POSレジとは?~レジスターからレジレス店舗まで~

スーパーやコンビニ、飲食店や薬局、様々なお店で「会計」をする時に通る「レジ」。レジはキャッシュレジスターの略で、今ではPOSレジが置かれた会計をする場所そのものも「レジ」と呼ばれるようになりました。

レジ、POSレジの歴史

1878年にアメリカのメーカーで開発され、日本に導入されたのは1897年。当時は入出金を記録する機能が中心だったレジスターは、「register=登録、記録」という意味があり、日本語では「金銭登録機」と翻訳されました。
店舗で商品やサービスの金額を計算、記録し、支払いの不正を防ぐために生まれたレジスターは、船の機関室のエンジンやボイラーなどの計器がデザインの原型となった重厚な機械の時代を経て、やがてパソコンへ、さらにクラウド連携したタブレット型へと進化してきました。
様々な機能を一体型にした多店舗向けのPOSレジシステムも、小売、飲食店、美容、観光など、あらゆる業態で活用され、事業運営をサポートしています。

参考:POSシステムとは?~詳解POSシステムの全方式と最新情報

分析機能のついた多機能なPOSレジシステムは、導入コストが高額なため、小規模な店舗には費用面でのハードルが高く、導入しにくいのがデメリットでした。
ところが2010年ごろから普及しはじめたタブレット端末を活用したPOSレジアプリがその壁を乗り越えました。
これまでPOSレジメーカーといえば、大手機器メーカーがシェアの大部分を占めてきましたが、ソフト開発メーカーなども多数参入し、フリーソフトや低価格のPOSレジシステムも登場しました。
価格、機能を比較検討したうえで、小規模店舗にも導入できるようになり、POSレジシステムのシェアは全体的に広がってきているのです。
分析機能や部門別集計機能などが標準搭載された高機能なPOSレジアプリをタブレットにインストールするだけでPOSレジとして使え、単店舗でのPOSレジ導入も容易になりました。
POSレジアプリの利点は、直感的な操作が可能なため、店舗スタッフに対する使い方のトレーニング時間を短くできることも大きなメリットです。
小規模店舗でも、店舗運営の改善にPOSレジの販売データを活用でき、タブレットを活用したPOSレジアプリの普及は広まっています。
クラウドサーバーを利用しているため、商品登録も楽に行えるのもPOSレジシステムのメリットの一つです。
飲食店向け、医療施設向けなど、業態に特化したPOSレジシステムも販売されています。

2017年のいま、レジは単なる「売上金額を記録する機械」ではなく、POSレジシステムとしてネットワークにつなげることで販売データから売上の傾向を分析したり、自動発注を行ったり、顧客情報と紐づけて個別のマーケティング施策を行ったりと、多角的な経営戦略を立てる上でも重要なシステムの一部となっています。

★レジの歴史について詳しくは、社会の変遷にみる、日本の小売とposレジシステムの歴史もあわせてご覧下さい。★

POSレジシステムのメリット

キャッシュレジスターにないPOSレジシステムの特長は、「いつ、何が、何個、いくらで」売れたかというデータが正確に分かるということです。
「POS」の元々の意味は、「point of sales(商品の販売時点)」の頭文字を取ったもので、商品が売れた時点での情報を収集して管理・分析することができるシステムという意味です。
さらに、「顧客の性別」「年代」「来店人数」など、様々な要素を組み合わせれば、より詳細な販売データを作成することができます。POSレジの販売情報と会員情報を紐づければよりパーソナルな販促活動も行えます。

在庫や発注などのバック管理に欠かせないデータが蓄積・分析でき、客層比較や天候の変動、年間のイベントなどによって変わる売上動向も予測して精度の高い商品発注や在庫管理、セール価格の決定ができるのです。

従来のレジの使い方では金額や部門を一点一点手打ちしていたため間違いが多かったり、時間がかかったりしていました。多数の商品登録がされているデータベースを用意し、バーコードスキャナーと連携させることで、打ち込み操作の時間を短縮することもできるようになりました。
また、打ち間違いが減るということは経理・会計担当者の人的コスト削減もメリットになります。
POSレジのシステムを活用し、多方面で無駄を省いた店舗運営、企業経営ができるようになるのです。

POSレジシステムはこれからどうなる?

