飲食店の禁煙化はどうなるか?

飲食店の全面禁煙化(受動喫煙防止)のニュースは、2016年ごろからたびたび話題にのぼっています。厚生労働省は、飲食店などの原則完全禁煙化の原案を固めているところです。
その大きな目的としては、受動喫煙対策強化があります。

その一方で、「飲食店の経営に打撃を与える」として、様々な議論がされています。飲食店を運営しているかたにとって店舗の禁煙化は、お店の今後を決めると言っても過言ではない、重要なニュースではないでしょうか。

飲食店の禁煙化は、愛煙家にとっても、経営者にとっても、頭の痛い悩みになりそうですね。

そこでこの記事では、飲食店を禁煙にする理由から、実際の禁煙化の時期、また禁煙化による売上の変化など、飲食店の禁煙化について詳しく解説していきます。

飲食店を禁煙にする理由は?

そもそも、飲食店を禁煙にするのはなぜなのでしょうか?政府がここまで禁煙化を推し進める理由として、主に以下の3つが考えられます。

  1. WHOからの指摘
  2. 大きな国際大会が控えている
  3. 喫煙率の低下

WHOからの指摘

日本は、受動喫煙の対策において世界から遅れを取っています。2016年にWHO(世界保健機関)が発表したタバコ対策の国別評価では、G7諸国の中でも日本が最も対策がなされていない結果になりました。

それに加えて、今後数年のうちに大きな国際大会が控えていることが、さらに飲食店の禁煙化を後押ししています。

大きな国際大会が控えている

2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されることは、みなさんご存知ですよね?それだけではなく、2019年にはラグビーのワールドカップが、日本で開催されるのです。

これに伴い、世界各国から日本へやってきた人たちが、ファミレスや居酒屋などの飲食店を利用します。そのときに、世界のタバコ対策基準から大きく外れた日本を見せるわけにはいかない、というわけです。

喫煙率の低下

3つ目の理由として、日本人全体で喫煙率が低下していることがあります。厚生労働省の調査によれば、男性の喫煙率は平成に入ってから20%以上減少しており、女性に関して言えば喫煙率は1割にも達していません。

単純に非喫煙者の割合が多くなったため、政府はある意味、非喫煙者を優遇するような政策を推し進めても問題ないというわけでしょう。

飲食店の禁煙化はいつから?

このまま議論が進むと、飲食店は禁煙化されますが、具体的にいつから禁煙化がはじまるのでしょうか?

実は、まだ具体的な時期は決まっていません。しかし、先ほど挙げたオリンピックなどの国際大会よりも前に、飲食店は禁煙化されると考えられます。

  • ラグビーワールドカップ2019日本大会:2019年9月20日~11月2日
  • 東京オリンピック:2020年7月22日~8月9日
  • 東京パラリンピック:2020年8月25日~9月6日

これらの国際大会の日程を考えると、少なくとも2019年に入ったあたりからは、飲食店の禁煙化が進められているでしょう。
飲食店の禁煙化については、まだまだ未確定な部分も多いです。ただ、あと数年で完全に禁煙化されるのではないでしょうか。

飲食店を禁煙したら売上はどうなる?

飲食店を禁煙にする理由としては、以下のようなものがありました。

  1. WHOからの指摘
  2. 大きな国際大会が控えている
  3. 喫煙率の低下

そして実際に飲食店で禁煙が始まる時期としては、ラグビーワールドカップの年である2019年が濃厚であることを説明しました。

ただし、飲食店を経営している側からは「レストランや居酒屋を禁煙にしたら、お店の売上が下がってしまうのではないか」という声も聞こえてきそうですね。禁煙化が地域経済にまで影響を与えるとなれば、その施行は見直す必要があるかもしれません。

禁煙に伴う飲食店の売上については、アルゼンチンやアメリカなどで研究が進んでいます。アルゼンチンでの研究によれば、禁煙規制の厳しい州とそうでない州では、飲食店の売上には目立った差がなかったそうです。あくまで、偶然の範囲で説明できるレベルの差だったとのこと。

