店舗運営のAtoZ全31回

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Lesson5 店舗のICT活用編

25顧客情報管理の概要とSFAとの関連性について未学習

ここで学ぶ概要

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会員証・メンバーカードの作成や、アンケートの実施による顧客情報の入手とその管理は、店舗運営において顧客の囲い込みと、リピーター獲得につながっていく、重要な業務の1つです。

そして、ICTツールを活用し顧客情報管理を「システム化」することで、より有効なデータとして、その利用価値をアップさせることができます。

「店舗のICT活用編」ラストとなる今回は、顧客情報管理とはどういったことを進めるべきなのか、またそれをシステム化する方法、併せて運用すると高い効果が望める「SFA」との関連性について、以下の項目に沿って解説いたします。

  • 顧客情報管理とは
  1. 「CRMシステム」の構築
  2. 「CRMシステム」と「SFA」の関連性
  • まとめ

顧客情報管理とは

まず、基本的なことですが、顧客情報とは

  • 氏名・住所・連絡先
  • 年齢・性別
  • 家族構成
  • 来店頻度・購入履歴

などといった、お客様の個人情報のことです。

そして、得られた情報が詳細になり、店舗のICT上で蓄えられたデータ量が増えるほど、売上アップを目指したマーケティング戦略に、生かしやすくなります。

1、「CRMシステム」の構築

顧客情報をただ見ているだけでは効果が薄く、

  • 顧客の優良性による分類・・・来店頻度や客単価を元に、顧客を数段階でランク分けすることで、効果的なクロスセル・アップセル目指す。
  • 分類した顧客情報の可視化・・・パソコンソフトを活用し、顧客ランクの分布一覧表やグラフを作成、「見える化」を進める。
  • スタッフとの情報共有・・・プリンターでプリントアウトしたものを配布したり、携帯モバイルに転送したりすることで、分類された顧客データを共有する。
  • 顧客満足度に合わせたアウトプット・・・アンケート結果の入力データを分析し、見込み客をピックアップして、DMやイベント告知などの効率化を図る。

など、顧客情報管理を「システム化」して、いつでも誰でも販売戦略の参考にできる体制を整えなければなりません。

こういった、顧客情報管理のシステム化を複合的にサポートするICT活用法を、「CRM(顧客関係管理)」と呼び、構築した顧客管理システムを「CRMシステム」と言います。

少子化が進み、顧客の絶対量が減少している現在のビジネスシーンにおいて、顧客の囲い込みや客単価の向上、さらにリピーターや新規顧客の創生につながるこのCRMシステムへの注目度は高く、導入する企業も増加しています。

【ここがポイント!】
~最初は既存顧客の情報入手からスタート~
顧客情報が濃密になるほど、有効なCRMシステムを構築することができるものの、詳細な個人情報を提供することに、強い抵抗を感じるお客様はたくさんおられます。

新規顧客に対して、いきなり詳細な個人情報提供を求めると、嫌悪感を抱かれることもあり、そうなると店への足が遠のいてしまう可能性があります。

また、見込顧客を新規顧客として獲得するのは、既存顧客を維持・育てていくより、数倍の経費がかかってしまうものです。

ですので、情報を入手しやすい既存顧客から、CRMシステムの構築は始めていくのがおすすめです。

既存顧客情報管理のシステム化が実現すれば、そのニーズに合致した製品・サービスを提供することで顧客満足度が高まっていき、徐々に優良顧客へと育って店舗の売上安定につながっていきます。

そして、その運用状況を見ながら徐々に見込み客の引き上げや、新規顧客のリピーター化にまですそ野を広げるという手順を踏んで、CRMシステムは発展させていくと良いでしょう。

2、「CRMシステム」と「SFA」の関連性

ICTを活用して、可視化・共有されたCRM システムを構築できても、それを販売実績向上につなげるにはもう1つ、導入を検討すると良い「SFA(営業支援システム)」というシステムがあります

SFAは、販売力強化や営業活動の効率化を目的とするシステムで、CRMシステムで管理する顧客情報を中核として、

  • スタッフ別の販売、営業実績・・・スタッフの目標達成への自覚を促し、モチベーションを維持させることが目的。
  • ToDoの管理・・・やるべき業務、忘れてはいけない業務などを共有することにより、店舗としての運営方針統一を図る。
  • 顧客と担当者との関係性・・・親密度によって顧客を分類することで、リピーター候補のピックアップと、それに合わせたアプローチ方法を決める。

などを可視化することができるため、効果的な販売・営業活動を進めていくことが可能です。

また、販売・営業活動に伴う見積書・請求書作成と発行や、日報管理機能を営業支援として併せてシステム化できれば、店舗全体の業務効率が飛躍的に上昇します。

しかし、パソコンなどの一般的なICTツールの活用だけで、SFAを構築するのは難しく、専門的な知識も必要になります。

ICTビジネスにおいては、SFA構築に必要なハードウェアやソフトウェア、さらに運用法のアドバイスを提供する企業も多く、そのようなソリューションサービスを利用すれば、1店舗単位でもSFAを運用することができます。

ただし、CRMシステムを伴わないSFA単独の導入では、その威力を最大限に発揮することはできないため、CRM システムの構築と運用が前提となってきます。

【ここがポイント!】
~ICTツールの一本化がカギ~
一般的な販売・営業情報管理方法は、

  • スケジュール管理はグループウェアや社内SNS
  • 業務報告・管理はメール・電話
  • 顧客情報管理はエクセル・スプレッドシート

などといった具合に、活用するICTツールが分散されていることが多くなってきます。
そのため、それぞれを連動させるには改めてデータを引っ張り出して、パソコンなどでの管理と再分析をしなければなりません。

その点SFAの場合、各データの入力もアウトプットも、1つのシステムで賄うことができるため、シンプルな作業で多方面に活用できる可視化されたデータを、スムーズに入手することができるのです。

まとめ

顧客情報管理システムであるCRMシステムの構築と、それを有効に運用するためのSFAソリューションの導入には、決して安くない初期コストが発生します。

しかし、一度運用が軌道に乗れば優良顧客の獲得や新規顧客の創生はもちろん、満足度アップによる顧客流出防止にも役立つため、店舗運営が長期間にわたって安定してきます。

今回で、全8回にわたった「店舗のICT活用編」も終了となりますが、店舗におけるICT活用シーンは時代の流れとともに、どんどん広がってきています。

自分の店舗では、どのICTツールを活用し、どんなシステムを構築すべきなのかを決める手掛かりとして、参考にしていただけると幸いです。

ここがまとめポイント!

  • CRMとは、顧客情報管理のシステム化をスムーズにできる、ICTの総称である。
  • CRMシステムの構築と、ともにその運用を効率化するSFAの導入も検討すべき。
  • SFAの構築は専門知識も必要なため、ソリューション提供をしている外部企業への委託もアリ。
  • SFAの導入により、顧客情報を管理するICTの一本化ができるため、大幅な業務の効率化を期待できる。
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【正解】2:CRMシステムの構築と併せて、SFAの導入をすることにより、さらに店舗業務の効率化や販売・営業力のアップを望むことができる。

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