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デジタルトランスフォーメーション待った無し!これからCIOが担うべき役割とは

国内企業におけるIT予算は近年ますます増加傾向になっています。IT専門の調査会社、IDC Japanによると、2019年度のIT予算計画において、従業員が1000人以上の大企業では46.5%と約半数が予算増加と回答しています。

アフターデジタルと呼ばれるこれからの時代においては、事業活動のほぼ全てのプロセスにテクノロジーの活用が欠かせません。

全ての企業においてデジタルトランスフォーメーション待った無しという状況の中で、それを統括し、推進する存在としてのC×O職、CIOが改めて注目されています。

目次:

そもそもCIOとは

CIOとは「Chief Information Officer(最高情報責任者)」の略です。

1987年に発刊されたWilliam R. Synnott著「The Information Weapon: Winning Customers and Markets With Technology」の中で提唱されたのが初出と言われており、アメリカの企業はもちろん、ここ日本でも以前からCIOという役職を設置する企業は存在していました。

近年デジタルトランスフォーメーションの必要性が高まるにつれて、CDO(Chief Digital Officer)と並んで、企業におけるITのポテンシャルを高める組織改革のための重要なポジションとしてCIOも改めて注目されています。

しかしながら、総務省の平成30年度版情報通信白書によると国内におけるCIOの設置率は11.2%と諸外国と比較してかなり低く、このポジションを設置する目的や担うべき役割についての認知、理解が進んでいないという見方もできる状況です。

CIOが担うべき役割は変化しつつある

「最高情報責任者」という言葉通り、もともとCIOが担っていたのは企業が持つ様々な情報マネジメントであり、2000年代に急速に進んだ企業のIT化においても情報システム部門のトップとなるCIOは重要なポジションと位置付けられていました。

当時普及したITは、流通小売業で言えば企業本部が店舗の状況を把握し、経営効率を最大化するためのチェーンストアマネジメントを目的するものであり、IT資産を活用することで業務プロセスを効率化しコストを削減する、適切なセキュリティを構築し、情報漏洩を防ぐなど、比較的、企業活動のオペレーション部分に軸足が乗っているポジションだったとも言えます。

しかしながら近年ではテクノロジーの活用自体が、売上に直結する顧客体験を生む時代となっているため、CIOが担うべき領域はビジネスをグロースさせる経営戦略そのものにまで広がってきていると言えます。

特に大企業においてはオペレーションドリブンな組織となっている傾向があるため、これからの時代のCIOには、経営視点を入れながら全く新しいテクノロジーを自社に導入してビジネスを成長させるために、新たなシステム開発やツール導入などのプロジェクトをゼロイチで立ち上げ、推進できる資質が求められます。

組織全体のスキルアップ、IT人材育成もCIOの責任

CIO個人の資質のみならず、情報システムを司る組織全体においても、オペレーション思考からプロジェクト思考への意識改革とそれに伴うスキルアップが求められるわけですが、CIOはそのような組織全体のスキルアップと、そこに繋がる人材の育成という役割も担うべきでしょう。

レガシーなシステムを業務に合わせて改修し、使い続けていれば、必ずどこかで限界が訪れ、急激な時代の変化にビジネスがついていけなくなってしまいます。したがって、情報システム部門一人一人がオペレーション思考から脱却し、テクノロジーに限らず世の中のトレンドに対する敏感なアンテナを張ること、そしてマーケティング視点を持つこと、さらには最新のツールに対する「目利き」ができ、自社の状況を踏まえて最適なものを選び取れる組織になることが理想であり、CIOは、そのような組織づくりもプロジェクトとして推進することが求められます。

前述の情報通信白書によれば、CIO(あるいはCDO)を設置している企業における現場社員の情報化・デジタル化に対する理解度は、「ほとんどの従業員の間で理解されている」の回答率が29.7%であるのに対し、設置していない企業では8.5%と、実に3倍以上の差が出ています。

この結果は、企業としてCIOというポジションを設置すること自体が、デジタルトランスフォーメーションの重要性を説く社員に対するメッセージとなり、組織全体の意識が高まる可能性があることを示唆しています。

もちろん、CIOのポジションに収まる人材自体が、配下の組織に対する影響力(知識、経験、そしてファシリテーション力)を持てなければ、単なる「絵に描いた餅」状態となってしまうため、抜擢できる人材が社内に存在するのか、それとも外部から引っ張ってこなければならないのかについては慎重に見極める必要があるでしょう。

CIOを巡る企業の課題

現状、CIOというポジションを設置していても、実際にはそれがワークしていない、という課題を抱えている企業もあるでしょう。

例えば、バックグラウンドがビジネスサイドにある人材がCIO職に就いた場合、ITおよびテクノロジー全般に対して知識がなく、テクノロジートレンドに対する感度も低いがゆえに、経営視点は持てても、経営戦略に基づいた最適なシステムやツールの取捨選択や、段階的な導入計画が設計できないという状況が生まれがちです。

逆に、バックグラウンドが技術系、(従来的な、経営戦略に深く介入しない)情報システム部門領域出身者だった場合、テクノロジーには詳しくとも、それを全面的にビジネスに活用した「攻め」の経営戦略を描くことができないということもあるでしょう。

企業によっては、複数の組織のトップを兼務している中で、CIOも(仕方なく)兼ねているという場合もあるかもしれません。

ここまで述べてきたように、これからの時代におけるCIOには、経営視点と技術視点の両方が必要となります。その観点から考えると、実は販売プロセスの全てに関わるマーケティング担当の上級者が、テクノロジーに対する知見も深めた上でCIOのポジションに就くのが理想的、という見方もできます。

あるいは、すでにCMO職が存在する企業であれば、CMOと綿密な連携を取ってプロジェクトを推進できる人材、という視点からCIOを抜擢する、というのも一つの形と言えるかも知れません。

さいごに

本質として見なくてはならないのは、CIOというポジションを設置すること自体ではなく、どのような形であれ「有意義な」デジタルトランスフォーメーションの推進です。人材状況やビジネスのフェーズに鑑みて、自社に最適な形を模索する必要があるのではないでしょうか。

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