店舗運営のAtoZ全31回

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Lesson1 基礎編

1店長の5大職務 ~運営責任者である店長がこなすべき仕事~未学習

ここで学ぶ概要

この講座は約7分で読めます

店舗運営の帰すうを握る店長の仕事は大変で、その業務内容次第で店のミライは、大きく変わってしまいます。
当ミライ塾では、講義の第1回目として、店長がこなすべき仕事の中でも特に重要な「5大職務」について、以下の項に分けて解説をいたします。

  • はじめに
  • 店長がなすべき5つの職務とは?
  1. 適切な人員配置
  2. スタッフの教育
  3. 店舗設備のメンテナンスと管理
  4. 法令とコンプライアンスの遵守
  5. 情報の共有と上部組織への確実な報告
  • まとめ

はじめに~雇われ店長でもやることは同じ~

今回の講義を進めるにあたり、店長と言っても大きく2パターンあることを、まず知っておいていただきましょう。
一方は、経営者が店長を兼ねるいわば「オーナー店長」で、もう一方はオーナーが目を付けたスタッフに、店長としての職務を委託する「雇われ店長」です。

そして、ここで述べていく5つの職務は双方ともに必要となってくるものなので、オーナーとして店を立ち上げる時はもちろんですが、店長候補を見つけて育て上げ、多店舗展開を目指す際にも、今講義の内容は役立ってくるはずです。

1つでも怠ることは許されない!店長がなすべき5つの職務とは?

店長が目指すべきは、自分の店を稼げるお店つまり、「利益が出るお店」に仕上げることです。
そしてそのためには、以下で挙げていく5つの職務すべてを、しっかりとこなす必要があります。

1、人員配置~最も大切になるシフト管理~

店舗運営に不可欠な、スタッフたちの「人員配置」こそが、マネージメントの基本であり最重要となる職務です。
例えると飲食店であれば、

  • 時間帯・・・昼型(麺類や軽食・ファストフード系)or夜型(焼き鳥店・居酒屋・バーなど)
  • 曜日・・・家族向け(ファミレス)orビジネスマンや学生向け(弁当屋・パン屋)
  • 季節柄・・・気温で売れ行きが変化(かき氷・おでん)or影響が少ない商品(ご飯もの)

などによって客足が変わり、いつも同じ人数を配置しておけばいい、というものではありません。

また、流行り廃りからライバル店舗の進出など自店舗周辺の情勢もよく把握して、
「余らない・多すぎない」
スタッフの配置をすることを、店長は常に心がけるべきです。
さらに、勤務表のようなタイムテーブル上の人員配置だけでなく、

  • フロントマンとして接客をするスタッフ
  • キッチンで調理・裏方で作業をするスタッフ
  • 事務処理を主とするスタッフ

などを、それぞれの人員の適正を見抜いたうえで、配置・役割分担をしなければなりません。

【ここをチェック!】~ ワークシェアリング効率化のカギは「教育」~
出勤シフトを作る事は、店舗への客足やスタッフの都合などを把握して人数合わせさえできれば、駆け出しの店長でも十分可能な仕事です。
しかし、店内でのワークシェアリングを効率よくするには、次に説明する「教育」が必須になってきます。

2、スタッフの教育~ただ厳しく鍛えるだけでは逆効果~

適した人材をふさわしい場所に配置するには、どうしても「教育」が必要となってきます。
スタッフの教育には、

  • 学習・・・商品知識などを、「頭」で覚えさせること。
  • 訓練・・・調理技術やマニュアルを繰り返し、「体」に染み込ませること。

があり、どちらにも「向き不向き」が出てきます。
向いてない方の教育を、やみくもに繰り返しても厳しく言えば時間の無駄で、スタッフの特性を見抜く目が店長には必要です。

つまりスタッフ教育は、実は店長の資質が試される場であり、ここでスタッフの特性が見抜ければ、先ほど述べた効率のいいワークシェアリングも可能となってきます。

【ここをチェック!】~ 適時にスタッフへのヒアリングを実施する~

スタッフの特性を見抜くには、長い経験や知識さらに少々の「商売センス」も必要です。
ただ、「手がかり」をお伝えするなら、

  • どんな教科が得意だったか・・・文系は学習、理数系は訓練に向いている場合がある。
  • 部活、趣味など・・・文科系の趣味などがある場合「学習」、ハードなスポーツをしてきた場合は「訓練」に向いていることが多い。
などといった傾向がありますが、ただ業務をさせているだけでは、これらの情報は得られません。
つまり、「教育」と同時にスタッフへの日常的な「ヒアリング」も、店長の重要な業務となります。