レジスター、POSレジの歴史の中で、注目すべきなのは「PCとネットの普及」ではないでしょうか。もともとスタンドアローンで使われていたレジが、ネットワークにつながり、WindowsやLinuxといった汎用性のあるOS上で動くようになって、大手レジメーカー以外でもシステム開発が行われるようになりました。
さらにECサイトとのデータ連携によって、相互に影響しあい、ネット上で決済までおこない、実店舗で受け取るオムニチャネルシステムなど、新しい小売販売のカタチを作りだすようになってきました。

レジレス店舗の登場

Amazonからはレジそのものが存在しないレジレス店舗「Amazon GO」という、これまでにない小売店舗も提案されました。アプリでチェックインし、手にした商品をセンサーが読み取ってAmazonのカートに入れ、決済するという仕組みです。
飲食店や宿泊施設では、事前予約時に決済まで行うというシステムを導入しているところもありますが、完全にレジがない店舗というのはなかなか考えにくいものでした。
実際に商品を受け取るのは実店舗で、決済を行うのはECサイト上という「完全なレジレス店舗」の形態は、普及するかしないかは別として、レジありきという従来の店舗運営の形に新しい視点や考え方を示唆してくれたように思います。
このように、ECと実店舗の融合は今後も進んでいくのではないでしょうか。

タブレット端末を利用したPOSレジアプリのシェア拡大

また、レジそのものも、新しいアイデアを試しつつ様々な進化を遂げています。
様々なタイプのPOSレジシステムを比較し、自社の店舗や事業に活用できるものを取捨選択できるようになってきたのです。

レジの歴史でも触れましたが、2010年ごろタブレット端末の普及に伴い、POSレジシステムのアプリが開発されました。
導入コストという費用面でのハードルが高かったPOSレジシステムが、それまでよりも導入しやすい価格で次々に発表されたのです。
無料でダウンロードできるフリーソフトアプリも登場し、飲食店やイベントスペースなどでも気軽に使えるため、一気にシェアが拡大しました。

参考:iPad POSで導入コストはどのくらい下がる?

小規模小売店舗や小さな飲食店ではレジを置くスペースも小さく、タブレット端末であれば会計スペースもすっきりさせることができます。
飲食店向けにオーダーエントリーシステムと連携したPOSレジシステムも販売されています。
フリーソフトの場合はサポート面が弱いところがデメリットとなりますので、費用、運営方針などを比較検討する必要はあります。

買い物客が自分で会計を行うセルフレジ

日本では2003年ごろから、買い物客が自分で会計から精算を行うセルフレジが普及しはじめました。
1997年ごろにアメリカで導入され始め、2005年には過半数のPOSレジがセルフレジに置き換えられ、そのシェアを伸ばしています。日本でのシェアはアメリカほど多くありませんが、大型小売量販店や一部飲食店でも普及が始まっています。
食品スーパーや量販店などで使われた経験のある方も多いのではないでしょうか。
買い物客が自分でバーコードを読み込んで支払いまでするセルフレジは「レジ待ちの行列を解消」「レジスタッフの人材コスト削減」に繋がりました。

アパレルショップのGUでは、RFIDタグを使った独自のセルフレジシステムも開発されています。
ローソンが試験導入した「レジロボ」も話題になりました。
コンビニ業界は大手5社を中心に、セルフレジの普及に乗り出すと発表しています。

コンビニ業界が経済産業省と一体となり、来店客が自ら会計する「セルフレジ」と呼ぶシステムの普及を目指すことが18日、分かった。
2025年をめどに大手5社の国内全店舗に導入したい考えだ。
参考:共同通信

この取り組みが実現すれば、日本でのセルフレジのシェアは一気に広がることでしょう。

関連記事:【保存版】セルフレジ・セミセルフレジ~メーカー別比較~
セルフレジ(セルフチェックアウトシステム)は1997年ごろにアメリカで導入された、利用客本人がレジ操作を行い精算処理をするシステムです。日本では2003年に実証実験がスタートしました。
現在ではスーパーやレンタルビデオ店、アパレルショップなどで導入が進み、バーコードでの読み取りだけでなくRFIDタグを活用した先進的なセルフレジも登場しています。

飲食店で広がるセルフレジ導入

飲食業界では人手不足が深刻となっており、24時間店舗での営業時間の見直しや、ITの活用などによる業務効率化が進んでいます。
そんな中、ファミリーレストラン「すかいらーく」や大手外食チェーン「大戸屋」でもセルフレジ導入という発表がありました。
6/1にオープンした大戸屋の旗艦店(東京:丸の内)では、セルフレジだけでなくテーブル席に設置したタブレット端末からのセルフオーダー、受付端末の設置などでスタッフの労働時間を削減するということです。
このように、小売業だけでなく、飲食業でも今後セルフレジの活用事例が増えると考えられます。

参考:https://ryutsuu.biz/report/j053106.html

セルフレジの派生版、精算処理を切り離したセミセルフレジ

セルフレジの導入は、前項で述べたように店舗側の人的コスト削減や業務効率化が目的の一つです。
しかし、買い物客が自分で商品のバーコードを読み取る操作方法のセルフレジは、使い方が難しいということで敬遠されがちでした。
使い方を店舗スタッフにサポートされながら操作するため、セルフレジにも行列ができてしまう場合もあるようです。
そこで、セルフレジから派生したセミセルフレジが開発されました。支払い精算だけを買い物客が行うタイプのセルフレジです。
バーコードを読み取る作業はこれまで通り店舗のレジ担当スタッフが行い、銀行ATMのような使い方で支払いができるため、機械に慣れていない買い物客でも比較的受け入れやすいと言われています。
セミセルフレジとセルフレジを合わせれば、徐々にシェアは拡大していくと予想されます。

