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見える化と可視化の違いとは?メリット・始め方について

店舗運営者は、つねに店舗の数字を見て行動しています。しかし、その数字は店舗の従業員にも共有できているでしょうか?

ビジネスでは、“見える化”や“可視化”という言葉が使われます。これらをうまく導入することで、店舗はさらに成長できるのです。

店舗運営をよりよくするために、見える化と可視化の基本的な考え方やメリット、導入する方法についてご紹介します。

【目次】

「見える化」と「可視化」は実は違う

見える化とは

「見える化」と「可視化」は同義語として使われることもありますが、店舗運営やビジネスでは異なる意味を持ちます。

「見える化」は売上や来客数といった店舗運営で必要なデータを、常に見えるようにしておくことを指します。そして、見える化されたデータは人を行動へと導きます。

見える化はもともと、トヨタ自動車で2000年以前に生まれた言葉です。生産ラインでトラブルがあったときにランプが点滅することで、周囲の作業者がすぐ異常に気付けるという工夫をしていました。

生産現場で生まれた「見える化」という言葉は、今では店舗や企業など多くのビジネスの場で導入されています。

見える化の主な効果としては、店舗の情報共有がスムーズにできたり、レジやオーダーの混雑といった店内の異常に気付きやすかったりすることが挙げられます。

可視化とは

一方で「可視化」は、「本来目で見えないものを見えるようにする」という意味があります。店舗でいえば、お客様のニーズや従業員のモチベーションなど、店舗運営者が知っておくべきデータが挙げられます。

可視化された情報は見える化のように常に表示するものではなく、知りたい時だけ見て利用します。

混在しているため分かりにくい状態に

現在は「見える化」と「可視化」という言葉が混在している状態です。しかし傾向でいうと、ビジネスの現場では「見える化」がよく使われ、それ以外では「可視化」がよく使われているようです。

これは見える化という言葉がトヨタ自動車で生まれた言葉であり、工場や企業といったビジネスの場で、トヨタ式生産方式が意識されている結果といえます。

「見える化」による店舗のメリット

店舗運営で必要な情報をチームで共有できる

おなじ店舗で働いていても、雇用形態や仕事内容に違いがあります。仕事内容が違えば、お客様の反応や在庫の変動など、その業務をしないとわからない情報があるものです。そしてその情報は、多くのスタッフが持っています。

スタッフがそれぞれ持っている情報こそ、店舗の成長に必要なケースもあります。しかし店舗内が忙しくコミュニケーションが薄くなっていると、些細な情報は共有できません。

たとえば従業員が持っている在庫情報を見える化すれば、受発注を行っていないスタッフも倉庫の状況を理解できます。見える化による情報共有は、従業員のレベルアップにもつながるのです。

自然と数字の意識ができる

前述の通り、見える化は人を行動へと移す目的があります。店舗で生まれる数字がすぐ見れる状態になったことで、店舗のスタッフ全員が状況を把握できます。何らかの異常なデータが見える化されると、従業員としては「改善しなければ」という思考を持つでしょう。

見える化の大きなメリットは、「目標を達成するために、組織に何が必要か」という点に気づけることです。

たとえば店舗の売り上げ目標と最新の売上情報を見える化すれば、今足りない金額がわかりますよね。つまり従業員にとっては、達成すべき数字が見えるのでモチベーションアップにつながります。

店舗は複数の従業員で運営しますが、毎月の売り上げ目標を意識していないスタッフがいるかもしれません。パートタイマーやアルバイトスタッフに、毎月の売上を詳細に共有していないケースもあるでしょう。

「可視化」による店舗のメリット

サービスの品質が安定する

店舗の運営で可視化できるものの1つに、特定の人しかできない業務があります。属人化ともいいますが、その人がいないとできない仕事があるというのは店舗にとってリスクです。

