店舗運営のAtoZ全31回

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Lesson3 店舗売上向上編

8店舗の売上を向上するために必要な5つのこと未学習

ここで学ぶ概要

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店長や運営者ともなると、常に店舗の売り上げを向上させる手段を考え、実行しなければなりませんが、言葉で言うほどそれは簡単なことではありません。
そこで「店舗売上向上編」では全6回にわたり、店長や運営者の皆さんに向けて、店舗の売り上げをアップさせるための方法をお話してまいります。

第1回目となる今回は「総論」として、売り上げアップのために必要な「5つの要素」について、以下の項目に沿って解説をします。

  • 店舗の売り上げアップのために必要な5つの要素とは
  1. 新規顧客の創生
  2. 顧客の流出減少
  3. リピーターの獲得
  4. 客単価のアップ
  5. 商品単価の見直し告
  • まとめ

店舗の売り上げアップのために必要な「5つの要素」とは

店舗の売り上げを向上させるのは、簡単ではないと冒頭で述べましたが、実は意識しておくべきポイントは、以下で紹介する「5つ」に絞り込むことができます。

1、新規顧客の創生

至って当たり前の話になりますが、店舗の売り上げを単純な数式で示すと、

「客単価×顧客数=売上高」

となるため、店に売り上げは来店してくれる、「顧客数」に比例します。
そして、既存の来店客に、新規顧客を「プラスα」することができれば、おのずと店舗の売上は向上します。

また、既存客を確保できている店舗より、オープンをしたばかりで既存客がいない店舗における、1からの新規顧客獲得の方が難しく、しかも重要になってきます。

開店当初は、物珍しさなどからお客様が押し寄せることもありますが、対応などがおろそかになると、「常連客」として定着してもらえないこともあります。

それを防ぐには次の項で紹介する「顧客の流出減少」を、併せて意識しておくとよいでしょう。

【ここがポイント!】 ~顧客が増えただけですぐに売上がアップするわけではない~
「顧客」とは自店舗の商品を購入してくれた方や、サービスを利用してくれた方を指しているのではなく、「購買可能性のある客=見込み客」も含めていいます。
仮に、うまく新規顧客を獲得できたとしても、それは売上アップの可能性が増えたというだけで、「販売スキル」や「サービスの品質」が伴わないと、実績としてキチンと反映されません。
つまり、店長や運営者は新規顧客の獲得に努めながら、スタッフへの教育で販売スキルやサービスの品質を高める努力を、併せて行っていきましょう。

2、顧客の流出減少

大変悩ましいところですが、前項で示した店舗の売上を示す数式には続きがあり、

「客単価×顧客数-流出客=売上高」

といった具合に、店から離れていった「流出顧客数」を、顧客数からマイナスしなければいけません。

特に、まだ運営が安定していない新規オープンの店舗の場合は、目新しさが無くなるとドンドン客足が遠のいてしまいますので、新規顧客の留保に最大限気を配りましょう。

また既存店舗であり、日々の努力でいかに優れた接客や、商品・サービスの提供をしていても、

  • 引越しで店舗が遠くなった
  • 商品やサービスが必要なくなった
  • 単純に飽きてしまった

などといった理由による顧客流出については、完全に食い止めることもなかなか難しくなります。

【ここがポイント!】 ~顧客流出が止められないならどうしたらいいのか~

当トピックのラストで、どれだけ工夫をしても否応なく顧客は流出するもので、それを完全に食い止めるのは簡単ではないと述べました。
ただし、新規顧客の獲得数が流出顧客数を上回ってさえすれば、店舗としての売上がアップしていく可能性があります。
つまり、顧客の新規創生と流出防止は「表裏一体」であり、どちらが欠けても店舗の売り上げアップにはつながっていかないのです。

現在順調に売上がアップしている店舗であっても、流出していく顧客は必ずいることを意識し、現状に満足せず常に新規顧客の獲得に努めることが、恒久的な売上の確保につながります。

3、リピーターの獲得

新規顧客を創生しつつ、流出に歯止めをかける方法を思案して、店舗の売上向上の可能性を高めていくべき、と上記までで述べてきました。
ただ、店舗を利用できるユーザーの絶対数は、よほどの都市変革などの要素がない限り、飛躍的に増えることはなく、併せて新規顧客の獲得数の最大値も決まってきます。
よって、長期間にわたり店舗の売り上げを向上させるためには、「1人当たりの来店回数」を増やすことが必要になってきます。

