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【最新版】免税手続きがついに電子化!概要・手続き・メリットを解説

2020年から、輸出物品販売場(免税店)における免税販売手続きが電子化されることが決まりました。国の手続きはIT化が進んでいますが、電子免税化により免税手続きもペーパーレスの時代になります。

免税電子化が進めば、購入者はもちろん免税店にもメリットがあります。

免税電子化には通信環境が必須となり、従来とは手続きの方法も変わります。免税電子化の基本的な情報や必要な手続き、免税電子化された背景について解説いたします。

【目次】

免税販売手続き電子化の概要について

免税電子化とは

免税電子化とは、輸出物品販売場(免税店)での免税手続きを電子化する動きです。従来は購入者が誓約書や記録票をといった免税手続きに必要な書類を持ち歩き、紙媒体で処理を行っていました。電子化することで、その処理を効率化する狙いがあります。

免税電子化により、免税店は購入者の情報や購入記録情報の電子情報を国税庁に提出する必要があります。電子化ですから紙媒体ではなく、インターネット回線を使いデータで提出します。

免税電子化は作業の効率化すればより詳細に購入品のチェックができるため、免税の不正利用を防止する効果も期待できます。

2020年に開催される東京オリンピックに向けて訪日外国人も増加傾向にあるため、国が免税システムを効率化することで、利用の拡充を目指していることが推察できます。

免税店とは

免税店とは「消費税免税店制度」に則り、国内での物品購入において非居住者に対して消費税を免除する制度です。販売店が免税するためには、納税地を所轄している税務署に許可を申請して許可を得る必要があります。

免税の対象となる人は、訪日外国人に代表される非居住者です。非居住者は基本的に外国人が対象となりますが、入国して半年以上経過している人や国内の事務所に勤務している人は非居住者とは認められず免税の対象外となります。

免税の対象となる物は、個人が使う前提で購入される一般の物品や消耗品です。非居住者であっても、転売や事業に使われることが明らかな場合は免税されません。

国内すべての免税店が対象となる

免税電子化は免税店(輸出物品販売場)を経営する事業者すべてが対象となり、例外はありません。

これから免税店として輸出物販売場の認可を受けようとしている販売店だけではなく、すでに輸出物販売場の認可を受けている免税店も免税電子化手続きが必要となります。

免税電子化では、免税店は購入記録情報を提出する前に「輸出物品販売場の免税販売手続電子化に関する届出書」を提出する必要があります。

届出書については平成31年1月ごろに様式が決まる予定で、決まり次第国税庁HP「輸出物品販売場の免税販売手続電子化について」の「輸出物品販売場の免税販売手続電子化に関する届出書」にアップロードされます。

国税庁HP「輸出物品販売場の免税販売手続電子化に関する届出書」:
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/0523.htm

免税電子化は通信環境が必須である

免税電子化した後は国税庁の受信システムを通じて、すべての購入記録情報をデータで提出しなくてはなりません。

また、パスポートに記載されている

  • 購入者氏名
  • 国籍
  • 在留資格
  • 上陸年月日

などのデータも併せて提出します。

従来は購入記録票という紙媒体だった情報を電子化するため、免税店はインターネット環境の整備が必須となります。

つまり、現在インターネット環境が整備できていない店舗は、早急に準備しなくてはなりません。パソコンやPOSレジ、サーバーなどの環境構築も検討する必要があります。

免税電子化は入力作業の効率化にもつながるため、国はパスポートリーダーなどのデータ読み取り機器の準備も推奨しています。

万が一インターネット回線の準備ができず購入記録情報の提出が難しい場合は、「承認送信事業者」から提供するという特例も設けられています。

承認送信事業者とは?

