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続く小売業界の独自決済導入 その狙いとメリットは

2度目の緊急事態宣言が継続されるなど、コロナ禍の影響によって実店舗への客足が鈍ると同時にECチャネルの利用率が高まる傾向にある中で、なお好調を維持し続ける小売企業があります。

ユニクロや無印良品はその筆頭と言えるでしょう。そして、興味深い傾向として、両企業は相次いで実店舗に特化した独自の決済サービスを導入しています。

本稿では、両企業がローンチした決済サービスを紐解きながら、その狙いやメリットについて考察していきます。

前年度実績を上回る小売企業の次の打ち手

多くの小売企業が新型コロナウイルスの影響をまともに受けて苦戦している中で、2021年を幸先よくスタートしている企業も存在します。

その筆頭が、ユニクロと無印良品、ファッションセンターしまむらです。

ユニクロは2021年1月度の売上が前年同月比で2%増、無印良品にいたっては前年同月比で30.4%増を記録しています(ただし、これは昨年1月に無印がシステム改修のためにECを休止していた影響もあります)。ファションセンターしまむらも、実店舗とECを合算した売り上げは前年同月比7.6%増となっており、特にアパレル系小売企業においては、冬季であること、コロナ禍における巣ごもり需要によって、暖かいインナーウェアやルームウェアなどが売上を牽引しています。

各企業の売上を支える要因としてECが大きいことはいうまでもありません。

特に楽天市場は2020年12月期に流通総額3兆円を突破していますし、Amazonで言えば2020年の売上高は円ベースで2兆1,893億2,700万円で、その伸び率は前期比25.5%と、大手ECプラットフォームは大きくその市場を伸ばしています。

このような状況に鑑みると、小売企業としてはECサイトへの投資へ大幅に予算をシフトするべきなのでは、という考えに至るかもしれません。

しかしながら興味深いのは、これら好調を維持する小売企業は、次の打ち手として実店舗に特化した「独自決済サービス」を打ち出してきている、という部分です。

小売企業が独自の決済◯◯Payをローンチ

小売企業が近年実店舗に対して行ってきた投資といえば、店舗アプリやセルフレジなどが挙げられますが、独自の決済サービスはそれらに続く一つのキーワードになりつつあると言えるでしょう。

上記項目で挙げた小売企業のうち、独自の決済サービスを打ち出しているのがユニクロと無印良品です。

まずは、その概要を見ていきましょう。

MUJI passport Pay

無印良品は、2020年12月、スマートフォンアプリ「MUJI passport」に追加する形で「MUJI passport Pay」をローンチしました。

MUJI passport Payをクレジットカードと連携させ、実店舗での会計時にMUJI passport上に表示されたバーコードを提示することで決済が可能になります。

それだけでなく、購入金額に応じてMUJIマイルが付与される仕組みも備えています。

UNIQLO Pay

ユニクロは、2021年の1月に電子決済サービスである「UNIQLO Pay」をローンチしました。

このサービスは、もともと存在しているユニクロ公式アプリの新しい機能として追加されたものになります。

こちらもMUJI passport Pay同様、クレジットカードあるいは銀行口座とサービスを連携させ、アプリ内でQRコードを提示する形で決済を可能にしますが、PayPayなど多くの電子決済サービスのように、チャージした金額をプールしておく機能はなく、その場での即時決済に特化しています。

ユニクロの実店舗では、商品を置くだけで即合計金額を計算し、一つ一つの商品をスキャンすることなく会計が可能となるセルフレジが一般化しつつあります。そこにUNIQLO Payでの決済が加わることで、顧客の利便性が高まることが期待されています。

この部分については別項目で詳述します。

https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/feature/uniqlo-pay/

コンビニや通信キャリアの「◯◯Pay」とは違う狙いとメリット

無印もユニクロも、「◯◯Pay」という名称だけを聞くと、少し以前に乱立したコンビニや通信キャリアによる決済サービスと同じ路線のものであるという印象を受けますが、その狙いやメリットは、実は違うところにあると考えられます。

実店舗に特化した独自の決済サービスが、小売企業にとってどんな効果をもたらすのか、以下で考察していきます。

CXの向上

まず、真っ先に挙げられるのが、実店舗におけるCXの向上です。

これまで、小売店ではさまざまな決済手段を希望する顧客に幅広く対応することが一つのCX向上の手段という側面がありました。

しかし、実際の決済現場での体験という意味では、顧客にとっても、従業員にとっても、使用したい決済手段を伝えてから決済が完了するまでの操作や工程は非常に煩雑になる、という問題があったのです。

加えて、独自のポイントなどを貯めたい場合は会員として認識してもらうための工数もかかるので、余計に煩わしさが増してしまいます。

MUJI passport PayやUNIQLO Payなどのような小売企業独自の決済サービスの場合、会計時に一度会員情報を読み込むためのQRコードを提示することで、あとはアプリを通じて決済まで一気通貫した操作が可能になり、新たなアプリを開いたり、財布からクレジットカードを取り出す、といった煩わしさがなくなります。

スムーズな決済の実現は、想像以上に良い顧客体験をもたらすことに繋がり、結果としてリピーターを増加させるための強力な手段になるでしょう。

ポイント文化の浸透と顧客の囲い込み

上記項目との関連性が高いですが、ユーザーが該当小売企業のリピーターであれば、独自の決済サービスを通じてポイントの付与などを行うことによって、リピート率をさらに高めることが可能です。

これまで決済手段によって集まるポイントも変わる、ポイントを集めるためには決済手段とは別のもの(アプリや物理カード)を提示する必要がある、など、ポイントを使ったリピート施策がうまく働かない障壁も多かったと言えますが、会員IDの認証と決済、ポイントの付与までを一気通貫して行うことで、自然とポイントを積極的に利用しよう、というモチベーションも生まれやすくなるでしょう。そして、ポイントを利用する機運が高まれば、自社ECなど別チャネルでの高倍率を高めることにも繋がるはずです。

加えて、独自決済サービスをアプリを通じて提供することで、顧客IDとコンバージョンデータを容易に紐づけることができ、それらは当然、良質なマーケティング施策を生み出すために重要な要素となり得ます。

マーケティング施策に関しても、すべてアプリという接点を通じて行うことができるため、顧客の利便性を高めることと、自然な形で囲い込みにつながるマーケティング施策を実施することを両立できる、という点も魅力です。

課題は多様な銀行への対応

ここまで、小売企業の独自決済サービスについてその狙いとメリットを挙げてきましたが、もちろん課題もあります。

セキュリティの問題などもあり、UNIQLO Payなどでも、対応できる銀行はまだまだ少ないのが現状です。

しかし、真に良いCXを提供する、という観点から見れば、クレジットカードを望まない多くの顧客にとって、UNIQLO Payは自分ごとにはならない、という課題を抱えているとも言えます。

当然、UNIQLO Payに関してはこれから対応銀行を増やしていく、という状況にあると考えられますが、決済データに関するセキュリティを万全にすることは一筋縄でいくことではなく、これから独自決済を検討したい小売企業にとって、システム開発の上でも、大きな課題として立ち塞がる可能性が高いと言えます。

さいごに

事業規模如何では、”独自決済サービス”にこだわりすぎず、顧客管理機能まで備えた決済に特化したサードパーティサービスを活用する、といった方法も考えられます。ともかく重要視すべきなのは、例え「決済」という購買行動の最終部分であっても、実店舗における顧客体験をいかに高めるか、という視点に尽きると言えるでしょう。

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