粗利益を理解するために大切な要素とは

企業の能力を評価する上では欠かせない基準とも言われる粗利益。日常生活で耳にすることは少ないのにもかかわらず、ビジネスの場でこうも重要視されるのにはどのような理由があるのでしょうか。

また粗利を重視するあまり、時として粗利だけを基準に会社の評価を下す人も見受けられますが、これは必ずしも正しい判断であるとも限りません。

時と場合によって数字の意味合いが変わってくる粗利ですが、今回はそんな粗利についての知識や、粗利の数字の見方についてご紹介します。

・少しだけややこしい粗利の計算方法
・粗利率は会社の実力を推し量るものさしとなることも
・粗利率の比較はあまり有用性がない

粗利益とは

粗利益を端的に表すと、売り上げから売上原価を引いた数字であると考えることができます。ここから算出された数字は売上総利益とも呼ばれ、いわゆる粗利率は売上総利益を売上高で割った数字と表現されることもあります。
要約して説明すればそれほどややこしい数字でもない粗利ですが、話を難しくしている理由の一つに、粗利と売上総利益がひとまとめに説明されることが理由の一つとして考えられます。
まずは粗利=売上総利益という点を押さえて、頭の中で整理する準備を整えておきましょう。

売上から差し引かれるもの

次に売り上げ(売上高)です。売り上げはお客さんに商品やサービスを提供した対価として受け取るお金で、ここから粗利、そして純利益と繋がっていきます。売り上げが多ければ多いほど、会社に入ってくるお金は増えますが、その全てが懐に収められる訳ではありません。売り上げが純利益として懐におさまる前に、まず差し引かれるのが売上原価になります。

売上原価とは、お客さんに提供するモノやサービスを生み出すためにかかるお金のことを指します。商品を販売する際にかかるコストと考えるとわかりやすいでしょうか。

少しややこしい売上原価の計算

また、売上原価の計算方法は業種によって微妙に異なります。これが粗利の捉え方をわかりにくくするもう一つの理由なのですが、後で詳しく説明します。

小売業・卸売業の場合、売上原価の計算はシンプルです、例えば1着2000円で仕入れができるシャツを50着実際に仕入れた場合、2,000×50=100,000円が原価になります。それを1着5000円で販売し、仕入れた50着がすべて売り切ることができた場合、25万円の売上を手にすることができ、そこから仕入れにかかった10万円の原価が売上原価として計算され、粗利は15万円となります。

ここで「10万円の原価が売上原価となる」という回りくどい言い回しをしたのには理由があります。というのも、仮に仕入れた50着のシャツが全部売り切ることができな買った場合は売上原価は10万円ではなくなるからです。

例えば50着仕入れたシャツが40着しか売れなかったとしましょう。この場合の売上高は5,000×40で20万円になりますが、粗利益を求める際の売上原価もまた40着分の原価で計算することになっているからです。

そのため、50着のシャツを仕入れて40着だけ売れた場合の粗利は売り上げの20万円から売上原価の2,000×40=8万円となり、20万円から8万円を引いた12万円が粗利として計算されます。

続いて製造業など、商品を作る業界のケースです。販売業では商品の仕入れや在庫管理など、もののやり取りにかかるお金だけを見つめておけば問題なかったのですが、製造業の場合はものを作るためのコストの計算をする必要が出てきます。つまり、販売業では売上原価に組み込まれなかった人件費などのコストが売上原価として加わるようになるためです。

ただ業種によって算出の条件は変わっても、粗利は売上あっての数字です。どれだけ多くのものを仕入れたり製造したりしても、売上高がなければ粗利益を算出することはできない、ということを覚えておきましょう。

なぜ粗利益が重要視されるのか

粗利益が重要視される理由として大きいのが、やはり粗利益が純利益に至るまでのプロセス最も流動性が高く、かつ純利益に直結している数字だからと言えるでしょう。

純利益と関係性が深い粗利

純利益とは、売上高から原価や税などのあらゆるコストを差し引いて、実際に懐に収まったお金のことを言います。

純利益は実際にその会社が事業によって生み出すことに成功した価値を数値化したものということもでき、利益がゼロに近いほどそれだけその会社は社会にとっての貢献度が低いことになりますし、純利益がマイナスともなれば、社会の足を引っ張っているとみなされ、その会社の存在意義すら危うくなってしまいます。

会社の実力を測るものさしにもなる粗利

そのような理由から、人から必要とされる会社となるためには、純利益という明確な結果が必要になります。粗利益は原価という最低限のコストを差し引いた上での利益である以上、原価に対してどれだけの利益を上げているのか、つまりその会社はどれだけ商品の価値を高めることに成功しているのかという指標にも繋がるため、粗利益は多くの人にとって重要視されているのです。

粗利の評価はどこまで有益な情報なのか

粗利に関する会社の価値を評価するための材料として、粗利率という数字もあります。粗利率は粗利を売上高で割ることにより算出することができる数字で、%表記で表されるのが一般的です。

最も使われる粗利率

粗利率は売り上げと売上原価のバランスが取れているかの指標になります。売上原価を押さえたまま売り上げを伸ばすことができれば粗利率は増加、つまり純利益が大きくなることが予想されます。一方で売り上げは伸びても売上原価も相対的に大きくなったり、あるいは売り上げも伸びず、売上原価は変わらないということになれば、粗利率は変動がないか減少し、純利益が小さくなってしまうことが予想されます。

この場合、純利益を維持するためには、営業利益や経常利益でいかに損失を抑えるかなど、別の側面からのアプローチで賄う必要が出てくることになるでしょう。

また粗利の話になると最もテーマにとなるのも、この粗利率の話題でもあります。「今季の粗利率は~」「あそこの会社の粗利はどれくらい?」「30%くらいですね」など、具体的な粗利益では客観的な判断を下しにくいため、割合を用いて粗利の話は取り上げられます。

ただ粗利率の話題を取り上げる際に気をつけなければいけないのが、粗利率の良し悪しは業界によって微妙に異なってくるという点です。

必ずしも粗利率の比較が有効であるとは限らない

前述したように、業界によって粗利率を計算する際に必要な売上原価の計算は微妙に異なります。確かに小売業同士、サービス業同士のような同業者同士での粗利率の比較はある程度参考になるかもしれませんが、小売業と製造業を粗利率で比較するのは原価の捉え方が異なるため、無理が生じてしまいます。

例えば机を作っているメーカー同士で比較して、どちらがより効率的に机を作っているのかという指標として、両者の粗利率を比較するのは有益かもしれませんが、机メーカーと実際に机を売る小売業者では粗利率の比較に意味はあるのかと考えればわかりやすいのではないでしょうか。

会社の業績を数字で評価するのは確かに効率の良い評価方法であると言えますが、その数字がどう言った意味を持っているのかというところまで掘り下げておかなければ、時として思わぬ見当違いの評価を下してしまうこともあり得ます。

粗利益も一度話を聞いておけばそこまで難しい話ではありませんが、その数字がどう言った意味を持つのかをきちんと判断していなければ、正しく企業を見つめることはできません。よく耳にする単語でも、意外ときちんと理解できていなかった意味を持つこともありますので、ポピュラーなキーワードこそ慎重に捉える姿勢が大切になってくるでしょう。

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