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NTTと東急ハンズ、次世代2次元コード実験へ:コードの進化と今後

NTTは、東京ハンズと提携して商品情報登録からマップを作成する実証実験を開始しました。
この実験に使われているのは、次世代2次元コードと呼ばれるカラーで構成されたコードです。次世代2次元コードは接写しなくてもスマホで読み取り可能。球面にも設置できるため、TVやデジタル広告分野での活用も期待されています。

この記事では、まず次世代2次元コードの概要について紹介し、バーコードやQRコード、RFIDタグといったコードの特徴をおさらいします。
その上で次世代2次元コードの実証実験や業務提携といった具体的なトピックについてみていきたいと思います。

目次:

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次世代2次元コードとは

次世代2次元コードは、白黒のQRコードではなく、カラーで構成されたコードです。平面や正面にこだわらなくても読み取り可能で、コードの検出範囲が広いことから接写の必要がありません。そのため、球面や曲面に配置することも可能。また、TVや屋外デジタル広告などでの活用にも可能性が広がります。

白黒ではなく、豊富なカラーで任意のデザインを構築できることもポイント。これまでのQRコードは、バーコードのような無機質な印象で、どのような情報にアクセスするコードなのかが分かりにくいのがネックでした。しかし、次世代2次元コードはカラーを使った意匠が可能なので、企業ロゴやブランドマークなどをデザインすることによって、よりアクセスしやすいコードを構築することができます。

コードまとめ(1次元/2次元/3次元)

平面につけられた読み取りコードには、バーコード、QRコード、RFIDの3種類があります。
バーコードは1次元コード、QRコードは2次元コード、RFIDは3次元コードと呼ばれ、それぞれできることやメリット、デメリットが異なります。
次世代のコードについて具体的に解説する前に、ざっとそれぞれのまとめを見ていきたいと思います。

1次元コード:バーコード

市場に流通している商品には必ずといっていいほどついているバーコード。日本ではJANコードといい、世界ではEANコードといいます。8桁か13桁で構成され、商品のメーカーや詳細情報が組み込まれています。
バーコードは、0~9までの数字を白・黒のストライプパターンに変換しています。このストライプの連続が、コンピュータにとってはモールス信号のような情報になり、数字を認識します。1974年にフルーツガムの商品に用いられ、そこから世界各国に広がっていきました。

バーコードのメリット

商品情報登録の時短化と、作業効率の向上がバーコードのメリットです。
手作業で商品の詳細を記載するのと比べ、手間と時間が削減されます。

バーコードのデメリット

水平方向(横方向)のみで情報を書き込むため、記録できるデータ量が少ないのがバーコードのデメリットです。
なお、読み出し専門で書き換えはできません。
また、バーコード面が汚れたりかすれたりすると、スキャナで読み取れないという劣化の問題もあります。そのためバーコードの上からテープを貼られると、バーコードの情報を手入力しなければならない場合もあります。

2次元コード:QRコード

QRコードは、縦横方向に黒いドットを配置することによって、バーコードの約100倍という多くの情報を記録できるようにしたコードです。
記録量が増えたため、0~9の数字だけでなく漢字も含めた文字をコード化できるようになりました。
QRコードは決済にも用いられており、2019年10月から一気に身近になったという人も多いでしょう。
近年では、初期に作られたQRコード以外に、小さなスペースへの印字が可能な「マイクロQRコード」、長方形や白黒反転といったデザインが生成可能な「iQRコード」、読み取り制限機能をつけられる「SQRC」、コードの中央にロゴやマークを入れられるキャンバス領域を設けた「フレームQR」などさまざまなバリエーションが存在します。

QRコードのメリット

1次元コードであるバーコードと比較した場合に、省スペースでより多くの情報を書き込めることがメリットです。
またコードが破損したり一部が汚れによって読み取れなくなった場合でも、読み込んだデータを元どおりに復元できるという機能があります。これにより、バーコードよりも劣化に対して強いコードといえます。

QRコードのデメリット

バーコードと同様、情報の書き換えができないことがデメリットです。
また記載された情報量が多すぎた場合、読み取り情報をスキャナ画面にすべて表示できないという難点もあります。
以前は、3次元コードのように複数読み取りができないことがデメリットとされていましたが、次世代の2次元コードは複数読み取りができるようになり利便性が向上しています。

3次元コード:RFID

RFIDタグは、「Radio-Frequency Identification」の略で、無線を使って情報を送信する仕組みになっています。
バーコードやQRコードは、目視してコードにスキャナをかざす必要があったのに対し、RFIDはタグにスキャナを近づけるだけで読み込みが可能です。そのため、箱の内部など視認できない場所にタグを貼っても問題なく機能します。物流や在庫管理の強い味方として、業務効率化のために導入されているコードです。

RFIDのメリット

RFIDタグはスキャナを近づけるだけで複数のタグを一気に読み取ることが可能です。
また、1次元コード、2次元コードと比較すると非常に小さなサイズで運用できるのもメリットです。

RFIDのデメリット

RFIDタグは、バーコードやQRコードと比較すると運用コストが高額というデメリットがあります。

コードに優劣はない、適材適所での使い分けが◎

平面のコードは、1次元、2次元、3次元と進化し、記録できる情報量を格段にアップさせてきました。しかし、少ない情報量しか記録できないからといって、バーコードがRFIDタグに劣るということではありません。
また、種類豊富なQRコードや、小型化に成功したRFIDタグが万能というわけでもありません。

