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店舗運営でも重視され始めたブランディング

ビジネスにおけるブランディングの価値は年々上がっているように思います。世界中から国内に企業が入ってきていますし、国内の起業に対するハードルが低下したことでサービスが乱立しています。そんな時代だからこそブランディングが効果を発揮します。

ブランディングが重要視され始めた店舗運営

ブランディングとは、自社や自社ブランドに対するユーザーの共通認識、実体のない価値を創造する戦略です。
固い表現を使っていますが、ブランディングというのは基本的には数値化できるものではなく、同業他社と比較できるものでもありません。

ブランドに対する共感や信頼などを通じて顧客にとっての価値を高めていく、企業と組織のマーケティング戦略の1つ。
引用:Wikipedia

例えば、家具大手のニトリなら、「コストパフォーマンスの高い家具」ですし、ルイ・ヴイトンは「高級なステータスブランド」です。

このような共通認識を作り出すマーケティング戦略がブランディングになります。
10年ほど前からブランディングの価値が上がりだしましたが、それまでブランディングは一部の企業しか重要視していませんでした。
1980~00年代には、企業はコーポレートアイデンティティー(CI)、商品はブランドアイデンティティー(BI)、店舗はショップアイデンティティー(SI)と呼ばれるブランド戦略を行っていました。しかし、企業ロゴや商品ロゴ、そのデザインポリシーを位置づけるものが大半でした。

ブランディング戦略に沿った商品展開

ブランディングの礎は、一般的には競合他社より安価な商品や高品質な商品のような「実体のある価値」なので、その価値を提供し続けることは大切ですが、方向性にぶれがあるとブランディングは失敗に終わります。
コストパフォーマンスが高いと認識されている家具店が、いきなり高価格帯の応接セットを販売しても、おそらく買うお客様は少ないでしょう。商品がいくら高品質であっても、ターゲット層と定めているお客様からはそういった商品は求められていないのではないでしょうか。
もし、ブランドイメージを転換する場合は、別のブランドとして構築する方が良いかもしれません。

実体のある、ぶれない価値を提供し続けて、自社に対する共通認識を持ってもらうことがブランディングのゴールになります。

ブランディングをすべき理由

ブランディングに成功すると店舗運営にどのようなメリットがあるのかここで紹介していきましょう。ブランディングの成功により、随分と店舗運営が楽になります。

ロイヤリティの最大化

お客様は企業や店舗、商品ブランドに対して強い愛着を持ってくれるようになります。そのためブランドを継続的に購入するようになり、安定した売上に貢献してくれますし、比較的値段設定に対しても寛容的です。
また口コミの発信者として周りの知人・友人に「そのブランドがいかに素晴らしいか」を伝えてくれる可能性も期待できます。
多少の変化ではそのブランドから離れないため、もし同業他社から同じ品質で安価な商品が発売されたとしても、そのブランド製品を購入し続けてくれる確率が高くなるでしょう。

広告費の削減

ブランドが認知されるようになると広告費を削減できるようになります。お客様の心の中には常にそのブランドが存在しているので、大々的な広告を打たなくてもお客様は定期的にホームページを覗き、商品をチェックしてくれています。
たとえば「Aという製品を買い替えたい。いつもの店なら低価格でいろいろ選べるはず」というような、検索行動を自発的に起こしてくれるのです。

優秀な人材の獲得

企業が永続的に発展するためには優秀な人材の獲得が必要不可欠ですが、ブランディングに成功している企業には優秀な人材が自動的に集まりやすくなります。
ここで言う優秀な人材とは、その企業にとって最適な人材という意味であり、必ずしも学歴が優れている人という意味ではありません。
自社の想いがブランドに反映されるとその想いに共感した人材が応募してくれるので、企業の想いに疑問を感じず、素直に仕事を始めてくれます。そのため愛社精神の強い社員になりやすいですし、入社後にトラブルを起こす可能性も低くなります。

ブランディングをしなければ…

このように、ブランドを確立することができれば、売上の安定やコスト削減ができる上に優秀な人材が集まりやすくなるため、店舗運営がしやすくなります。

逆にブランディングをしなければ今の時代、店舗運営をする上でネックとなる価格競争に巻き込まれてしまう確率がアップします。ブランドが確立していなければ、製品は大多数の製品の一つになり、埋もれてしまいます。そうなるとおそらく他社製品を調査して他社より少しでも安価な価格設定をするようになりますが、同様に他社も追随してより安価な価格を設定するため価格競争が勃発します。
利益はどんどん縮小され、財務状況は悪化し、店舗運営に支障をきたすようになるでしょう。このような状況に陥らないためにブランディングを成功させる必要があります。