また、アメリカの研究では、禁煙規制はレストラン・バーの売上だけでなく、ホテルなどの売上にも影響がないことが示されています。一部の都市では、反対に店の売上が増加したそうです。

変更が続く「禁煙法案の”たたき台”」

禁煙と売上の関係は、世界の様々な都市で明らかになりつつあります。ただし、より正確に判断するためにはやはり日本国内での調査・研究が必要になってくるでしょう。

元々、厚生労働省ではお店の業態・面積を問わず、店内に喫煙室がない限りは禁煙という「たたき台」を出していました。ただ、飲食店の禁煙化に関する一連の流れで、厚生労働省は禁煙法案の“たたき台”一部変更を検討。例外を認める案も出しています。

禁煙の例外とされる飲食店は、アルコール類を提供するお店で、かつ30平方メートル以下の小規模な店舗です。この条件に該当するバーやスナックなどのお店は、規制の対象から外される予定となっています。子どもや家族連れが来店する可能性は少なく、かつ個人店であれば禁煙化は大きな負担になるという話のようです。

店内での分煙は不十分なのか

飲食店を禁煙にした際の売上について、以下のように説明しました。

  • 海外の研究では、売上に影響ないと示されている
  • 禁煙にしたことで売上が上がった都市もある
  • 日本の小規模店舗は例外とされる可能性がある

ただ、中には「禁煙ではなく、分煙ではだめなの?」と考えているかたもいらっしゃるのではないでしょうか?

お店に来る顧客のことだけを考えると、分煙でも問題ありません。しかし、お店で働く従業員のことを考えると、喫煙席と禁煙席を作っても不十分なのです。従業員のことを考えると、客席とは別の「禁煙室」を作る必要があり、席は全て禁煙にしなければならないというわけです。

外食チェーン店の成功例

日本の外食チェーン店では、すでにいくつか成功例が上がっています。

まだ居酒屋で導入された事例はないものの、外食チェーン店に関しては問題ないと考えることができそうです。

グローバルダイニング

グローバルダイニングは、「フードコロシアム」や「カフェ・ラ・ポエム」、「ZEST CANTINA(ゼスト キャンティーナ)」などを経営する会社です。同社は、展開する飲食店の99%を全面禁煙としました。

その結果、タバコを吸いたい人が減ったものの、代わりに家族連れが増え、結果としてこれまでと違った客層が訪れるお店になったそうです。

ロイヤルホスト

2013年には、ロイヤルホストが全面禁煙にしました。その結果、先ほどのグローバルダイニング社の結果と同じく、家族連れが増えて、平日は主婦・お年寄りが増えたそうです。

もともとのブランド力が強いものの、思い切った決断によって新たな顧客をゲットできた一例ですね。

飲食店の禁煙は、まだまだ議論の余地あり

飲食店の禁煙化の理由として、以下のようなものがありました。

  1. WHOからの指摘
  2. 大きな国際大会が控えている
  3. 喫煙率の低下

そして、禁煙と売上の関係は、以下のようなことを紹介しました。

  • 海外の研究では、売上に影響ないと示されている
  • 禁煙にしたことで売上が上がった都市もある
  • 日本の小規模店舗は例外とされる可能性がある

グローバルダイニング社やロイヤルホスト社など、外食チェーン店での成功事例はすでにあります。しかし、今後禁煙が導入されるであろう、居酒屋などがどうなるかは未知数です。

ほとんどの飲食店を禁煙化したときに、結果がどうなるかはわかっていません。そのため、実際に禁煙化するまでには、まだまだ議論の余地があると言えそうです。

この記事を書いた人
黒田剛司

大阪市立大学商学部を卒業後、新卒で独立。学生時代に身につけた経営・流通・マーケティングなどの知識を活かし、コマースについて幅広いジャンルで執筆。また、サイト制作やWebメディア運営も請け負っており、IT系の記事作成も可能。無類の動物好き。

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