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UNIQLO IQに見る実店舗とECの連動

チャットショッピングという新しい体験をユーザーに提示したUNIQLO IQは、単に「店で買う」から「モバイルで買う」へシフトさせるだけのものではありません。
狙いは両者を並列させることで、ユーザーは両方を使いこなしながら新しい買い方を広げていくことができます。

こうしたアプリはEC専用に提供されることはよくありますが、ユニクロのチャットボットはそれを実店舗との連動に繋げているのがユニークな点でしょう。

ではどのようにして連携しているのか、詳しく解説します。

【目次】

UNIQLO IQリリースの狙い

ユニクロが公開したのは、AIを活用した自動応答システム(チャットボット)です。
チャットボットはユニクロ公式アプリで起動し、一人ひとりのユーザーの買い物をアシスタントするサービスを提供します。
一番の目的は商品やコーディネートをユーザーに提案することですが、そのほかにも様々な情報を発信することが可能です。

アプリ内ではユニクロ商品の人気ランキングをはじめ、フリーワード商品検索、ラッキーカラー星座占いなどのほか、雑誌掲載アイテムの情報なども得ることができます。

関連記事:ユニクロアプリにAIチャットボット機能「UNIQLO IQ」が登場!

UNIQLO IQの使い方

1.スマートフォンでユニクロアプリを無料ダウンロード

画像出典:https://www.uniqlo.com/jp/iq/

手持ちのスマートフォンにユニクロアプリをダウンロードしましょう。
ちなみに新規ダウンロードでは割引クーポンの特典がある場合やレジでクーポンが当たる特典などもあります。
無料商品モニターの応募などもありますので、お得に買い物を楽しむことができます。

2.アプリを立ち上げる

インストールが終わったら、アプリを立ち上げてみましょう。
ユニクロアプリの基本的な機能は以下のようになっています。

  • 人気ランキング
  • おすすめコーデ
  • トレンドキーワード
  • カテゴリ検索
  • シーンに合わせた着こなし提案

3.IQで探すボタンからユニクロチャットボットを起動

右下にある専用ボタンをタップすると、チャットボットを使えるようになります。
最初は性別を選ぶメッセージが表示され、選ぶとおすすめの商品が表示され、オンラインストアへ接続の流れになります。
接続は質問に沿っていくだけなので簡単ですが、オンラインストアに繋がない場合でも商品検索可能です。

実店舗のリアルタイム情報と連動するユニクロAI

ここまでは通常のECアプリとほとんど差はありませんが、ユニクロのチャットボットは、実店舗との連動において大きくアドバンテージがあります。

実店舗の商品在庫確認が可能

一番のポイントは実店舗の商品在庫確認が可能なことで、しかもその情報のリアルタイム性が非常に秀逸なため大変注目されています。
ユニクロがこれまでに蓄積した膨大なデータの中で、実はユーザーが一番知りたいのは「在庫情報」だと気付いたことが大きなカギとなりました。
しかも従来のように前日夜までの在庫情報ではなく、わずか1時間前までの在庫状況がほぼリアルタイムで反映されるというのが、驚くべき特徴なのです。

RFIDタグを活用

これは全店舗でRFIDタグを全商品に取り付けたためできることで、在庫ステータスが詳細に管理できる上に商品一つひとつの状況をデータとして観測することが可能です。
店舗運営においても商品の場所や欠品状況などが瞬時に確認できるため、よりスムーズなサービスの提供ができるようになっています。

これほどにユーザーが商品情報をより深く、より詳細に把握することができるサービスはほかになく、特にアパレル業界では類を見ない画期的なシステムと言えるでしょう。
EC台頭の時代ですが、きちんと実物を見て試着をし、肌の感触やフィット感、色みなどをしっかり確認した上で購入を決めたいユーザーは健在です。
買い物に行きたいけれどどこの店にあるのか分からない、品切れでガッカリしたくないというユーザーにとって、在庫情報が分かるのはそれだけで素晴らしいサービスと言えます。

RFIDについては、「RFIDとは?RFID活用事例27選と最新無人店舗化RFID動向【2018年最新】」もぜひご覧ください。

ユニクロが導入したRFIDタグとは

前述のようなECと実店舗をリアルタイムに連動する画期的な仕組みは、ユニクロがRFIDタグを全商品に導入したからこそ実現したサービスです。
ユニクロは2018年春夏商品から全商品にRFIDタグの貼り付けを開始すると発表しましたが、これは事業として大きな決断だったと言えます。