3、資産管理~設備の美化で長く有効活用~

店の資産とは、

  • 店舗の外装及び内装
  • 調理具や作業道具など

ですが、要するにこういったものをいつもきれいに掃除をし、修理や買い替えといった余計なコストが出ないようにすることが、この資産管理という職務です。
「店の掃除や環境美化程度の仕事なら、部下やスタッフに任せれば問題ない。」
と考えている方は、もしかしたら店長として失格かもしれません。

確かに、作業的にはスタッフに振り分けることは可能ですが、誰よりも真っ先に店内の美化に努めなければならないのは店長です。
気持ちの良い清潔な空間で、食事や買い物等々を楽しんでもらえるようにすることこそ、最も大切な「お客様」という資産を保持する、店長の大切な職務となります。

【ここをチェック!】~ 自らの姿勢でスタッフの意識改革を図る~
オーナーが店長の場合、自らの懐を割いた大切なお店ですから、資産管理について強く意識をしているケースも多くなります。
ただし、スタッフばかりに清掃作業を押し付けてばかりいると、作業がおざなりで義務的となり、他の業務を行う「士気」まで低下してきます。
口ばかりではなく、自らの姿勢でスタッフもおのずと環境美化への意識が高まってくるよう、店長は常に心がけるべきです。

4、法令とコンプライアンスの遵守~怠ると致命傷になることもある~

この法令遵守業務については、

  • 店舗内部・・・労働基準法、採用時決定した労働条件。

に分けることができます。

店長には、内部に対してきちんと法令にのっとった、過剰労働がない労働環境を維持することを、まず求められます。
これには最初に述べた、人員管理業務も大きく関わってきますが、スタッフの体調などを日々観察し、適切にシフト調整をしていくことも大切です。

一方、店舗外部に対する法令の遵守は、店長自身だけでなくスタッフすべてに「周知徹底」をすることが必要です。
いずれにせよ、この法令遵守という職務を怠った場合、店舗や運営企業に大損害が生じ、最悪経営破たんにつながる恐れもあります。

【ここをチェック!】~ パワハラととられかねない行為・態度に注意~
近年、上司などからの「パワーハラスメント」が社会問題化していますが、店長も店の権力者としてパワハラについて、常に注意を払う必要があります。
内部への法令遵守と併せて、細かいスタッフへの心配りを忘れず、間違っても威圧的な態度を取り過ぎないようにしましょう。

情報の共有と上部組織への確実な報告~トップダウンだけではダメ~

ビジネスマンや、社会人の心得としてよく取り上げられる「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」も、店長が行うべき業務の1つです。
まず、雇われ店長の場合はオーナーへ、

  • 売上成績や利益
  • 発生したトラブルや損害
  • その他店舗運営上の懸案事項

など、店舗で起こったすべての案件について、正確な「報連相」をする義務があります。

一方オーナー店長あっても、フランチャイズ契約などで出店している場合は、本部への期日を守った「業務成績報告書」などの提出が必要です。
また店長は、オーナーや本部から受けた「連絡・指示」や自らの経営方針などを、自店舗スタッフとも共有しなければなりません。

【ここをチェック!】~ パイプ役・潤滑剤として役目も必要~
連絡事項や運営方針を、スタッフと共有する際注意したいのが、上から指示だけを投げ下ろす、「トップダウン方式」に偏り過ぎないことです。
もちろん、正確でタイミングの良い業務の指示は必要ですが、スタッフから上がってくる意見にも耳を傾け、良い意見があれば積極的に取り入れる柔軟性も、時に店長には必要となってきます。

まとめ

店長は、各スタッフが行う仕事をそつなくこなす必要もありますが、今回紹介した5大業務ができていない事には、健全な店舗経営が成り立ちません。
むしろ、今回紹介した5大業務さえしっかりと行っていれば、スタッフが予想を上回るパフォーマンスを発揮して、多くの利益が生まれる店へと導いてくれることもあります。

ここがまとめポイント!

  • マネージメントの基本は人員配置
  • 特性に合ったスタッフの教育が不可欠
  • 資産管理は店長自ら積極的に行う
  • 法令遵守は内外ともに気を配る
  • ホウレンソウは確実に行い、下からの意見にも柔軟性を持つ
小テスト
次のうち、効率の良い人員配置に必要となる、「スタッフ特性」を見抜くために役立つと紹介したものをクリックしてください。


【正解】3:ヒヤリング

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