店舗運営のAtoZ全31回

0 0/31 31

Lesson5 店舗のICT活用編

20プリンターの進化とその活用術未学習

ここで学ぶ概要

この講座は約8分で読めます


数あるICTの中でも最も普及し、古くから活用されているのが、データの印字やコピーなどに使われる、「プリンター」という機器です。

「ICT活用編」の第3回目となる今回は、最新のプリンター事情とその進化について触れながら、どのようにすればICT ツールとして、有効活用していくことができるのかについて、以下の項目に沿ってお話してまいります。

  • プリンターの進化と活用事例
  1. データの見える化
  2. ジャーナルの管理・保管
  3. オリジナル販促ツールの作成
  • まとめ

プリンターの進化と活用事例

プリンターは主にパソコンに付属され、コピーや、パソコンに蓄えられた情報を紙に出力するのが、その主な役目でした。

古いものは、白黒でしか出力できませんでしたが、今はおおむねフルカラーになり文字やグラフなどの図形だけでなく、インクジェットの改良によって鮮明な画像がプリントアウトできるようになりました。

また、感光体にレーザーを使って印刷イメージを描き、トナーを付着させることで出力をするレーザープリンターもあります。、印刷コストが割安なうえ長期間・スピーディーな出力できるため、主にビジネスシーンで活用が進んでいます。

また最近では、パソコンに接続しなくてもワイヤレスで、スマホやタブレットで撮影した画像をプリントできる商品などもあり、これらもマーケティング戦略を進めていくうえで、有効活用できます。

さらに、お客様にお渡しするPOSレジからのレシート出力だけでなく、飲食店でオーダーを通すためのキッチンプリンターや、営業ツールとして活用されているモバイルプリンターなどもあります。

1、データの見える化

プリンターが担う最も重要な役割が、パソコンデータの、「見える化」です。

まず、「ミーティング」で使用する資料作成では、市場調査で得たデータや販売実績を、数字として並べるだけでなく、エクセルなどのソフトを使ってグラフ化し、資料に加えてあげるといいでしょう。

具体的に「見える化」をした資料をプリントアウトし、参加者に配布することで、店舗一丸となってその分析に取り組んでいけます。

さらに重点項目の色分けや、関連する画像データの添付なども併せて行うと、より一層視覚によるデータ把握がスムーズになります。

また、出勤シフトを紙面化したり、個人の販売実績をプリントアウトして、事務所や控室に張り出すなど、スタッフと店舗運営におけるさまざまな情報を共有するときに、有効活用できます。

【ここがポイント!】
~ペーパーレスによる見える化も進んではいますが…~
プリンターによって実際に紙面として提示するだけではなく、プロジェクターを使ったデータの見える化や、タブレット端末へのデータ転送による情報共有などといった、「ペーパーレス」による見える化も、大企業を中心に普及してきています。
ペーパーレスでの見える化はコストの削減になりますし、管理する場所の確保も必要ないため、限られた店舗スペースの有効活用にもつながります。

今後、時代の流れとともにペーパーレスは進行していくものと考えられますが、導入にはタブレットの購入など、それなりの初期コストがかかってきます。
1店舗単位では言えば、まだまだデータの「見える化」について、プリンターが活躍するシーンも、残されています。

2、ジャーナルの管理・保管

ジャーナルとは、多くの店舗に設置されているPOSレジにおいて、商品やサービスを購入いただいたお客様に発行する、「レシート」に記載されているのと全く同じ、

  • 販売日時
  • 商品名と単価
  • 消費税
  • 販売総額
  • 支払額と釣銭額

などが書かれた、「紙」のことです。

レシートと異なるのは、店舗名やロゴ、さらに所在地や連絡先などといった、運営側なら当然知っている余計な情報が記載されていないことです。

ジャーナルは通常、レジスタ内にある

サーマル紙※に記載され、日常業務的では、レシートを紛失したお客様への返品・返金対応などに、活用します。

※サーマル紙:熱によって変色する感熱紙で、印字される色は一般的に黒または青。プリンターヘッドの構造が簡略で小型化が容易なため、内蔵プリンター機構として広く採用されている。