ブランディングに関する事例

ブランディングをイメージしてもらうために、ブランディングに成功しているスターバックスと、別の視点から和牛に関する秘密を紹介したいと思います。

ブランドイメージで人気のスターバックス

アメリカが発祥のコーヒーチェーン店「スターバックス」。創業当時にイタリア風のファッションや飲食店が流行していたことから、コーヒーはエスプレッソを主体としたバリエーションドリンクで、テイクアウトしたコーヒーを持って街を歩く姿によって「シアトルスタイル」と呼ばれるようになりました。
スターバックスは、他のコーヒーチェーン店よりも価格設定が少々高いのが特徴です。それにもかかわらず、どの店舗もいつも賑わっていて席に座れないことさえあります。
いつ行っても美味しいコーヒーが安定して飲めるという品質の維持や、接客のクオリティの高さなども人気の理由と言われます。テレビCMや雑誌広告などで新製品のアピールをしなくても、SNSで新作情報はあっという間に拡散し、「早く試してみたい!」と期待する声が集まります。

しかし、もう一つスターバックスが人気な理由があります。それは、「スターバックスに行くとおしゃれで贅沢な気分が出来上がること」です。
スターバックスは、お店の外装や内装が美しいため、落ち着いた雰囲気でコーヒーを楽しむことができます。お店に着くと店員さんが明るい声で接客をしてくれますし、ドリンクメニューはどれもSNS映えするため、撮影した写真を投稿するだけで「センスの良い自分」を発信できます。スターバックスはコーヒーが美味しい上におしゃれでぜいたくな気分を味わうためのお店として、ブランディングに成功しました。
このように、価格が高くてもブランディングに成功すればお客様は集まります。

Roman Stetsyk / Shutterstock.com

和牛の秘密~原産地はほとんど同じ~

日本には各地に和牛ブランドがあります。有名なところでは、松坂牛、飛騨牛、神戸牛、近江牛などなど。どれも脂がのった美味しいお肉なのですが、実はこれら和牛ブランドの素牛(生後6~12か月の牛)は、ほとんどが但馬牛と言われています。但馬牛の素牛を各地方に運んで飼育し、食用になった牛が松坂牛であり、飛騨牛なのです。つまりもともとは松坂牛も飛騨牛も同じ牛なのです。飼育される地域の気候や、餌などで肉質に違いが生まれるようです。
元は同じでも、それぞれの和牛ブランドから受ける印象は違ってくると思いますが、どれもブランド牛として高価格であってもその品質の高さが評価され、市場に受け入れられています。
このように、少し変わった見方ですが、和牛のブランド化は「和牛」としての全体的なブランディングに成功した事例といえます。

ただし、海外では「WAGYU」として、日本から1980年代に輸出された和牛を元に飼育されており、日本の国産和牛よりも安い価格で販売されています。日本から「和牛」を輸出する場合は、既に認知されている「WAGYU」のブランド力と戦わなくてはならないという壁があります。

ブランディングに成功しても永遠ではない

今回紹介したようにブランディングに成功すれば様々なメリットを享受することができます。売上は比較的自由に上がるようになりますし、顧客満足度は自ずと高まるでしょう。

しかしブランディングは一度成功しても永遠ではありません。結局ブランディングは実体のある価値の積み重ねの結果、獲得できるものです。このブランドの価値の積み重ねを怠ってしまったり、方向性がぶれてしまったりするとブランディングは脆くも崩れ去ってしまいます。そして崩れ去ったものを再度築き上げようと思ってもそれは最初から築き上げるよりも大変な作業になります。

すべてはお客様のこころが決める

ブランディング成功のために企業は戦略を考えて実践し、実体のある価値を提供し続けます。
ブランドが確立するまでは広告を打って認知度を高める必要もあり、それが3年かかるか、30年かかるかは分かりません。お客様にブランドの価値を感じてもらえるまで続きます。ブランディングの成功か否かは結局のところ、お客様の心が決めるのです。

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