どの業務も手順書を作るなどで可視化すれば、標準化できます。つまり店舗で退職者が出たり異動があったりしたときも、影響が出にくく、サービスの品質が安定します。

また、可視化すると手順が明確になります。今まで業務を行っていた人も、手順に無駄はないかなど俯瞰して見られるでしょう。

属人化しやすい受発注をシステム化

属人化しやすい業務の1つに、材料の受発注があります。運営者や勤務年数の長い人が担当しているケースが多いですが、受発注業務はシステム化するのがおすすめです。

日本はIT化が進んでいるといわれていますが、飲食店のおよそ60%がいまだにFAXで受発注しています。FAXでは在庫数が可視化できず、管理しにくいデメリットがあります。卸業者側も、FAXを卒業してシステム化したいという企業が増えているのです。

在庫管理を可視化すれば、効率よく材料を発注できます。無駄のない発注で生産性を上げれば、店舗の利益も上がっていきますね。

顧客のニーズがわかる

商品やサービスを提供する企業にとって、重視したいのは顧客のニーズです。いくらこだわって商品やサービスを作っても、ニーズがなければ売れることはありません。

データを可視化すれば、顧客が何をもとめているか?というニーズが把握できます。

たとえば注文があったメニューを可視化すれば、どの季節にどんなメニューが売れているかがわかりますよね。POSレジのデータを使えば、季節ごとの売れ筋メニューの分析もできるでしょう。

さらに詳細にPOSレジデータを調べていけば、以下の特徴を持つメニューも明確にわかります。

  • 利益は少ないが通年売れるメニュー
  • 在庫が余りやすい、または不足しやすいメニュー
  • セットでよく注文されるメニュー

このように可視化されたデータを集めれば、これからの店舗運営がより効率的になるのです。

店舗で使える!情報の見える化・可視化のはじめかた

まずは店舗の目指す姿を決める

見える化や可視化をはじめるためには、まず目標設定からはじめます。店舗の課題をあぶり出して、その課題を解決するにはどうすべきかを考えるのです。

たとえば店舗が混雑した時の運営がうまくいかず、「注文を聞きに来るのが遅い」「料理が全然出てこない」というクレームが多数発生したとします。

このとき、「クレームを減らす」「もっとテキパキ動く」というあいまいな目標設定ではいけません。「1カ月当たり40%減らす」「オーダーを伺う時間は3分以内」など、具体的な数字で目標を立てましょう。

店舗運営では、集客も課題になります。この場合も「もっと集客に力を入れる」などではなく、「去年の同月に比べて20%増やす」など具体的に決めていきます。

目標を達成するために必要な情報をピックアップ

店舗での目標を決めたら、その目標を達成するために見える化すべき情報を洗い出します。「オーダーが遅い」というクレームを減らしたいなら、まずは1か月で何件ほどクレームが発生しているのかを見える化しましょう。

見える化のポイントは、意識しなくても目に飛び込んでくるようにしておくことです。従業員全員が目にする場所を探し、見える化すべきデータを掲示します。

クレームが発生した日時も見える化しておけば、ランチの時間に多発しているといった傾向がつかめますよ。

オーダーを取る時間は1組あたり3分と決めたなら、3分を超えてしまった場合の原因を考察。実際にオーダーを取ったスタッフにも、どこで手間取ったか?運営方法を変更したほうがいいのか?といったヒアリングを行いましょう。

上記のように、目標を達成するために必要な情報を見える化していきます。

「その人しかできない業務」を見える化する

特定の人しかその業務ができない属人化された業務は、まずフローを見える化します。この場合の見える化は、マニュアルを作るイメージでよいでしょう。

業務が属人化する原因には、「教えるのに時間がかかる」「大した業務ではないから、1人できれば十分」という考えもあるでしょう。しかし店舗を成長させるためには、人材育成が欠かせません。

店舗運営でシステム化を導入するメリットとして、サービスや品質の安定が挙げられます。システム化すると属人的な業務が減り、標準化される業務が増えます。だからこそ店舗を効率よく運営できるのです。

とくに飲食店では近隣店舗との価格競争に巻き込まれ、利益が少ない店舗が増えています。しっかり利益を出して店舗を存続させるには、ITを取り入れて生産性を上げることが重要なのです。

たとえば大手外食チェーンすかいらーくでは、ツールを使ってスマートフォン学習ができるマニュアルを導入しました。外国語マニュアルも導入しているため、海外国籍の従業員にも学びやすくなっています。その結果、今では10万人のアルバイトスタッフの自学自習を支えているのです。