承認送信事業者は、免税店を経営する事業者に代わって購入記録情報を国税庁長官に提出できる者のこと。(店舗ごとに購入記録情報を提出できる)。

承認送信事業者は承認要件を満たした消費税の課税事業者に限り、納税地の所轄税務署長の承認を受ける必要があります。

施行時期

免税電子化は、平成32年(2020年)4月1日以降の免税から適用開始となります。

経過措置

免税電子化は、平成33年(2021年)9月30日まで経過措置が設けられています。つまり、平成33年9月30日までは、今まで通り書面でも免税販売手続きが行えます。

経過措置期間を過ぎた平成33年(2021年)10月1日以降は、書面での免税手続きは一切行えません。平成33年10月1日になっても免税電子化に対応できていない店舗は、免税販売ができなくなるので注意しましょう。

免税電子化によるメリット

輸出物品販売場(免税店側)のメリット

免税電子化により、免税店側には以下のメリットが期待できます。

  • 書面で行っていた免税手続きの効率化
  • 免税対象者の消費拡大

免税電子化により、販売店は購入記録票の割印を押す必要がなくなります。購入者は購入者誓約書へのサインと提出が不要になるので、従来に比べてさらに免税店を利用しやすくなるでしょう。

訪日外国人は日本での買い物を楽しみたいと思っているものの、書類による免税手続きを煩わしく感じています。そのため免税電子化で買い物がスムーズになれば手続きにかかる時間が短縮されれば、免税店をさらに利用してもらえる見込みがあります。

購入者側のメリット

書類の管理が不要になる

今までは免税店で物品を購入するほど書類が増え管理が煩雑でしたが、免税電子化後は面倒な書類がなくなるため管理しやすくなります。

購入記録票自体が使われなくなるため、免税店だけではなく税関での提出も不要となります。また、免税店では購入誓約書の提出も不要です。

免税店を利用しやすくなる

従来の訪日外国人は、免税購入に必要な書類をパスポートに挟むケースが多くありました。そのため、免税店の利用や訪日回数が増えるたびにパスポートが分厚くなったり破れたりしていましたが、免税電子後はパスポートの劣化防止にもなります。

免税電子化されると免税店での手続きも効率化されるので、買い物にかかる時間も短縮されます。そのため、日本での買い物がさらにスムーズになり利用しやすくなります。

税関職員もメリットがある

購入履歴が確認しやすくなる

免税電子化されれば、出国の際に税関職員の作業も効率的になります。税関職員はパスポート番号を元に電子システムで免税購入履歴が確認できますので、日本で購入したものを端末で一覧表示して容易に確認できます。

ペーパーレス化でパスポートも確認しやすくなる

情報を電子化すると、書面よりもチェックや管理が容易になります。また、免税電子化によりパスポートに購入記録票を留める必要がなくなるため、税関職員はパスポートのチェックも行いやすくなります。

免税電子化は店舗・購入者両方手続きが変わる

免税電子化は販売と購入者両方に影響がある

免税電子化すると、免税店も購入者も両方手続きが変わります。詳しくは、国税庁が発行している以下の図をご参照ください。


引用:国税庁資料「輸出物品販売場制度の免税販売手続電子化に関するQ&A」P.1より

上記の図のように、免税電子化は輸出物品販売場・購入者・税関・国税庁の4か所に影響があります。改正後は国税庁も関わるようになり、免税店登録された購入記録情報は税関を介さずに、免税店から国税庁へ直接提出されるようになります。

販売店側

免税電子化で変わる手続き

免税電子化すると、購入記録情報や購入者の情報を速やかに国税庁へデータ提出する処理が新たに発生します。また、免税店は購入者へ必要事項の説明が必要になります。必要事項とは、以下の3つです。

  1. 免税で購入した物品は、国外へ輸出するための購入であること(国内消費の禁止)
  2. 出国の際は、税関長にパスポートを提示すること
  3. 出国の際に免税で購入した物品を所持していない場合は、免税された消費税額相当の額が徴収されること

参照:国税庁資料「輸出物品販売場制度の免税販売手続電子化に関するQ&A」P.8より
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/pdf/02.pdf

上記事項を口頭で説明できない場合は、説明事項を記載した書類を渡す方法も認められています。観光庁が7か国語(2019年3月現在)で説明シートを提供していますので、口頭での説明が難しい場合は活用をおすすめします。

観光庁 Japan Tax-freeShop HP「免税手続きの多言語説明シート」
http://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/after.html

