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DXのキッカケは他業種にあり!

「DXで新しい購買体験を作るべし」というお題を与えられたとき、ゼロイチで何かを生み出すことは非常にハードルが高いと感じると思います。それは、業界の常識や従来のオペレーションに囚われてしまうことが一つの要因として挙げられます。

そこでオススメしたいのが、自社が身を置く業界「以外」を眺めてみることです。そこには様々なヒントが転がっているはずです。

目次:

スーパーマーケット化するドラッグストア

最近のドラッグストアは、扱う商品も含めて、業態がスーパーマーケット、あるいはコンビニエンスストアにかなり近づいています。特に、戦略的に食品の扱いを増やしているドラッグストアの成長は著しく、今や大手のスーパーを凌駕する存在になっています。

地域住民の利便性を考えれば、買い物が一箇所に済むに越したことはなく、しかも日用品、消耗品がリーズナブルな価格で購入できるとなれば当然の帰結でもある、と言えます。

ひと昔前までは、ドラッグストアで本格的な食材を購入するということは考えられなかったわけですが、スーパーという業態をドラッグストアが注意深くマーケティングリサーチした結果、今があるわけです。

もし、扱う商品は変えずに、昔ながらのドラッグストアのやり方の延長線上のみで売上を伸ばすアイデアを生み出せと言われたら、今の勢いはなかったかもしれません。

ドラッグストアの話はほんの一例ですが、ビジネスアイデアのみならず、システム構築においても、他業種・他業態を眺めてみると、流用できることというのはことのほか多く、それらを自社のビジネスモデルに組み込むことから考え始めると、「新しい購買体験を生み出すDX」は、意外とスムーズに自社に取り込める可能性があるかもしれません。

以下で、いくつかの参考ケースを取り上げてみたいと思います。

モバイルオーダー→大手ピザチェーン店

今モバイルオーダー型のコーヒーショップがトレンドになっている感がありますが、それを他の業界で実現する際は、たとえ初めての取り組みだとしても、「業界初のモバイルオーダーを実現するぞ」と気張るのではなく、大手ピザチェーン店のオーダーシステムを参考にすると、目の前が拓けて案外近道になる可能性があります。

ピザ店のオーダーシステムでは店頭ピックアップかデリバリーを選択する形になっていますが、モバイルオーダーであれば、それを店頭ピックアップのみの仕様にすればいいですし、それが飲食店なのであれば、受け取り時間をキッチン側が把握できるようにして、その時間に合わせて作るだけなので、オペレーション的にもそこまで複雑にはなりません。

もちろん、細かい部分はそのまま流用できない箇所も出てくると思いますが、システム構築や業務フローの大筋については大いに参考になるはずです。

配車サービス→大手ピザチェーン店

配車サービスのシステムも、商品(車とドライバー)を、指定した時間に指定した場所に呼ぶことに関してはピザ店のデリバリーと同様であると捉えることができます。ただ、リクエストに対して車をどう紐付けるか、という部分は難しいでしょう。

例えば複数社が参加する配車サービスであれば、リクエストが発生した時点で、どの会社の車か、近くにいる車か、などいくつかの優先順位を決めた上で、該当する車を引き当てるシステムが必要になってきます。

コンシェルジュサービス→美容院

例えば百貨店などでコンシェルジュサービスを展開したい、という場合に参考になるのは美容院の予約システムでしょう。美容院であれば、時間だけでなくスタッフまで指名する仕組みになっていますが、コンシェルジュサービスも理想的にはそうなっていく(スタッフ個人にファンの顧客が付く)べきで、そういう意味では同じ仕組みでサービスを展開できるはずです。

初めて利用する顧客であれば、時間枠だけ指定して「指名なし」も選択できるようにしておけばなお良いでしょう。

コンシェルジュサービス以外でも、サービスの窓口があって決めた時間枠に対して特定のスタッフが付くサービス(スーツのオーダーメイドや、転職サービスのコンサルタント面談など)であれば、同様に美容院の予約システムが参考になるはずです。

映画のチケット→飛行機のチケット

映画館などのチケット発券サービスは、飛行機のチケット発券とシステム的にはほぼイコールです。映画の「どのタイトルを観るか」と飛行機の「目的地はどこか」が同じレイヤーと考えると、「どの回か(日付と時間)」あるいは「どの便か」を指定し、続いて「座席」を指定し、最後に決済と、流れは完全に一致しています。

