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プライシングとは?価格をつけるための考え方や方法を総まとめ

「商品の価格って、どんなふうにつけたらいいんだろう…」

と思っている方。

商品の価格は、店舗の経営を左右する大切な要素の1つです。どのようにプライシング(価格決め)するかによって、店舗の売上や利益、市場でのシェアは大きく変わります。

とはいえ、プライシングにはどのような方法があるのか、自社でどのようなプライシングを採用すべきかはわかりにくいですよね。

そこで、この記事では、

  • そもそもプライシングとは
  • プライシングをする目的
  • プライシングの方法

の順に、プライシングについて解説します。

専門用語のようで難しく感じるかもしれませんが、考え方はシンプルです。

まずはこの記事で、プライシングの概要をざっくりつかみましょう!

そもそも「プライシング」とは?

そもそもプライシングとは「価格をつける」という意味で、マーケティングに関わる用語です。マーケティングミックスと呼ばれる、

  1. 製品(Product)
  2. 価格(Price)
  3. 場所(Place)
  4. プロモーション(Promotion)

という「4つのP」のうちの1つで、プライシングでは価格戦略に応じた値段をつけます。

プライシングを調整する6つの目的

プライシングを調整する目的には

  1. 売上を増やす
  2. 利益をアップさせる
  3. 市場シェアを保つ・拡大する
  4. 商品の価格を安定させる
  5. 競合店舗に対抗する
  6. 投資を早めに回収する

の6つがあります。以下で詳しくお伝えしますね。

1. 売上を増やす

お客様にとっては高すぎなくて、かつ企業にとっては安すぎない値段をプライシングすることで、売上を最大まで増やすことが可能です。

商品の売上は、商品の価値はもちろんのこと、企業が社会に認められているかを考える指標にもなります。
とはいえ、売上だけアップしても企業の経営にとっては不十分なので、利益のアップも考えることが多いです。

2. 利益をアップさせる

最適なプライシングをするかどうかで、同じ商品でもあがる利益が変わります。
売上の成長はもちろんのこと、そこから原価を引いた利益もアップさせることが大切です。

投資した額に対するリターン(ROI)の割合から利益率を考えて、プライシングすることもあります。

3. 市場シェアを保つ・拡大する

市場に対するシェアを保ったり、拡大したりするときにも、プライシングは大切な要素です。
シェアを拡大することで生産量が増え、結果として1つの商品にかかるコストが減る「規模の経済」効果も期待できます。

4. 商品の価格を安定させる

プライシングによって商品の価格を安定させることで、お客様に安心して買ってもらうことが可能です。
商品の値段が下がってしまうと、「前より安くなったけど、これは品質が落ちたんじゃないか」とお客様が不安になることも。

価格を保つようにプライシングすることで、利益を安定させることにもつながります。

5. 競合店舗に対抗する

価格を決めることは、競合店舗に対抗する意味でも重要です。
競合店舗に対して思い切った値下げをすることで、お客様に自社の商品を買ってもらう戦略もあります。

また、競合のお店が値下げをしてきたときに、同じようなプライシングをしてお客様を守ることも、ときには必要です。

6. 投資を早めに回収する

プライシングの方法にもよりますが、投資を早めに回収する目的もあります。例えば、新しいものを買いたい消費者に対して、高めの値段設定で商品を売る方法です。

これにより、高くても新しい商品を買いたい人に訴求して、販売初期に投資を回収することができます。

ここまで、プライシングをする目的として、

  1. 売上を増やす
  2. 利益をアップさせる
  3. 市場シェアを保つ・拡大する
  4. 商品の価格を安定させる
  5. 競合店舗に対抗する
  6. 投資を早めに回収する

の5つを紹介しました。

次は、より具体的なプライシングの方法について説明します。

プライシングの方法

ここからはプライシングの方法を、

  • 今ある商品の価格を決めるとき
  • 新しい商品の価格を決めるとき

の種類に分けて紹介します。

今ある商品の価格を決めるとき

まずは、今ある商品の価格を決めるプライシングを

  • 商品のコストをもとに考える方法
  • 商品のニーズをもとに考える方法
  • 競合店舗の価格をもとに考える方法
  • お客様の心理をもとに考える方法
  • 地域ごとに価格を考える方法
  • 複数の商品をあわせて売る方法
  • 本体を安く、消耗品を高くする方法
  • 補足:AIを活用したダイナミックプライシング