店舗での働き方も変えるRFID

RFIDはradio frequency identifierの略で、ID情報を埋め込んだRFのことです。
周波数帯によって数cmから数mの幅がありますが、至近距離の無線通信によってID情報をやり取りする技術全般を指します。

ユニクロはこのRFIDタグに商品の色や柄、サイズ、価格だけでなく、製造時期や素材に関する情報まで様々な商品情報を埋め込み、貼り付けています。
RFIDの特徴により、商品に直接触れなくても情報を認識できるため、店舗運営においては大幅な労力カットが可能でしょう。

ユニクロを経営するファーストリテイリングは、ユニクロのほかジーユー、セオリーなど全てのグループブランド商品にRFIDを導入しました。
商品の検品や入荷・在庫管理、棚卸業務などにおいて効率化を図るのはもちろんですが、そのままユーザーメリットにまで繋げたのが画期的な視点でしょう。
ちなみにファーストリテイリングは、物流倉庫においても省人化を進めており、そこでもRFIDをフル活用しています。

当然そこまで大規模なRFIDの導入にはコストがかかりますので費用対効果を得る算段が必要ですが、人手がかかる煩雑な作業が飛躍的に効率化し、働き方改革にも繋がっているのが事実でしょう。

商品タグに込められた最新技術

ユーザーが何気なく手に取り、購入して持ち帰る商品のタグの中には、無線通信技術が封入されています。
ファーストリテイリンググループで年間に生産する服は世界で約800億枚と言われており、世界シェア1.6%にも上るこれら全ての商品に生産段階からRFIDを封入するのは一大事業です。

現在、RFIDタグの相場は1枚10円程度と言われますが、同社は優位性のあるコストと判断し本格投入に踏み切りました。
ユーザーは購入した商品とともにタグを持ち帰りますが、回収するほうが再利用コストが発生するためそのまま使い捨てとなります。
従来把握できなかった製造途中の歩留まりや達成度合い、倉庫への入出状況まで全て瞬時に正しく把握することができるようになったわけですから、有意義な投資と言えるでしょう。

すでにサプライチェーン全領域で管理が完全連動していますが、国内でもEC用倉庫4拠点、店舗用倉庫9拠点を展開し、ここでもECと実店舗の連携が整っています。
今後は順次これらの国内倉庫も自動化する計画のため、さらにオートメーション化が進む予定です。

無人レジの導入

ファーストリテイリングは実店舗でも、最新技術を活用し、無人レジを導入しました。
操作は実に簡単で、商品を買い物カゴごとレジの下に入れてボタンを押すだけで集計できます。
よくある無人レジのように自分でバーコードを読み取らせる手間もなく、カゴに無造作に入れたまま支払いができるため非常にスピーディーです。
こうした仕組みも全てRFIDタグのおかげであり、それがそのままアプリのサービスにまで繋がっています。
一貫した事業のIT化計画に基づくサービスであることが理解できるでしょう。

実店舗で使えるユニクロのコンシェルジュアプリ

ユニクロの店舗に行くと、目の前の商品ではなく、スマートフォンを見ながらコーディネートに悩む買い物客をたくさん見かけます。
その理由は、コンシェルジュアプリとして頼りになるチャットボットからの情報を吟味しているからでしょう。
チャットボットを立ち上げて店舗で商品のバーコードをスキャンすると、その商品のおすすめのコーディネートを見たり、その店舗に在庫があるか確認したりすることができます。

今いる店舗にチェックイン

メニューを開いて「店舗にチェックイン」するをタップすると、今自分がいる店舗にチェックインして、気に入った商品のサイズや色の在庫を確認することができます。
従来は、いいなと思う商品があっても自分でサイズや色を探すことやフロアにいる店員を探して在庫を確認してもらわなければいけませんでした。
混んでいる状況では店員を探すのも難しく、すっかり購買意欲がなくなってしまうこともあったでしょう。

店舗で商品を実際に手に取って確認し、知りたい情報をその場で全て教えてくれるのがコンシェルジュアプリの魅力です。
もしその店舗では品切れでも、近くの店舗には在庫があると分かれば喜んでそちらに向かう買い物客はとても多いでしょう。

