店舗運営のAtoZ全31回

0 0/31 31

Lesson3 店舗売上向上編

10流出顧客を減らすためにやるべき事未学習

ここで学ぶ概要

この講座は約7分で読めます

新規の顧客を創生し、いよいよ店舗の売上もアップするかと期待したものの、なかなか数字として目に見えてこない…。
そんな悩みが生じたときは、もしかしたら何らかの原因で既存の顧客が流出し、全体数としてあまり顧客が増えていない可能性があります。

「店舗売上向上編」第3回目の今回は、売上向上の妨げとなる顧客の流失を減らすためにするべきことについて、以下の項目に沿ってお話をします。

  • 顧客流出が起きてしまう4つのパターン
  1. 物的不具合による顧客流出
  2. ライバル店進出による顧客流出
  3. 人的ミスによる顧客流出
  4. 災害などの対外的理由による顧客流出
  • まとめ

顧客流出が起きてしまう4つのパターン

顧客が流出してしまう原因は、大きく分けると4つのパターンがあります。
そして、それぞれのパターンに合わせて店長や運営者は、顧客流出を防ぐ策を講じる必要があります。

1、物的不具合による顧客流出

まず1つ目として考えられるのは、

  • トイレ
  • 商品陳列棚
  • テーブル・いす
  • 床や壁

などといった、店舗内にある各設備が老朽化して使いにくくなったり、衛生面や安全面に不安を感じるほど傷んでいると、顧客に不満を持たれることもあり、それが流出のきっかけになりかねません。
また、店舗の外観はもとより、駐車場や看板が汚れているだけでも、顧客流出に繋がってしまう可能性はあります。

日頃から店舗内外の設備を清掃したり、丁寧に取り扱うことをスタッフに指示・徹底するとともに、経年によるダメージが目立ってきたら、適時買い替えやリフォームなどをする必要もあります。

【ここがポイント!】 ~店舗に新鮮さが無くなっても顧客流出は始まっていく~
また、商品や料理、サービスをいつも通りのクオリティーで提供していたとしても、「飽きてしまう」ことで店から離れていく顧客もいます。

これも、「物的な不具合」による顧客流出に含まれ、店長や運営者は常に自店舗の商品やサービスを、季節や流行に合わせて目新しいものに、「変更や改良」をしていくことも検討しましょう。
ただ、商品やサービスの入れ替えや新メニューの考案には、大きなコストがかかってくるため、むやみやたらに実行すればいいというものでもありません。

同じコストを使うにしても、より高い効果が望める「適切なタイミング」での導入を心がけると良いでしょう。

2、ライバル店進出による顧客流出

2つ目のパターンとしては、自店舗と同じような商品や、サービスを提供する「ライバル店」が、近くに進出してきたタイミングでも、顧客が流出してしまうことがあります。
開店記念イベントや、大幅な割引セールなどの影響による、一時的なものであれば問題ありませんが、1ヶ月以上客足が鈍るような状態では、すでに顧客流出が始まっているため、早急に打開策を講じていきましょう。

また、小規模店舗の場合では、相手が全国展開しているフランチャイズチェーンや、大型量販店の様に資金力や知名度を持った店舗の場合、顧客の流出に歯止めをかけることが非常に困難になります。
よって、他店にはまねのできない名物料理の開発や、レア商品のラインナップなど、店舗としての個性を打ち出すための営業努力を、小規模店舗の経営者は、普段から意識しておきましょう。

さらに、大型ライバル店の襲来という、顧客流出のピンチに対して、

  • 細やかな気配り
  • 親切丁寧な接客
  • 徹底したアフターフォロー

などといった、マンパワーによる流出防止への取り組みを、店舗を上げてしていくことも大切になってきます。

【ここがポイント!】 ~ピンチをチャンスに変える柔軟性も必要~
実は、ライバル店のイベントやセールが終了する寸前は、前項で述べた新商品・新サービスの提供を始める、うってつけのタイミングです。
流出防止に合わせて、ライバル店に集まった新規顧客を、ごっそり手に入れることができるチャンスでもあります。