の順に紹介します。

商品のコストをもとに考える方法

まずは、商品のコストをもとに値段を考える方法です。仕入や人件費などを計算して、そこに利益を上乗せします。

一定の利益が見込めるのはメリットですが、市場に受け入れられるかどうかはわからないのがデメリットです。

商品のニーズをもとに考える方法

お客様が「この値段なら買いたい」と思うような、ニーズをもとに価格を考える方法で、需要志向型価格設定法と呼ばれています。

マーケットリサーチやアンケートなどを通して、あらかじめ商品の適正な値段を考えて、その値段に合わせて商品を製造・販売することが多いです。

また、魚や肉など、時間がたつにつれて価値が下がる商品を値下げすることも、ニーズに合ったプライシングをしていると言えます。

競合店舗の価格をもとに考える方法

競合店舗の価格をもとにプライシングする方法もあります。競合が商品へ設定している価格を見て、それと同じ値段にしたり安くしたりする方法です。

コストやニーズを考えずに値段をつけてしまうので、一時的な売上アップやシェア獲得に使われることが多いですね。

お客様の心理をもとに考える方法

お客様が価格に対してもつ印象をもとにしてプライシングする方法です。

例えば、

  • 商品を持つことがステータスになるような価格づけをする(ブランド品など):名声価格
  • 長い間、値段が変わらないものの価格づけをする(お菓子、ジュースなど):習慣価格
  • わざとキリの悪い価格づけをする(398円、1980円など):端数価格

などがあります。

地域ごとに価格を考える方法

飛行機や高速バスのチケットなど、競争が激しい地域(例:東京・大阪間)では価格を下げて、逆に競争が少ない地域(例:鳥取・福井間)では価格を上げる方法です。

この方法では、地域によって

  • 競争が激しい地域:他社とのシェア争いに勝つ
  • 競争が少ない地域:利益を出す

のように目的を分けます。

複数の商品をあわせて売る方法

複数の商品をあわせて売ることで、お客様にオトクだと思ってもらうプライシングです。
例えば、新幹線のチケットとホテルのセット割引があたります。

お互いの商品がどれくらい安くなっているのか判断しにくいため、利益をしっかりと計算しておくことが必要です。

本体を安く、消耗品を高くする方法

カミソリの本体と替え刃など、本体を安くして消耗品を高くする方法です。カミソリの他にも、プリンターとインクの組み合わせなどがあります。

また、似たようなプライシングで、電話の「基本料金+使ったぶんだけの料金」という組み合わせも有名です。

補足:AIを活用したダイナミックプライシング

最近では、AIを使って価格を最適化する方法もあります。
天候、曜日、場所などさまざまな要素をAIが分析することで、最適な価格を導き出します。

あらゆるデータから需給を予測して、ダイナミックにプライシングする企業は、今後増えてくるかもしれません。

ここまで、今ある商品の価格をプライシングする方法として

  • 商品のコストをもとに考える方法
  • 商品のニーズをもとに考える方法
  • 競合店舗の価格をもとに考える方法
  • お客様の心理をもとに考える方法
  • 地域ごとに価格を考える方法
  • 複数の商品をあわせて売る方法
  • 本体を安く、消耗品を高くする方法
  • 補足:AIを活用したダイナミックプライシング