最近では航空会社の方がシステムの先取りをしているため、チケットレスでチェックインできる仕組みが整えられていますが、シネコンではまだほとんどが物理的に紙で発券するプロセスが必要となっている状況ですね。

大学構内の売店→オフィスの福利厚生サービス

エスキュービズムでは、三井不動産のオフィスビルで展開しているBtoEの福利厚生サービス「mot.」のシステム構築を手がけました。

「mot.」は、特定のオフィスビルにテナントとして入っている企業が、従業員の福利厚生として、オフィスビル内のフィットネスジムやラウンジなどを提供し、従業員がその都度個別に決済できる仕組みとなっているのですが、このシステムは、例えば大学構内など、使用者が限定されたクローズドなエリアの売店での決済などに流用することができます。

あるいはこのシステムを拡張させれば、予備校などで人気講師の講義を予約するようなシステムの実現も可能です。

三井不動産株式会社様導入事例「目指したのはBtoBtoEという価値提供」

テーマパーク→スーパー銭湯

ディズニーランドやUSJなど、没入感が大切なテーマパークでは、極力現金でのやりとりを無くしたい、というのが顧客の自然な心理と言えます。それならば、リストバンド型のパスポートに電子マネーがチャージできるようにして、エリア内を全てキャッシュレスで行動できる設計にする、一部現金チャージ機を設置、といった仕組みを作れるのが理想的ではないでしょうか。

これは、すでにスーパー銭湯やゴルフ場ではすでに運用されている仕組みであり、テーマパークでも同じものを構築できるでしょう。

スーパー銭湯やゴルフ場では、入場料だけが先払いになっていて、エリア内での食事等は「ツケ払い」という扱いになるのですが、例えばテーマパークではチケット購入時にプリペイドでチャージする方式にして、余った分は次回来場時や公式オンラインショップでも使える共通ポイントにするなど、アイデアは色々と広げられると思います(実際は、会計上の処理が大変ではあるのですが)。

肌着、靴下→ホテルのアメニティ

これは、システムではなくビジネスモデルの話になりますが、例えばアパレルの中でも、肌着や靴下などであれば、アメニティグッズのようにホテルと提携してサンプリングや特別価格での販売をする、といった認知の広め方が考えられるのではないでしょうか。

出張中のビジネスマンをターゲットに、各都市のビジネスホテルとコラボレーションすることができれば、それなりにインパクトが生み出せそうです。

シャンプーやコスメなどのアメニティグッズや寝具では実例があるやり方ですが、それをアパレル業界に持ち込んではいけない理由はありません。新しいチャレンジにはなかなか予算をつけることが難しい場合もありますが、例えばこの仕組みを構築するために広告費を充てがうという考え方も成立するでしょう。

「お金の払い方」に着目するのがポイント

ここまで、ほんの一例ですが「他業界を参考にするとはどういうことか」について、ジャストアイデアで挙げてきました。

総括すると、どの業界のどんな仕組みが自社のサービスに流用できそうか考えるときのポイントは、取り扱う商品が似ているかどうかではありません。一番大切なのは、「お金の払い方」と言えるでしょう。

ここで言うお金の払い方とは、決済手段のことではありません。

例えば一口にエステサロンを予約する、といういっても、店舗によってお金の払い方は異なります。時間に対してサービス内容ごとに異なる値付けがされている店舗もあれば、チケット制で10回いくら、という店舗もあるでしょう。

システム構築の観点からいうと、そこのフローが変わればPOSやECの作り方も変わります。特に全く新しいビジネスモデルにチャレンジするとなると、その設計が綿密に立てられていないとシステムに落とし込むことができません。

例え違う業界であっても、思い描いているものに近いフローを持ったサービスを参考にすることで、スクラッチで考えるよりよほど効率的に物事を進められるでしょう。さらに、他業界でお手本を見つけることは、システムの構造だけでなく、プロジェクトを進める上で重要なベンダー選定においても的を絞りやすくなる、という効果があります。

さいごに

これからの小売業は、どんどんサービスを拡張させる方向に向かっていると言えます。先日、次世代型商業施設を謳う新生渋谷PARCOがオープンしましたが、そこに出店している店舗を見ても、それは明らかです。

それは、いろんな意味で業界の境界線がどんどん曖昧になってきている、ということでもありますが、システム的にも流用あるいは応用が効く可能性を秘めているのです。

視野を広げ、着眼点を変えることが、ビジネスモデル的にも、システム的にも「意味のあるDX」への突破口を開く第一歩となるのではないでしょうか。

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