新型コールベル「デジベル」は飲食店のインバウンド対策にも効果あり!?ラオックスインバウンド集客×対策セミナー

2019年5月22日に開催された、ラオックス主催の「インバウンド集客×対策セミナー」にエスキュービズムの三宅が登壇しました。
本記事では飲食店でのインバウンド対策についての講演をレポートします。
インバウンド関連の資料紹介や、インバウンド客の来店動線、テクノロジー活用事例をもとに、飲食店でのインバウンド対策をどのように考えればよいのかを解説しました。
訪日外国人観光客数の目標を達成するために

株式会社エスキュービズム
デジベル事業本部 三宅貴展
2003年から2018年まで、訪日外国人客数は右肩上がりで増加し、2018年は3000万人を突破、過去最高の訪日者数となっています。
以前はパッケージツアーでの団体旅行客が多かったのですが、最近はトラベルエージェンシーやSNSの発達により個人での旅行者が増えたことが特徴です。中国からの個人旅行者は2012年に28%だったものが、2018年には62%に増加し、全体でも75%に達しています。
政府が目標に掲げている数値は2020年までに訪日外国人客数4000万人、インバウンド消費は8兆円。2030年には6000万人、消費額は15兆円を目指すとされています。
その目標を達成するための3つの視点をご紹介します。
1、観光資源の魅力を極め、地方創生の礎に
地方の観光資源を活用し、インバウンドの消費額を上げようとするものです。
2、観光産業を革新し、国際競争力を高め、我が国の基幹産業に
ITを活用し、デジタルマーケティングで情報の拡散、各種サービスのデジタル化を推進します。
3、全ての旅行者が、ストレスなく快適に観光を満喫できる環境に
通信インフラの整備、顔認証ゲートのシステム開発などの最先端テクノロジー活用を行います。
参考:観光先進国の実現に向けた取組み(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h28/hakusho/h29/html/n2322000.html
来日される外国人観光客の国籍ですが、韓国、中国、台湾、香港といった東アジアが多い傾向です。また、経済発展が進む東南アジア、シンガポール、マレーシア、ベトナムなども急増しています。政府目標を達成するにはこのボリュームゾーンをさらに伸ばす必要があります。
逆にヨーロッパやアメリカは今後の課題といえる地域です。
2019年以降のインバウンドトピックス
2019年秋にラグビーワールドカップ、2020年に東京オリンピック、パラリンピックが開催されます。2025年には大阪万博の開催も決定しています。
これらの国際イベントを通じて、一気に訪日外国人観光客を増やしていくための施策を官民一体となっておこなっていくとしています。
インバウンド消費額の傾向
2015年に「爆買い」という言葉が流行語大賞になったように一気にインバウンドの消費額が伸びました。しかし、2016年からは買い物額に関しては減少傾向にあります。
日本に来る外国人観光客が困っていること
-キャッシュレス決済に対応できていない
-オンラインの予約・決済に対応できていない
-多言語対応ができていない
-通訳ガイドや案内士などの人材不足
-通信環境が悪い
-洋式トイレが少ない
-禁煙化がされていない
-タトゥーをしていると浴場に入れない
-レールパスで私鉄に乗れない
-海外から予約できない
-災害や事故などの際の情報提供不足
「キャッシュレス、言語について困っている」が50%という高い数値がでています。
「日本はおもてなしが素晴らしい」という期待度が高いこともあるかもしれません。
言語も英語対応だけでは足りないでしょう。中国語の簡体字、繁体字、韓国語のハングルなど、東アジアの言語対応もしていく必要があります。
来店の動線について
ほぼ毎日、訪日外国人観光客が来店する店舗に、動線についてヒアリング調査をした結果をみてみると、
- 来店予約はなく、飛び込みで来る
- エージェント(代理店)を通じて予約を取る
- 電話やWEBでの予約する
- ホテルなどでおすすめされて来店する
のような状況でした。
認知のきっかけについては、
- WEBサイト
- 知人の紹介
- SNSを見て
というように、ほとんどがWEBサイトや口コミから、予約せずに来店しているという結果が出ています。
こうした繁盛店で何をやっているかというと、先ほどご紹介した「外国人観光客が困っていること」を解決する接客を行っているのです。
多言語対応のメニュー表や、多言語での接客、無料Wi-Fiの提供、キャッシュレスも含めたマルチ決済対応などですね。
では、こうした対応をすべての飲食店が完璧にできるかというとなかなか難しいところです。
IT技術を活用して、これらを解決できるかもしれません。
事例をもとに、ヒントをお伝えします。
寿司ブリトー beeat Sushi Burrito Tokyo
秋葉原にある無人の寿司店です。テイクアウトのみで、注文から決済までオンラインですべて完了するため、接客の必要がありません。裏で調理スタッフは商品を用意し、店内のボックスに入れるだけです。かなり食材の原価率が高いようですが、接客スタッフが必要ないため人件費でコストカットしています。
注文用のアプリを多言語対応に、決済をキャッシュレスにすることで、インバウンドに対しても接客オペレーションを省いた店舗運営は可能だと思います。