参照:Teach me Biz 「Teachme Bizは10万人のアルバイトの強い味方」
https://biz.teachme.jp/casestudy/skylark/

「見える化」を行う時の注意点

すべての情報を見える化しようとしない

店舗運営では、売上や来客人数、問合せなど意識すべき数字は多くあります。

一度見える化を意識すると、店舗に関わる多くのデータが見える化の対象に見えるかもしれません。しかし、あまりに多くのデータを見える化してしまうと大事な数字がかすんでしまい、従業員は見える化した情報を意識しなくなります。

だからこそ、見える化の前に目標を立てることが大事なのです。見える化は、店舗で決めた目標達成に必要なデータだけに絞りましょう。

また、営業スタッフの売上をグラフ形式で事務所に掲示するのも見える化の1つです。

全営業スタッフの成績(売上)を見える化すれば、売上上位のスタッフにはモチベーションアップになります。しかし売上下位のスタッフにとっては嬉しい事ではなく、モチベーションの低下につながる可能性もあります。

店舗運営者は、見える化するデータが従業員に心理的負担を与えていないか留意しましょう。従業員にプレッシャーを与える見える化は、モチベーションの低下になりかねません。

見える化するデータはなるべく最新のものにする

店舗でありがちなのが、見える化を導入したのにデータが古いというケースです。見える化は、店舗の“今の状態”を全員が素早く共有することで効果を発揮します。

だから、先月の売上目標が掲示されたまま・いつのデータが見える化されているかわからないという状態は避けましょう。従業員が見える化を意識しなくなり、効果が現れません。

店舗内で見える化するデータは、担当を決めてメンテナンスするのがおすすめです。常に最新の状態にしておくことで、従業員も店舗の状態がすぐに把握できます。

店舗のデータ可視化におすすめのITサービス2選

「人の動きの見える化ソリューション」でお客様の行動を見える化

「お客様は店舗内でどんな風に動いているんだろう?」と興味がある運営者におすすめなのが、人の動きの見える化ソリューションというサービスです。

店舗の出入り口に人数カウント用と属性を推定するカメラセンサーをそれぞれ配置して、お客様の動きを“見える化”します。

  • お客様の年齢や属性は?
  • どんなディスプレイに興味を持っているのか?
  • レジに向かうまで、どんな順番で商品を手に取るのか?

という情報を見える化して、店舗運営の改善に活かすという手法です。店舗内でのお客様の行動は気になるものの、従業員が凝視すると、お客様にプレッシャーや不快感を与えるのでできません。

そんな時こそ、ITやシステムを導入することで効果的な情報を得られるのです。

参照:「人の動きの見える化ソリューション」
http://www4.kke.co.jp/keisoku/measurement/index.html

アレルギー成分が見える化できる「NUTS.」

情報を見える化してほしいという要望は、お客様側にもあります。近年では食品アレルギーへの意識が高まり、店舗内でお客様から「卵は入っていますか?」といった質問をされるケースも増えていることと思います。

容器に包装された加工食品以外は、アレルギー食品について表示義務はありません。しかしお客様に安心感を持ってもらうため、飲食店でもアレルギー食品について明記している店舗は増加しています。

スマートフォンアプリNUTS.は、飲食店での栄養成分を見える化してくれます。飲食店オーナーは、NUTS.SHOPという別のアプリケーションからレシピを登録します。登録後はお客様側のアプリから栄養や食材が確認できるので、お客様はアレルギー食品を心配せずに飲食できるというわけです。

お客様はアプリ上から店舗を探せるので、プロモーション効果も期待できるでしょう。

店舗向けサイトNUTS SHOP
https://nuts-app.com/shop/

まとめ

店舗運営では、運営者が中心となったチームワークが必要です。見える化や可視化は従業員全員がスムーズに店舗の状況を把握し、とるべき行動がわかる画期的なシステム。運営者は積極的に導入することをおすすめします。

見える化も可視化も、システムを導入してIT化を進めることが第一歩となります。店舗の利益率をきちんと確保するためにも、IT化を進めて生産性を上げていきましょう。

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