関連記事:今注目のセミセルフレジ、使い方から導入法、メリット・デメリットまでを徹底解説

タッチパネル式レジ

デジタルサイネージに表示された商品をタッチ操作して注文し、特定の電子マネーで決済するセルフレジも登場しています。
マクドナルドの店舗で試験導入されており、対面式のPOSレジよりも処理がスムーズと好評のようです。
セルフレジと違い、タッチパネルで注文する使い方は商品数が少ない業態では受け入れやすいと考えられます。
マクドナルドのようなファストフードやコーヒースタンド、フードコートなどでは利用シーンが想像しやすいですね。
今後、多様な決済方法が導入されれば、利便性がアップし、全国的に普及するのではないでしょうか。

カメラで見た商品を「認識」して会計するレジ

袋詰めされた工場生産のパンであれば従来のバーコードリーダーを使ったPOSレジシステムでもよいと思いますが、パンを自店で焼き上げるベーカリーでは、パンの種類と形をスタッフが記憶して一点一点レジ打ちを行うことになります。
そこで開発されたのがトレーの上に置かれたパンを、形で認識して一瞬で自動会計するPOSレジ「ベーカリースキャン」です。
同じような形のパンでも、高度な画像認識技術によって会計ができ、さらに認識結果が間違っても、手動で修正することでシステムが学習し、認識の精度を上げることができます。
大手POSレジメーカーも、青果認識のPOSレジシステムを開発しています。果物や野菜など、バーコードがつけにくい商品の場合は形状を画像認識して会計を行います。
また、レジの上部からカメラで撮影し、帽子や洋服などの形を認識して計算を行うPOSレジシステムも開発研究されています。画像認識技術の新しい使い方です。

意外と重要な決済方法

日本はクレジットカードの所持率は高いものの、実店舗での使用率はそれほど高くなく、現金決済が主流なのが特徴の国です。
しかし、今後はキャッシュレス化が進み、交通系ICカード、電子マネー、モバイルマネー、仮想通過など、多様な決済方法に対応していくことが重要となってくるでしょう。POSレジカウンターでも、様々な決済端末が並ぶようになってきました。
訪日外国人観光客は日本人と違った決済手段を取ることも多いのです。Apple Payやアリペイ、Wechat Payなどのモバイル決済を導入するだけで、ぐっと外国人観光客へのホスピタリティがアップします。
モバイル決済は「オムニチャネル」でも効果を発揮しています。ECと実店舗のデータ連携によって、新たな顧客体験と価値を創造するようになっているのです。

補助金を活用してPOSレジシステムを導入

平成31年(2019年)10月まで延期された消費税の軽減税率制度に対して、POSレジシステムの改修が必要になりました。これまで利用していた固定税率のPOSレジでは、軽減税率に対応できないためです。
その改修や買い替えの費用の一部を補助金で補うことができる制度が「軽減税率対策補助金」です。
申請手続きを代行してくれるメーカーもあります。
「導入したいが、価格がネック」という悩みをお持ちの方は、ぜひ軽減税率対策補助金の申請をされてはいかがでしょうか。

また、「IT導入補助金」を使ってPOSレジシステムを導入することもできます。
フリーソフトでは使える機能に制限があったり、機能拡張ができないというデメリットもありましたが、こうした補助金をうまく活用して、中小企業でもサポートのしっかりした高機能のPOSレジシステムの導入ができる環境になってきました。
少しでも費用の負担を軽くするための補助金ですので、効率的に利用したいものです。

まとめ

以前はレジといえば「大きな計算機」でしたが、運営方針に沿ったPOSレジの比較選択ができるようになり、新しい店舗づくりの重要な要素となってきました。
サイネージを使って無人化された店舗を作ることも可能ですし、セルフレジの導入によってレジスタッフを他の業務に回して店舗運営の効率化を図ることもできます。
補助金を利用して本格的なPOSレジシステムを導入することもできます。
フリーソフトのPOSレジアプリをインストールしたタブレットでスタイリッシュなレジカウンターを作ったり、接客ツールとして活用することも可能です。
ECサイトと実店舗のデータ連携によって相互送客を図ることもできます。

これからは「どのPOSレジを使って、どんな店舗を作りたいか」をより明確に考えることで、ミライの小売店を作っていく必要があるのではないでしょうか。

店舗運営支援アプリケーション「Orange Operation」のPOS機能

「Orange Operation(オレンジオペレーション)」はPOS会計機能をはじめ、飲食店向けのOESや予約機能、小売店向けの在庫・配送管理機能といった、様々な業種に対応したタブレットアプリパッケージです。共通のデータベースに売上データや顧客情報をリアルタイムに管理できます。また、1300店舗以上の同時導入実績があり、安定した稼働が可能です。さらに、基幹システムと連携したカスタマイズも可能です。

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