先ほどから紹介している、売り上げの算出数式に当てはめると、

「客単価×(顧客数-流出量)×来店回数=売上高」

となり、顧客数がいきなり2倍になったり、流出量がゼロには抑えられないことを考えると、来店回数の増加による店舗の売り上げアップへの影響は、非常に大きいものがあると言えます。
そして、店舗の商品やサービスのファン、いわゆる「リピーター」の獲得こそが、来店回数増加のために取るべき手段となります。

【ここがポイント!】 ~逆にリピーターの数や来店回数が減ってしまうと…~
完全な流出とまではいかなくても、これまで頻繁に来店してくれていた、リピーターの姿をあまり見かけなくなった場合、

  • 商品やサービスの品質低下
  • 接客での不手際
  • ライバル店の進出

などが発生していることがあるので、その改善をする方法も検討しなければなりません。

特に、個人経営の飲食店や理容・美容店などの場合、リピーターが減ると経営が立ちいかなくなるケースもあるため、来店回数の確保とリピーター確保への対応は、大型店舗より急いで行うことを心がけましょう。

4、客単価のアップ

顧客数と、その来店回数の増加に手を打ったならば、1人の顧客が来店時に支払う対価を増やすこと、つまり「客単価のアップ」が次なる売上向上のカギとなります。

客単価は、

「注文回数・購入点数×商品単価」

として計算できます。

  • 飲食店…サイドメニューを増やす
  • 小売店…魅力的な新商品を追加する
  • アパレルショップ…コーディネート提案などを行ってついで買いを促進する

といった施策が、客単価をアップさせるための主な手段となります。

【ここがポイント!】 ~店舗の商品やサービス雰囲気に合った客単価設定をすべき~
必ずそうだと決めつけることはできませんが、コンビニで数万円の買い物をするケースは稀ですし、高級ジュエリー店で買い物するのに、数百円しか用意しないなんてことも、あまりありません。

このように、顧客はその店舗に行こうと思った瞬間から、店舗でどれぐらいの金額を使うのか、ある程度ですがイメージしています。
ですので、店舗が取り扱っている商品やサービスの価格帯や、雰囲気に合わせた客単価設定でないと、うまく顧客の財布のひもを緩めることはできません。

高すぎた価格設定は、顧客の購入意欲を反対に下げ、売上がダウンする結果になりかねませんので、値上げ幅については慎重に検討しましょう。

5、商品単価の見直し

これまで1,000円で提供していた、商品やサービスを1,500円にすれば、前項で述べた客単価は単純にアップし、併せて店の売り上げも伸びてきます。
ただし、市場の相場よりも高い設定をした場合、顧客の流失に直結するので、値上げは慎重に行う必要があります。
また、値下げを敢行することにより、新規顧客の創生や流出の防止、さらにリピーターの増加を生むことも可能ですが、前項で触れた客単価は否応なく下がってしまいます。

低価格設定で多くの顧客を集める「薄利多売」で臨むのか、少数の顧客へ高額な商品を販売していくのかなど、店舗販売スタイルに合わせた単価設定をするようにしましょう。

【ここがポイント!】 ~商品単価を見直したならしっかりとアピールをすべき~
原材料の高騰など、やむを得ない理由での値上げであっても、顧客の購入意欲が低下したり、流出が始まってしまうことがあります。
ただし、商品やサービスの品質をアップさせたうえでの値上げであれば、一概にそうとも言えません。
その場合は、重点商品として販売キャンペーンを打つなど、顧客に対して向上した品質をしっかりとアピールするようにしましょう。

また、材料や商品の仕入れや、製造過程への工夫を凝らすなどの営業努力によって、商品を値下げできた場合でも同じことです。
商品やサービスが、以前よりも「お買い得」になった事実を顧客にアピールして、営業努力の成果による値下げが、しっかりと店舗の売上アップにつながる行動をとっていきましょう。

まとめ

店舗の売り上げを向上させるために、店長や運営者が強く意識し改善をしていくポイントについて、ざっくりと解説いたしました。
次回からは、今回紹介した5つのポイントについて、もっと詳しく具体的に解説をしていきますので、是非合わせてご覧ください。

ここがまとめポイント!

  • 新規オープン店舗は、新規顧客の創生と流出防止への意識を高く持つ必要がある。
  • 新規顧客の創生と流出防止は、合わせて意識をする必要がある。
  • リピーターの獲得による来店回数の増加は、大きく売り上げアップに寄与する。
  • 商品単価を変更は、店舗の販売スタイルに合わせて実施すべき。
  • 意図のある単価変更の場合では、その事実を顧客にアピールしないと効果が出ない。
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【正解】3:安易な商品・サービスの単価アップは、顧客の流出につながる恐れがある。

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