どう着こなせばいいかコンシェルジュが指南

目を惹く服があっても、どう組み合わせれば良いか着こなしがイマイチ分からないというユーザーはとても多いです。
そんな時にもコーディネート提案を見れば、自分に合うかどうか具体的に調べることができます。

また、服を買いに行く時には、何か目的のイベントがある場合もあるでしょう。
「旅行」「BBQ」「女子会」などキーワードを入力すると、着用シーンに合わせた着こなしも提案してくれるので、迷わず選ぶことができます。
ユニクロでは実際に検索が多かったUTやジーンズに特化したカテゴリ検索も可能で、詳しく検索できるUTファインダーやジーンズファインダーなどのボタンもあります。
1か月以内に雑誌に掲載されたユニクロ商品が雑誌別に一覧表示されるので、雑誌で見かけた気になる服も、その場ですぐに見つけることができるでしょう。

実店舗とECサイトのシナジー効果を実現するには

実店舗を展開する物販業界において、IT技術をオンラインショップだけに向けてしまうのは片手落ちと言えます。
ECアプリは実店舗への誘導も目的とした仕掛けですので、役割を明確にしてシナジー効果を生むのが正解です。

事実、2010年頃からはECサイトで成功した専業企業が実店舗展開に踏み切るケースが現れ、現在その動きはさらに加速しています。
2014年には非常に多くの企業が実店舗展開を果たし、すでに首都圏近郊に拡大している企業も多く見られるようになりました。

実店舗からECサイトへ、ECサイトから実店舗へと展開を広げる企業が多いことからも分かるように、両者を融合させた事業展開が今後の主流と言えるでしょう。
ただ、ECでの売上が既存店舗の売上を食うようでは中途半端な取り組みになりますので、やはり実店舗側も従来の店舗志向の発想から脱却が必要なのは言うまでもありません。

店舗をショールームと割り切る

ECサイトと実店舗展開を行っている企業のうち、実店舗をショールームとして位置付け、オンラインでは体験できない内容を実店舗で提供するという役割分担を持たせる事例が多く見受けられます。
もちろん店舗を構えるということは運営コストがかかるということであり、この部分はECとは比べ物にならないくらい多大な投資になります。

しかし、店舗では在庫を持たないため、在庫管理は省力化され、店舗オペレーションとしての効率化は図れると考えられます。
今後、「D2C(Direct to Consumer)と呼ばれる形態の新しい商取引の形が一般的となっていく可能性もあり、ショールーム形式の店舗を持つことは未来への布石でもあります。

それぞれに相性の良い商品も

ECサイトと相性が良い商品もあれば、実店舗と相性の良い商品もあります。
たとえば下着類などは誰とも顔を合わせずに購入できるオンラインショップのほうがユーザー心理に合うでしょうし、すぐにでも着たい流行のアウターなどはその場で袖を通したい人もいます。

また、ギフト選びも実店舗とは相性の良い買い物なので、ユニクロのアプリではギフトの提案専門のボタンも設けられています。
検索はなかなか自分の知識の外の情報を入れにくいですが、目で実物を見て初めて心が惹かれる商品もありますので、物的なアピールは実店舗が非常に強いです。
「買ったらすぐに持って帰りたい、その日のうちに袖を通したい」というニーズに応える販売形態といえます。

実店舗なら買って帰ってすぐに着ることができますし、会計後にその場で着ていくこともできますから、その点はECを遥かに上回る顧客満足度に繋がる点です。
ECは毎日のようにじっくり眺めては、あれこれ考えを巡らせるウィンドウショッピングに近い感覚もあります。
平日は仕事中アプリを眺め、休日に店舗に買い物に出かけるという流れがきちんと成立しているのが、ユニクロの強みと言えます。

まとめ~UNIQLO IQで実店舗へ誘導

UNIQLO IQは、ユニクロのブランディング戦略上、非常に上手く働いていると言えます。
ECサイトと実店舗を上手く両立させ、シナジー効果を生む結果に繋げているのは流石でしょう。
カギとなるのはRFIDタグの導入など大規模な事業計画ですが、ユーザーにとって着こなしやランキング、在庫状況など欲しい情報が網羅されているのは非常に有用です。
今自分がいる店の情報と、目の前にある商品情報がその場で分かる画期的なコンシェルジュアプリです。

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