ロイヤルホールディングス Gathering Table Pantry
「現金おことわり」のキャッシュレス対応店舗です。
お客様がテーブルのタブレットで注文をすると、厨房のタブレットに反映され、さらに店舗スタッフのiPhoneに注文状況や決済情報が通知されます。店舗スタッフがお店のどこにいても、すぐにお客様の要望が分かるようになっているんですね。
完全キャッシュレスにすることで、店舗スタッフの業務として負担になっていたレジ締めや現金管理も必要なく、接客に必要以上に時間を取られることもありません。
寿司ブリトーと同様に、従来型の店舗オペレーションを軽減したタイプの店舗でしょう。
海外事例:中国の「ロボットレストラン」
海外の飲食店に関しても無人化は進んでいます。
調理、配膳はロボットがおこない、オーダー、決済はタブレットでおこなう「京東X未来レストラン」も話題ですね。マクドナルドなどのファーストフードも店頭サイネージでのオーダー、アリペイでのキャッシュレス決済と、そもそもコミュニケーションを取らないスタッフレスの店舗が増えています。
飲食店で求められるインバウンド対応
さて、ここまでいろいろと事例をご紹介してきました。
実際に日本の飲食店に求められるインバウンド対応というと、ハラルフードやベジタリアンといった宗教上の対応、多言語化、SNSの情報発信、動画広告といったキーワードになっています。
しかし、すべてを行うことはやはり難しいと思います。
また、日本の飲食店であれば接客を期待されている観光客の方も多いでしょう。なかなか接客オペレーションを減らすことは難しいのではないでしょうか。
接客をサポートする目的で、様々な翻訳機も登場していますが、通信の問題で会話には向かなかったり、翻訳精度の問題があったりと、普及にはまだまだ課題が多いツールです。
直接コミュニケーションを取らないコミュニケーションツール
「デジベル」はお客様が要望の書かれたブロックを倒すと、店舗スタッフのリストバンドにその要望が直接届くというツールです。
ブロックに英語や中国語など多言語で表示しておけば、日本語が分からない外国人観光客の方でも使うことができます。
店舗スタッフのリストバンドにテーブル番号と要望が表示されるので、店舗のどこにいてもすぐに対応ができるのが特長です。「お水がほしい」「会計をしてほしい」といった要望を、お客様が店舗スタッフを一度呼ばずに手元でブロックを倒すだけで対応できるのです。
従来のボタンを押すタイプのコールベルとの違いはこの「要望の内容が分かって、すぐ対応できる」ところです。
また、要望の内容はカスタマイズできますので、飲食店によって別々の内容にすることができます。
たとえば「サプライズ」という項目を作って、お客様が希望するタイミングで誕生日ケーキを提供したり、お花を用意したりとサプライズ演出に活用している店舗様もあります。
店舗の客層やオペレーションに合わせてカスタマイズし、業務改善やインバウンド対応に使っていただくことができるのです。
結果、お客様満足度が向上したという店舗様も多くあります。
「デジベル」気になる導入効果は?
導入店舗で顧客満足度調査を行ったところ、導入前よりも10%ポイントがアップしたという結果が出たお店がありました。
また、NPS(ネットプロモータースコア)が18%向上した店舗様もありました。
従来型のコールベルを使っていた店舗様では、商業施設の中に入っていた関係で「ピンポーン」という音が響き渡ってしまうことが課題だったので、デジベルの導入で音が鳴らなくてもしっかりとお客様対応ができるようになりました。
人手不足が課題だったという飲食店様がありました。人手が足りないため、お客様に呼ばれても対応が遅くなっていたのですが、デジベルを使うことで呼んでいるテーブルとお客様の要望が手元ですぐに分かり、素早い対応ができるようになりました。
「お水」や「片付け」といった決まった業務をキッチンスタッフが行うなど、うまく人手を振り分けることによって残業時間が削減されたというお話も聞いています。
インバウンドニーズでの「デジベル」活用法
品川にある飲食店様では、個室と中庭でデジベルをご活用いただいています。
品川という土地柄、外国人観光客の方も多いため、同店ではデジベルに英語と中国語を併記しています。
日本庭園の有名な個室レストランでは、外国人の方も個室を利用されるということで、サービス提供のタイミングが難しく、外国語でのコミュニケーションも取りにくいという課題を「デジベル」で解決しました。
場の雰囲気を壊さず、個室でのコミュニケーションも取れるデジベルは店舗コンセプトにもピッタリでした。
最後に旅館です。旅館の内線がわりにデジベルが活用されています。先ほどのレストランと同様に離れの個室での活用です。宿泊客の方はブロックを倒すだけで、要望をスタッフに伝えることができます。
このように、活用方法次第でデジベルをインバウンド対策ツールとしてお使いいただくこともできます。
さいごに
システムに大規模な設備投資を行ってインバウンド対策をすることも有効だと思いますが、なかなかそういったことも難しいと思います。
アイデア次第でインバウンド対策も可能になりますので、ぜひ一度ご相談ください。
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