相場に合わせた仕入れも必要になるため、店長や担当者の優れた「商売感」が、時に問われてきます。
また、店長や運営者と家族のみで営業をしている個人商店の場合、毎日の在庫管理は気にしていても月間・年間通しての在庫管理、いわゆる「棚卸」をおろそかにしているケースも見受けられます。

しかし、曜日や季節によって売れ行きの違う商品はないか、廃棄はどの程度出てしまっているのかなどを棚卸で確認していかないと、長期的な経営の安定にはつながりません。
ですので、最低でも1ヶ月に1度は棚卸をして、長期的な在庫管理も併せてするよう心がけましょう。

【ここがポイント!】 ~大型店舗などでは「在庫管理システム」を利用する~

精肉店・鮮魚店・八百屋、さらに食料品ではありませんが生花店など、専門性の高い小規模店舗の場合では、目視によって商品の在庫をカウントし、手書きで帳簿に付けるといったアナログな在庫管理も可能です。

とはいえ、スーパーやコンビニのように、取扱商品の種類や数量が多い店舗の場合、パソコンやPOSを利用した、「在庫管理システム」を構築したほうが無難です。
POSの導入には少々コストもかかってきますが、手持ちのパソコンで利用できる「在庫管理ソフト」なども販売されており、それらをうまく活用すれば毎日の在庫管理だけでなく、面倒な棚卸もスムーズになってきます。

なお、定期的な棚卸については、以下で述べるその他の小売店でも実施したほうが方が良い、とお考え下さい。

3、その他小売店における在庫管理方法とコツ

ここでいう「その他の小売店」とは、

  • 本・DVD店
  • 文具店
  • 服飾店標

などのことになりますが、こういった店舗では品質管理の面において、飲食店や食料品店よりかなり在庫管理が容易になります。

ただし、日々登場する新商品を仕入れて、型落ちした商品と次々に入れ替えていく必要があるため、古い商品の余剰在庫が膨大になることも多く、その管理と処分が大変です。
商品の入れ替えが頻繁であり、在庫数量や種類も増えていくためPOSシステムを導入して、在庫管理の簡略化を図った方が、人件費や棚卸にかかる手間からみてもおすすめです。

また、モノではなくサービスを販売することになる

  • 理容・美容店
  • エステティックサロン
  • マッサージ店

などでは、サービスを行うために必要な、ケミカル類の管理や技術を持った人材の育成などが、他の店舗における在庫管理に当たります。

【ここがポイント!】 ~流行をうまく察知して過剰仕入れを防ぐべき~

ガソリンや衣料、医薬品などといった必需品の場合は、在庫切れによって購入ができないと生活に支障が出るため、販売する店舗に大きなマイナスイメージがついてしまいます。
そのため、販売実績より通常余分に仕入れ、いつお客様が来ても販売できるような在庫管理を、取扱店舗はしなければならないこともあります。

しかし、趣味嗜好品の場合、流行やブームが来ているからといって、店舗の販売能力を超えるような「過剰仕入れ」をすると、売れ残ってしまう可能性があります。
そして、売れ残った商品は食材のように腐りはしませんが、時間の経過に伴って「価値のない商品」となり、倉庫の端で余剰在庫として貯まっていきます。

こういった、意味のない余剰在庫は不良在庫になりがちで、まさに経費の無駄使いであり、店舗運営を圧迫する最大の要因となります。
ですので、店長や運営者は流行やブームの状況を把握したうえで、いつまでその商品が価値を維持するか判断、売れ残らない適切な量を仕入れることが大切です。

まとめ

在庫管理において、無駄なコスト増加に直結する過剰在庫を防ぐことは、確かに店長・運営者に求められる重要な業務です。
しかし、あまりにコストカットだけ集中して仕入れを抑え過ぎ、結果的に在庫切れが頻発して、目当ての商品・サービスを得られないことが続けば、売上とともに店の評判もどんどん低下してしまいかねません。

多すぎず少なすぎない、適切な在庫量を判断するのは簡単ではなく、経験とともに優れたマーケティングスキルも求められます。
当塾では、適切な在庫管理を可能とする、マーケティングスキルアップのための記事も順次用意してまいりますので、そちらも併せてチェックいただけますと幸いです。

ここがまとめポイント!

  • 飲食店では通常の在庫管理とともに人的ミスによる食品ロス率を下げる必要がある
  • 商品の多い食料品店ではパソコンソフトを使っての在庫管理もおすすめ
  • 小売店では商品ニーズの的確な把握によって過剰仕入れを防ぐことが大切
小テスト:ECサイトを構築する際の主な工程
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【正解】2:小さな個人商店では「棚卸」をする必要性がない

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