の順に紹介しました。

次は、新しい商品の価格を決めるさいのプライシングについて解説します。

新しい商品の価格を決めるとき

ここからは、新しい商品の価格を決めるプライシングとして、

  • 2段階の価格を用意しておく方法
  • はじめの価格から徐々に下げる方法
  • はじめは価格を安く設定する方法

を紹介します。

2段階の価格を用意しておく方法

あらかじめ高い価格と安い価格を2段階で用意しておき、

  • キャンペーン
  • クーポン
  • キャッシュバック

などによって、意図的に価格を下げる方法です。

この方法は価格帯によって、

  • 高い価格:その商品のブランドに価値をおいているお客様
  • 安い価格:その商品をオトクに買うための情報を集めているお客様

のようにお客様のセグメントを分けています。

そのため、より広いお客様へアプローチできるのが特徴です。

はじめの価格から徐々に下げる方法

新しい商品を出した直後は高い値段で、時間がたつにつれて価格を下げる方法もあります。いわゆる、上澄み価格戦略(スキミング)です。

こちらもお客様のセグメントを分けており、

  • 初期の高い価格:多少高くてもよいので、新しいものがほしいお客様
  • 時間がたって安くなった価格:商品が流行し始めたら買いたいお客様

の2つがあります。製品を販売しはじめた時期で投資を回収しやすいことは、大きなメリットです。

このプライシングが機能するのは「高くてもよいので、新しい製品がほしい」と思っているお客様がいる場合のみなので、気をつけてください。

はじめは価格を安く設定する方法

先ほどの方法とは逆に、はじめは価格を思い切って安く設定する方法もあります。
これは市場浸透価格戦略(ペネトレーション)と呼ばれており、製品をリリースした初期に市場シェアを獲得できるのが特徴です。

大量生産できる体制があったり、技術の転用ができたりすると価格を安くしやすいので、もしそのような状況にあれば検討してみてください。

また、すぐに参入できる市場や、競合の商品をまねしやすい市場でも、効果の高い方法です。

まとめると、ここでは、

  • 2段階の価格を用意しておく方法
  • はじめの価格から徐々に下げる方法
  • はじめは価格を安く設定する方法

の3つを紹介しました。

プライシングでの成功事例3社

ここからはプライシングでの成功事例として

  1. ジレット
  2. チャンホン(中国のテレビメーカー)
  3. 福岡ソフトバンクホークス、Yahoo!

の3社を紹介します。

1. ジレット

ジレットは、カミソリと替え刃を別で販売。
カミソリを安い値段で販売して、市場でのシェアを獲得し、その後の替え刃販売で利益を上げるモデルで成功しました。

ジレットでは、上述の「本体を安く、消耗品を高くする方法」を使っています。

2. チャンホン(中国のテレビメーカー)

中国のテレビメーカーであるチャンホン社は、自社の製品を8~18%値下げすることにより、市場のシェアを約2倍に増やしました。
値下げは自社の利益を下げることにもなりますが、適切に使うことでチャンホン社のようにシェア獲得につながります。

チャンホンでは、上記で紹介した「はじめは価格を安く設定する方法」を使っています。

3. 福岡ソフトバンクホークス、Yahoo!

Yahoo!と福岡ソフトバンクホークスは、2016年に過去の売れゆきをAIで分析。
天候や試合順、対戦相手などの要素から、最適なプライシングがされたチケットを販売しました。

Yahoo!と福岡ソフトバンクホークスでは、上記で紹介した「AIを活用したダイナミックプライシング」を使っています。

プライシングを意識して、店舗の売上アップへ

プライシングについて、概要から目的、具体例を紹介しました。

おさらいするとプライシングとは「値段をつける」という意味です。

その目的には、

  1. 売上を増やす
  2. 利益をアップさせる
  3. 市場シェアを保つ・拡大する
  4. 商品の価格を安定させる
  5. 競合店舗に対抗する
  6. 投資を早めに回収する

の6つがあると紹介しました。

また、具体的なプライシングとして、以下の方法を紹介しました。

【今ある商品の価格を決めるプライシング】

  • 商品のコストをもとに考える方法
  • 商品のニーズをもとに考える方法
  • 競合店舗の価格をもとに考える方法
  • お客様の心理をもとに考える方法
  • 地域ごとに価格を考える方法
  • 複数の商品をあわせて売る方法
  • 本体を安く、消耗品を高くする方法
  • 補足:AIを活用したダイナミックプライシング

【新しい商品の価格を決めるプライシング】

  • 2段階の価格を用意しておく方法
  • はじめの価格から徐々に下げる方法
  • はじめは価格を安く設定する方法

そして最後に、プライシングの事例として

  1. ジレット
  2. チャンホン(中国のテレビメーカー)
  3. 福岡ソフトバンクホークス、Yahoo!

の3社を見ていきました。

くり返しになりますが、プライシングは店舗の経営を左右する、大切な要素の1つです。

まずは、自社の商品について、どのように価格がついているのかチェックすることからはじめてみてください。

この記事を書いた人
佐々木ゴウ

大手Sierや、ECコンサルティング会社での経験を活かし、ファッションや食品などの各種商品ジャンルから、バックオフィス、ITインフラ系まで幅広く執筆が可能。webライティングの講師や、メディアコンサルティング、採用系メディアの編集長なども請け負っている。趣味は盆栽。

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