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ネットでよく見かけるEIPという単語の主な2つの意味とは

IT関連の知識やシステムが普及するにつれて、略称ばかりで意味のわからない単語を見かけることも増えてきました。中には全く異なる意味同士であるのにもかかわらず、同じ略称が当てはまるせいで言葉の意味が間違って流布されてしまったり、正しい意味が相手に伝わらなかったりするといった混乱もおこってしまっています。

EIPもそんな単語の1つで、ネットで意味を検索してもそれぞれ異なる意味合いのEIPの説明が出て来てしまい、調べる側にとっては文脈と照らし合わせながら意味を理解する必要があるため手間がかかります。とっさに意味を調べている人にとっては紛らわしいことこの上ありません。

今回はそんなEIPという言葉に注目し、よくIT関連の場で使われている2つの主な意味について改めて整理していきたいと思います。

  • 企業内情報ポータルという意味でのEIP
  • IPアドレスの一種であるEIP
  • 仮想サーバーの導入を考えている人は覚えておきたいAWSとEIP

企業内情報ポータルとしてのEIP

EIPの意味としてまずあげられるのが、Enterprise Information Portal、つまり企業内情報ポータルとしてのEIPです。CP(Corporate Portal)やEP(Enterprise Portal)と呼ばれるこのサービスは、その名の通り自社専用のポータルサイトのことを指しています。

社内コミュニケーションの入り口に

ポータルサイトというのはYahooやGoogleのようなインターネット利用者にとっての入り口となるwebサイトのことを指しており、情報が集約されている場所に入るための第一歩というのがポータルサイトのイメージです。

多機能ポータルサイトとしてのEIP

企業内ポータルサイトも同様で、例えば社内用のチャットルームやメール機能、SNSといった連絡手段から、ToDoリストにスケジュール表など、社内で共有しておきたいことを記しておく際に利用します。また社内外のニュースもポータルサイトから入手できるようにすることで、情報のインプットに幅を持たせるという取り組みもよく見られます。内輪で使用できるサービスを用意することで、社内のコミュニケーションの活性化や情報共有の迅速化といったメリットを得られ、円滑な業務の遂行を促すことができるようになるのです。

最近では「チャットワーク」や「Slack」など社内コミュニケーション用の情報共有ツールも増えてきたため、必要な業務連絡や情報共有はこういったサービスを利用することで、スムーズに行えるようになってきたという事例も多く見られます。

企業内情報ポータルという意味でのEIPの概要はこのような形になりますが、もう一つ最近では全く異なった意味のEIPもよく見かけます。それはElastic IPという、Amazon Web Services(AWS)の文脈で用いられるEIPです。

EIPとAWS

Elastic IPを理解するためには、まずはAWSがどのようなサービスであるかを理解するところから始める必要があります。

AWSについて

AWSはAmazonが提供しているクラウドコンピューティングサービスのことを指しています。クラウドコンピューティングとは、アプリケーションやサーバーの運営者がそのサービスをインターネットを介して第三者に提供することで、受け手が自分の所有するデバイスにソフトウェアをインストールしたり、自前でサーバーを用意しなくともサービスを利用できる仕組みのことを言いますが、Amazonもまたこういったサービスを展開しており、AWSはAmazonの提供するクラウドコンピューティングサービスの総称です。

サービス内容としてはストレージ機能やデータベース機能、アカウント管理機能といったビジネス向けのサービスが一般的で、その中の1つにAmazon Elastic Compute Cloud、通称EC2と呼ばれる商用ウェブサービスがあります。これはいわゆる仮想サーバーを提供するサービスの1つで、Amazonの提供する計算リソースを「インスタンス」と名付けられ、個別に分けられた仮想マシンを介してサービス利用者は使うことができ、必要に応じたスペックのものを自社の計算リソースとして使用することができるというものです。サービスの開始は2006年と比較的歴史は長く、当時からAmazonは有り余ったハードウェアのリソースを他者に販売するという考え方を持っていた企業だということがわかります。

サーバーの増設を自社で行おうとすれば設置コストは決して安いものではなく、コストに見合うだけの結果を生み出せるとは限りません。仮想サーバーや仮想マシンという考え方は新しくサーバーを増設するのではなく、既存のサーバーの余力を活用して他のサーバーの仕事の手助けをしてやるというもので、EC2はこれをクラウドサービスとして自社サーバーのリソースを提供しているというわけです。

基本無料のEC2

EC2は基本的に無料で利用することができ、使用量に応じて少しづつ課金していく従量制であるため、無駄のないサーバーの運用を行うことができるようになります。AWSに登録して、EC2を始めた当初は無料利用枠が設けられ、最初から課金されるわけではありません。無料利用枠を超えて初めて課金されるようになるのですが、料金は一律ではなくオンデマンド、スポットインスタンス、リザーブドインスタンス、Dedicated Hostの4つのサービスに応じて変化します。ユーザーのニーズに応じて、異なるサービスと料金プランが用意されています。

Elastic IPとしてのEIP

Elastic IPアドレスは、AWSに登録したアカウントに紐つけされるIPアドレスです。IPアドレスは基本的にパブリックIPアドレスとプライベートIPアドレスの2つに分けることができ、パブリックIPアドレスはインターネットを通じて機器を利用する際に割り当てられるアドレスで、最もポピュラーなIPアドレスと言えます。
一方のプライベートIPアドレスはインターネットではなくローカルのネットワークでのみ割り当てられるIPアドレスで、インターネットからは遮断されたIPです。

パブリックIPもプライベートIPもサーバーを再起動すると変更されてしまうという特性を持っているのですが、このElastic IPはサーバーを再起動しても同じIPアドレスを割り当てることができる性質を持っています。

固定できるIPアドレスの重要性

なぜこれが重要なのかというと、先ほども説明したように、Amazonが提供しているのは小分けにされたインスタンスと呼ばれる仮想マシンで、毎回使用するたびに異なるサーバーを利用することになります。利用者にとって毎度違うIPアドレスでサーバーを利用するということは、毎回異なる住所でサーバーを動かすことになるというわけですから、その度に設定をいじらなければならないという不具合も考えられるわけです。そこでElastic IPを利用し、IPアドレスを固定することで、インスタンスを何度利用しても同じアドレスでEC2を利用することができるようになり、IP周りでのトラブルを回避することにつなげることができます。

ちなみにElastic IPでアドレスを固定することによる料金は基本的に発生しません。ただし現在実行中のインスタンス1つにつき1つのElastic IPが無料ということですので、インスタンスを複数動かした上で、それぞれが関連づけられていない場合にはわずかに料金が課金されてしまう点には注意しておいた方が良いでしょう。

仮想マシンをクラウドコンピューティングで利用する際には、基本的にこのようなIP周りでの面倒な手間がかかることは少ないのですが、Amazonのサービスを利用する場合にはEIPの設定が必要になるということは覚えておくと良いでしょう。

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