大切なのは、これらコードの特性を理解し、適切な場所で使い分けることです。RFIDタグは便利な分、ほかの2つのコードと比べて導入や運用コストが高いので、どの業態でも使いこなせるわけではありません。一方で、RFIDタグを導入した方が結果的に省人化や効率化につながり、業績がアップする企業もあるでしょう。
ではいよいよ、進化したQRコード、つまり次世代の2次元コードについての実例や、おこなわれている実証実験についてご紹介します。

次世代2次元コード:複数読み取り可能なFullScanCode

共同印刷による新しい2次元コード「FullScanCode(フルスキャンコード)」は、複数のコードを一括読み取りできるコードです。
向きが不揃いでもそれぞれのコードを的確に認識できるという特性があり、これまでのQRコードと同様に一部が汚れていても認識が可能です。

・共同印刷株式会社「FullScanCode」
https://www.kyodoprinting.co.jp/products/scan/fullscancode.html

次世代2次元コード:自然光を色分解してコード化したロゴQ

LogoQnetのフルカラーコード「ロゴQ」は、自然光を色分解してコード生成することによって、視認性を担保し、複製や偽造を検知することができる次世代のコードです。
複雑な色構成によって、白黒で生成されたコードよりも偽造が格段に難しくなり、セキュリティの確保に大きな役割を果たします。
また、「ロゴQ」には見た目は同じでも情報が異なるコード、いわゆるユニークコードを高速で無制限に自動生成できるという特徴があります。ブランドロゴやキャラクターをコードに描き出すことができるので、プロモーションツールとしても期待できます。

https://logoq.net/logoq/index.php

NTTデータと東急ハンズ、次世代2次元コードの実証実験

NTTデータは、スペインのNavilens社(ナビレンズ)のコンピューター・ビジョン・次世代2次元コード技術を利用した実証実験をおこなっています。
実験の場は、東急ハンズ。商品の棚札と棚に貼り付けられたコードを、スマホなどのモバイル端末で読み込むことで商品マップを作成します。

東急ハンズは頻繁に売り場のレイアウトを変更するため、訪れた消費者が目当ての商品を見つけられず、退店してしまうという問題がありました。また元々の商品数が多いことから、レイアウトが変わると従業員も商品を探すのに時間がかかってしまいます。

次世代2次元コードの実証実験は、こうした問題を解決する目的で実施されます。実験では、従業員が商品を登録してからマップを作成するまでの作業時間を計測して、実店舗での作業における適用可能性を探ります。

商品登録と商品マップの作成、商品検索という3つのタスクにおける利便性向上、省力化が認められれば、2020年度中に東急ハンズ実店舗へのサービス導入が検討されます。
なおNTTデータは、2023年度末までに小売業100店へのシステム導入を目指すとしています。

理経は2019年に次世代QRコード「FarQR」の提供を開始

2019年11月、株式会社理経は、イスラエルのテルアビブに拠点を置くSodyo社と販売代理契約を締結しました。
Sodyo社は、次世代QRコード「FarQR」ソリューションを用いて、O2O支援プラットフォームサービスを提供している企業です。
ちなみに、O2Oは「Online to Offline」の略で、インターネットを利用して実店舗の顧客接点を促すマーケティング施策のひとつです。

「FarQR」は、

  • 検出範囲がコードサイズの100倍
  • ブランドロゴなどの形状に合わせたデザインが可能
  • 読み取り情報の統計を取得可能

という特徴があります。従来のQRコードは、検出範囲がコードサイズの10倍だったので、格段に検出範囲が広がったのが分かるかと思います。検出範囲が広がったことにより、リビングでソファに座ったままTV画面にスマホを向けてQRコードを読み取る、あるいは街で見かけたデジタル広告にスマホをかざして情報をチェックするといったアクションが可能になります。

また、「FarQR」は任意の形にデザインしたコードを生成することも可能になっており、ブランドロゴやキャラクターをデザインしたQRコードをプロモーションに用いることもできます。

さらに、データとして「いつ」「どこで」「どの端末で」コードを読み取ったかという情報を取得することができ、マーケティング分析や売上管理にそのデータを使うことができるようになっています。

sodyo

2次元コードは読み取りやすさから各分野で活用されている

2次元コードは、スマホで手軽に読み取れることから、チケットやクーポンの発行、利用にも活用されています。
ショップカードやチラシにQRコードを記載しておけば、消費者はスマホで情報を読み取ることができます。また反対に、読み取ったコードから得た情報やページをプリントアウトすることも可能です。
こうした、紙媒体(オフ)とウェブ(オン)を横断できるツールであることが、幅広く利用されるポイントの1つかもしれません。

倉庫の在庫管理、医療現場のカルテと検査情報の紐づけなど、シチュエーションを問わずアイデア次第で便利に使えるのが特徴です。
2019年10月から順次スタートしているキャッシュレス推進キャンペーンにより、QRコードを使ったキャッシュレス決済も増えてきました。キャッシュレス化によってQRコードは一段と身近になり、デザイン性の高い次世代のコードに関しても周知されていくのではないでしょうか。

まとめ

次世代2次元コードは、複数一括読み取り機能によって作業効率化をはかり、デザイン性の高いコード生成で魅力的なプロモーションを展開できるという利点があります。
社内向けに業務を改善できるツールであること、さらに消費者や顧客に向けて利便性の高い体験を提供できるという意味において、今後活用が広がっているソリューションといえるでしょう。

※「QRコード」は(株)デンソーウェーブの登録商標です。

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