不要となる手続きは、購入記録票に関わる処理です。書類自体が廃止されるので、購入記録票への割印が不要となります。

購入の際、免税対象者からパスポートに購入記録票をステープル留めすることを拒否されるケースもありましたが、免税電子化後はステープル留め自体が不要となります。

購入者から提出される購入者宣誓書の管理も不要になるので、保管スペースが省略できます。ただ、購入者宣誓書の代わりに、国税庁に提出する購入記録情報は保存しなければなりません。

購入記録情報の保管期間は、購入者宣誓書と同じく7年です。購入記録情報は電子データであるため、保存するための媒体を準備しておきましょう。

免税電子化で変わらない手続き

免税電子後であっても、免税店は従来通り購入者が非居住者であることの確認は必要です。また梱包方法についても変わらないので、消耗品の購入はシールによる封印など、国土交通大臣または経済産業大臣が指定した方法による特殊な梱包が引き続き必要となります。

お客さま側

免税電子化で変わる手続き

免税電子化後は、購入者は免税に必要であった購入者誓約書と購入記録票の提出が不要になります。従来のように煩雑な書類の管理が不要となります。

出国の際は、今まで必要であった税関での購入記録票の提出が不要となります。(代わりにパスポートの提示が必要です)。

免税電子化で変わらない手続き

免税電子化後も、購入者は免税店に対してパスポートの提示が必要です。免税店は購入者情報を国税庁へ提出するため、パスポート情報も記録されるようになります。

免税電子化でさらなるインバウンド消費を促す

年々増加する日本への観光客と免税店

日本ブームや2020年東京オリンピックの影響で、訪日外国人は年々増加傾向にあります。日本政府観光局(JINTO)の統計によると、2012年は8,358,105人であった訪日外国人は、2017年には19,737,409人と2倍以上も増えています。

参照:日本政府観光局HP「年別 訪日外客数の推移」より
https://statistics.jnto.go.jp/graph/#graph--inbound--travelers--transition

訪日外国人観光客増加に伴い免税店も増加してます。観光庁の調べでは、2012年4月1日に全国で4,173店だった免税店は、2017年10月1日時点で44,646店と10倍以上の推移を記録しています。

参照:観光庁HP「都道府県別消費税免税店数(2018年4月1日現在)について」より
http://www.mlit.go.jp/kankocho/news02_000352.html

訪日外国人は何度も日本に観光に来る“リピーター”も増えており、日本観光のニーズは三大都市から地方へと変化しています。

訪日外国人は、物品を購入する「モノ消費」から体験をメインとした「コト消費」へと変化しています。ですが、日本観光の回数が浅い訪日外国人は依然として、モノ消費の傾向が強いでしょう。

日本は2020年に訪日外国人の目標人数を4千万人としている

日本政府は2020年の東京オリンピックをきっかけにさらに訪日外国人を受け入れ、インバウンドビジネスの成長を狙っています。

平成28年3月30日に、総理大臣を議長として開催された「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」では、2020年に訪日外国人旅行者の目標人数を4,000万人と定めました。

観光庁HP:「訪日外国人旅行者の受入環境整備」より
http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kokusai/ukeire.html

国は宿泊や交通サービスにも補助金を交付して、訪日外国人の受け入れ整備事業を進めています。国を挙げてインバウンドビジネスに取り組んでおり、免税電子化もその一環といえるでしょう。

消費税免税制度の拡充は2014年10月からはじまっている

訪日外国人に向けた免税制度は「外国人旅行者向け消費税免税制度」とされ、2014年10月から取り組みが始まっています。

それまでは薬品や化粧品、食料品といった消耗品は免税の対象ではなかったのですが、2014年10月1日以降に対象となりました。

この免税制度の拡充は、訪日外国人が薬局や百貨店で消耗品を大量に購入する、いわゆる「爆買い」を後押ししています。小売店では免税専用レジを設置したり外国語対応スタッフを配置したりと、免税対応を進めています。

免税手続きの簡略化でさらなるインバウンド消費を促す

免税電子化は、スムーズな買い物や免税処理を可能にします。免税電子化は免税店にも購入者にもメリットがあるため、インバウンド消費を加速させる一因となるでしょう。

免税電子化は経過措置が設けられているものの、免税を行うすべての事業者が対応しなければなりません。訪日外国人の大幅な増加が予想される東京オリンピック開催までには、ぜひとも対応しておきたいものです。

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