また、割引セールをライバル店に対抗して実施するのも手ですが、日用品はともかく消費スパンの長い商品やサービス(家電品や中古車販売店、理髪・美容店など)を取り扱う店舗の場合、ライバル店の後に実施してもあまり効果がありません。
このケースでは、事前に出店情報やセール開催のチラシなどを仕入れて、先んじて開催するか、最低でも同時開催をする必要が出てきます。

3、人的ミスによる顧客流出

続いて、3パターン目となってくるのが、

  • 怠慢な接客
  • サービス提供への手抜き
  • 雑な商品製造作業・調理

などといった、所属スタッフの人的ミスによる顧客の流出です。
故意であるかどうかに関わらず、常に顧客は目を光らせていて、些細なきっかけで常連客が、店から離れていってしまうこともあります。

これを防ぐためにやるべきことは、ズバリ「スタッフの再教育」で、前述したやむを得ないケースと異なり、即座に対処することで顧客流出に歯止めをかける事が可能です。
店長や運営者は、常にマニュアルに沿った接客と、品質を保ったサービス提供ができているかをチェックし、品質が低下しているようならできるだけ早く、再教育を実行するようにしましょう。

【ここがポイント!】 ~クレーム処理スキルを発揮すれば好影響が出ることも~
スタッフの不手際で発生したクレームを放置すると、どんどん店の評判は下がり顧客流出は、評判を聞いた既存顧客にまで広がってしまいます。
しかし、店長や運営者が適切にクレーム処理をできれば、顧客流出の歯止めとなるばかりか、反対に良い口コミとして拡散されれば、新規顧客の創生へ繋がっていくこともあります。

4、災害などの対外的な理由による顧客流出

最後のパターンとして、店舗がある街の人口の減少や大きな自然災害の発生など、いかんともしがたい理由によって顧客が流出し、売上が減ってしまうことがあります。

正直、一店舗単位で人口の変化に対処することは困難なので、フランチャイズ店の場合は運営本部に状況報告をし、指示を仰ぐことも大切です。
しかし、個人店舗の場合は流出防止案に頭を悩ませるより、離れた場所に住む不特定多数へのインターネット通販を開始するなど、新しい事業展開を視野に入れたほうがいいこともあります。

また、大きな自然災害が発生した場合では、店舗自体のキャパシティーを減らして、人件費や店舗管理コストを下げたり、臨時休業をしたりして急場をしのぎましょう。
さらに、顧客流出に全く歯止めがかからず長期間にわたる場合では、「店舗の移転」という大きな経営的判断をすることも、店長や運営者には求められてきます。

【ここがポイント!】 ~開店・移転前にしっかりとマーケティングを実施すべき~

地震や豪雨などといった自然災害の発生を、正確に予測することは困難ですので、本文中で述べた事後対応を的確に実施し、場合によっては移転することぐらいしか、顧客流出を食い止める手段がありません。

ですが、人口の変動による顧客流出については、開店前に綿密なマーケティングを遂行し、立地を吟味していれば回避できる可能性も高くなります。
事前に街の開発計画や人口推移などをチェックし、長期的な人の流れを考慮した、開店場所・移転場所の決めることを心がけましょう。

まとめ

顧客の新規創生と、流失防止ができて初めて店舗の売上向上につながるため、店長や運営者は今回解説した4つのパターンに対処できる、有効な打開案をそれぞれ常に準備しておくようにしましょう。

ここがまとめポイント!

  • 物的不具合による顧客流出を減らすためには、日頃の資産管理の徹底と適切な交換が必要。
  • ライバル店の動向には常に注意を払いつつ、競争力の高い個性ある店作りを心がける。
  • 人的ミスによる顧客流出を防ぐため、日々スタッフに目を配り、適時レベルを維持する再教育・再訓練を実施する。
  • 自然災害が発生した時の顧客流出では、損害を最小限に食い止めるための事後処理が不可欠。
  • 開店前に的確なマーケティングを行うことで、人口の増減による顧客流出は回避できる。
小テスト
次のうち、記事内容と一致しないものを1つ選んで、クリックをしてください。


【正解】2:いつも通りの商品・サービス提供と接客をしていれば、顧客が流出することはない。

POSシステムの機能や導入に関するご相談は
お気軽にお問い合わせください。

フォームからお問い合わせ お問い合わせフォームへ

お電話でお問い合わせ電話受付: 平日 9:30 - 18:30 03-6432-0346