また、確定申告時の財務資料としても重要なものであり、国税庁の定めによって「7年間」保管をする義務があります。

ただし、前述したサーマル紙というのが少々厄介で、一般的に長いロール状をしているため目的とする情報を引っ張り出すのに、手間と時間がかかってしまいます。

さらに、感熱紙あるため、長期間保管をする過程で色がくすみ、場合によっては印字されている文字が何なのか、確認できなくなってしまうこともあります。

ここでおすすめなのが、ジャーナル情報をいったんパソコンに入力し、そのデータを外部プリンターで出力し、月ごとや年度ごとに「ファイリング」して管理する方法です。

この方法であれば、目的とするデータをすぐに取り出すことも可能ですし、「耐熱紙」や「耐水紙」などを利用すれば、長期保管時の色あせ対策にもなってきます。

加えて、ジャーナルの整理の過程でパソコンにいったん入力データ化するわけですから、万が一紙として紛失・破損などをしても、再度プリンターで出力すれば全く支障ありません。

【ここがポイント!】
~手間はかかるが見返りは大きい~
パソコンにジャーナル情報を入力するのは、ひと手間かかりますが、これによってジャーナルの補完性が高まるだけでなく、同時に詳細な「店舗売上管理表」が出来上がるという、マーケティング戦略を練るうえでの大きなメリットが発生します。

また、提供する商品やサービスの数が少なかったり、1日の来店客が限られている小規模店舗の場合、出納帳などへの手書きによるジャーナル管理をしているケースもあります。

ただ、ジャーナルの保管義務機関である7年間とは長いもので、このケースでも手元にノートパソコンを置きデータ入力することでその管理強化と、店舗運営方針を決める際の参考になるので、ぜひ取り組んでみてください。

3、オリジナル販促ツールの作成

ここまでは、主に販売実績などの管理・出力ツールとしての活用でしたが、高性能化してきた今のプリンターなら、店舗のオリジナルポスターなどといった、個性を打ち出せる販促ツールを作成することができます。

例えば、商品の原材料の産地にこだわりがあるのなら、現地で生産者が汗を流す姿を撮影し、その鮮度の良さや安全性などをキャッチコピーに据えた商品ポスターを作成できます。

また、専門的なデザインスキルがなくても、魅力的でアピール力の強いPOPを作成できるソフトなどもたくさんありますので活用をするとよいでしょう。

【ここがポイント!】
~顧客満足度のアップにも活用できる~
お客様は、商品・サービスを購入した瞬間最もテンションが上がり、時間の経過とともにだんだんと冷静になっていきます。

そんなお客様心理を利用した、プリンターによるお客様満足度アップの方法があるので、紹介しておきます。

例えばですが、商品やサービスの販売時に記念撮影をし、後日軽いコメントを添えたお礼状を送付するという活用方法です。ちょっとしたひと手間をかけるだけで、お客様の満足度がアップする可能性があります。

この方法は、車や家などといった高額商品や、ランドセル・学習机などのように、購入に際して思い入れが強い商品を扱う店舗で特に有効です。

また、飲食店では結婚記念日や誕生日などに来店いただいたお客様へ、スマホで撮った画像をプリンターに転送し、お祝いのコメントや日付と共に色紙に張り付けて、お帰りの際に差し上げるなんてことも、店の好感度をアップさせることができる、有効なプリンターの活用法です。

まとめ

チラシの印刷や資料作成、レジスタジャーナルの印字など、店舗において昔から利用されているプリンターですが、年々その機能は進化を続けており、まだまだ優秀なICTツールとして活用できます。

店舗の内部・外部双方で、お持ちのプリンター性能を生かせるシーンはないか思案しながら、パソコンやPOSレジスタなどといった他のICTツールと連動させ、真価が発揮できる活用法を模索していきましょう。

ここがまとめポイント!

  • プリンターの性能を有効活用することで、グラフの添付や色分けなどによる、より「見える化」が進んだ効率の良いデータ把握ができる。
  • ジャーナルをパソコン入力し、プリンターによる「紙面化」で管理にすれば、保管や整理が簡単になる。
  • プリンターの画像プリント性能の高さを生かせば、オリジナリティーあふれる販促ツールの自作も可能。
  • 商品を購入した時の高揚感を、プリンターの活用で再現することで、お客様の満足度をアップさせることができる。
小テスト
以下のうち、記事内容と一致するものを1つ選んで、クリックをしてください。


【正解】2:お客様が抱く、購入時点での高揚感を思い出してもらうためには、プリンターを活用するのも良い手になることがある。

POSシステムの機能や導入に関するご相談は
お気軽にお問い合わせください。

フォームからお問い合わせ お問い合わせフォームへ

お電話でお問い合わせ電話受付: 平日 9:30 - 18:30 03-6432-0346